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朝日岳−日本百名山

古寺鉱泉から大朝日ピストン

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登山ルートMAP
日程 2008年08月09日(土)
山名 大朝日岳
山域 東北
入/下山地 古寺鉱泉
メンバー 単独
行動時間 9時間
歩行距離 20.6km


コース(タイム)

駐車場(4:39)−古寺鉱泉−(6:58)小朝日岳(8:13)−(10:00)大朝日岳(10:08)−古寺鉱泉−(13:31)駐車場

 前回の後立山縦走日本百名山の達成が視野に入ってきた。夏の日の長いこの時期に行っておきたかったのが朝日岳である。ガイドブックでは二泊三日の縦走コースが中心だが、交通の便が悪いことや、車では縦走ができないことから、日帰りで大朝日岳を目指すことにした。地図でコースタイムを計算すると、古寺鉱泉からなら十分日帰りが可能であることが分かった。

【アプローチ編】
 古寺鉱泉を朝から登ることを考えると、夕方のうちには横浜の自宅を出発しなければならない。金曜日は会社を午後半休にして、自宅で少々昼寝をしてから17時過ぎに出発した。
 都内は道という道が渋滞しており、カーナビや道路の交通案内の画面は一面赤い線が点滅している。この日だけの現象なのか、平日の夕方はいつもそうなのかわからない。首都高で都内を抜けるのに2時間以上かかった。
 この日は北京オリンピックの開会式が行われており、高速道路を走りながら写りの悪いテレビで見ていたが、肝心の聖火台への点火の場面は全く映らなかった。中国との時差は1時間だがずいぶんと遅い時間に開会式が行われていた。
 東北自動車道をひたすら北上し、山形蔵王PAに到着したところで仮眠する。3時11分に再出発し、寒河江ICで降りる。寒河江市を抜けて大江西川線の林道に入ると道が狭く、草が道路まで生い茂っていて、車体でこすりながら進む。幸い対向車が来なかったので難なく地蔵峠まで到達する。地蔵峠からは道も広く、古寺の集落から古寺林道に向かって右に入る。
 林道では他に走っている車をまったく見ることが無く、果たして登山者なんかいるのだろうかと思っていたが、古寺鉱泉手前の駐車場に着いてみると、駐車場は車でほぼ埋まっていた。やはり人気の山だ。ぬかるんだ場所ではあったが幸いスペースがあったので駐車した。このあと到着する車は林道に縦列駐車することになる。駐車場には仮設トイレが二基置いてあった。


古寺鉱泉 【古寺鉱泉】

 古寺鉱泉 朝陽館。宿泊もできるようだ。
 駐車場から歩いて5分の所にある。小屋の左手に登山道は続く。

【大朝日岳目指す】
 駐車場に着いたばかりの頃はまだ薄暗かったが、4:39に歩き始める頃にはすっかり明るくなっていた。駐車場からはすぐに登山道で、歩いているとすぐに川を挟んで右手に古寺鉱泉の建物が見えてくる。
 鉱泉小屋の前に架かる橋を渡り、小屋を回り込むように尾根道に入っていく。道にほとんど花は咲いていないが、ブナやヒメコマツの中を歩く。途中、その両木が合わさったような合体の樹がある。
 ひとしきり登ると一服清水がある。排水が悪いのか、このあたりは水浸しだ。水場にはマグカップも用意されていて休憩にはもってこいだが、先客がいたので先に進む。
 ハナヌキ峰分岐を通過し、再び三沢清水という水場に出る。ここで小休止することにし、先と同じように用意されていたマグカップで清水を飲んだ。今回のコースは三ヶ所水場があるので、水筒を持ってくる必要がない。

朝日連峰 【朝日連峰】
 古寺山からの眺望。稜線は小朝日岳、大朝日岳、西朝日岳へとつながっている。

 古寺山(1500.7m)の頂上に立つと目の前に小朝日岳が見え、右に山が連なり、大朝日岳、西朝日岳と続いている。山肌に白いものが見えるが雪渓だろうか。朝日連峰は2000mに満たないのでそれほど高い山とは言えないが、8月のこの時期まで雪が残っているのは、よほどの豪雪地帯なのだろう。
 古寺山を下って小朝日岳に向かって登り返すと途中に巻道分岐がある。巻道は大朝日岳への最短コースとなるが、迷わず小朝日岳頂上を目指す。

