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日本百名山

大台ヶ原

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MAP予定
素晴らしい滝の連続−大杉谷
日程 1996年05月04日〜06日
山名 日出ヶ岳
山域 大台ヶ原
入/下山地 大台ヶ原駐車場/宮川第3発電所
メンバー ユーサン,ぎやまん,福島


 大台ヶ原−日出ヶ岳−粟谷小屋−桃の木山の家−宮川第三発電所

●前日
 今回の山行計画は奈良県在住のユーサンに立ててもらい,食料計画は滋賀県在住のぎやまんさんに任せ、僕は付いていくだけという小判鮫的お気楽山行となった。出発前日にぎやまんさんと合流し,滋賀のスーパーで食料の買い出し。今回の主食は山小屋の給食に頼ることになるので,買うのは2食分の昼食とおやつ類である。
 買い出しを済ませ,カーナビを頼りに奈良のユーサン宅へ向かう。一度も通ったことのない道であるが,ナビに従えば間違いは無いはずである。しかしナビの地図は関東版なので,関西地方の地図は大まかで交差点で曲がるタイミングが取りづらい。
 夕刻にはユーサン宅へ到着し,今回のメンバー3人が集まった。夕食後,食料を3分割し,一部の食料は一番大きいザックの僕がまとめて持つことになった。

●初日
 朝6時に起床。朝食を済ませ,そそくさと駅へ。なんと駅まで徒歩1分である。まだ乗客も少ない近鉄吉野線を途中乗り換え,大和上市へ到着したのは8時くらい。ここから大台ヶ原への奈良交通の直行バスが連絡している。この日はGWのまっただ中で,バスに乗れるか心配であったが,バスは2台用意されており,杞憂に終わった。
 満員になった1号バスは定刻よりも早く出発し,途中トイレ休憩をはさんで,大台ヶ原ドライブウエイをひた走る。2時間ほどでマイカーで満車状態の