小朝日岳頂上 【小朝日岳頂上】

 標高1647m。前方には大朝日岳が見える。来た道を振り返ると雲海に山が浮かんでいる。月山だろう。

 小朝日岳からの下りで、痛恨のミスをしてしまう。ちょうど自分が山頂に着いたときに、高校山岳部とそのOBが下っていった方に降りていったのだが、それは鳥原山方面の道だったのだ。そうとは気づかず、しばらく下っていくうちに先ほどの巻き道の合流がないなぁとは思いつつ、かなり下ったところでようやくGPSで確認すると間違いに気づくのだった。
 すでに小朝日岳は見上げるような高さになっている。再びその山頂へ戻るのはつらかったが、戻らなければ大朝日岳へ行くことや帰ることもできない。
 小朝日岳を登り返し、休憩することなくそのまま縦走を継続。急坂を下りながら目の前に大朝日岳とそこに続く道が見えている。間違いようのない道だ。左手は岩場の絶壁となっている。
 巻道の分岐を通過し、しばらく緩やかな吊り尾根歩きとなる。
朝日連峰パノラマ 【朝日連峰パノラマ】
 小朝日岳と大朝日岳の鞍部あたりからの眺望は360度の絶景である。。

 いよいよ大朝日岳への登り返しのところで、銀玉水という水場がある。水場では必ず誰かしら休憩していてオアシスとなっている。今回三ヶ所の水場は枯れることなく、十分に給水が可能だった。
 銀玉水からは良く整備された石畳の登りとなる。このあたりはニッコウキスゲの群落があり、黄色い鮮やかな花が点々と咲いている。
 霊山朝日嶽神社奥宮の石碑だけが残された場所を通過。大朝日小屋が目の前に見えてくる。西朝日岳に向かって白い筋のような登山道が続いているのも分かる。

大朝日小屋 【大朝日小屋】

 大朝日小屋は避難小屋で100人収容の大型の避難小屋だ。それでも秋のピーク時は混雑するようだ。水場は金玉水まで約15分。

 小屋の前はテントを張れそうな広場があった。この山域はテントを張ってもいいのだろうか。気持のよさそうな場所である。
 小屋を回り込んで大朝日岳へ向かうが、小屋の影は日差しが遮られて、涼しく気持ちの良い場所となっている。すでに樹林帯を抜けていて強い日差しを浴び続けていたのだ。
 大朝日岳山頂までは一息で登る。山頂は岩が多く、ケルンが積み上がっている。この手の山にしては珍しく日本百名山の文字はなく、円柱形の方位盤が据えられている。これは誰かが持ち上げたものだろうか。

大朝日岳山頂 【大朝日岳山頂】

 朝日連峰の最高峰、標高1870.3m。四方を山に囲まれ、360度の展望を楽しむことができる。方位盤があるので山座同定も可能だ。
 山頂では滅多に撮らない登頂証明写真を休んでいる人に撮ってもらった。


 下りは来た道をそのまま戻る。小朝日岳はもちろん巻道だ。古寺山まではまだ登ってくる人も多く、重装備の人が大半だ。やはり朝日連峰の醍醐味は縦走にあるようだ。
 古寺山からの下りは長く感じたが、古寺鉱泉に着くとホッとする。駐車場まではあと一息だ。
 小朝日岳で1時間余りの時間ロスをした割には、かなり早く下山することができた。やはり荷が軽いと歩くスピードも早く、休憩も少なくなる。コースタイム9時間35分のところを9時間弱で歩いたことになる。


【登山道の花】
シロバナクモマニガナ イワオトギリ タカネギガナ
タカネツリガネニンジン D E
F G タカネマツムシソウ
【山行後】
 駐車場は暑く、虫も寄ってくるためゆっくり休むどころではない。早々に車を走らせ出発した。来るときはやたら狭い道を通ってきたので、帰りは違う道で町へ出ようと思った。しかし朝日川沿いの林道へ向かったら通行止めだった。仕方がないので引き返し、地蔵峠を越えて大井沢トンネルの道を使うと道は広かった。
 道の駅おおえの裏手にある温泉に入った。事前に調べた温泉と少し違う気がしたが、それはすぐ近くにあったようだ。柏陵荘の入浴料は200円、安すぎる。しかも源泉かけ流しで、加水加温消毒は一切なしということだ。高濃度の温泉なので湯船に5分以上入ってはならないと注意書きがあった。以前、日光湯本の温泉で湯あたりし、酷い目にあったので、今回は早々に上がった。
 道の駅では地元の野菜などが売られていた。横浜で買うより遙かに安いスイカと桃を買って帰った。

立ち寄り湯情報
舟唄温泉 柏陵荘★★★
場所:山形県西村山郡大江町大字藤田270-3(TEL:0237-62-4096)
泉質:低張性弱アルカリ性高温泉
料金:200円・時間:[3月〜10月]6時〜21時・休館:第1月曜日
食堂無、休憩有料

Camera:Canon IXY 910is,EOS KISS X2

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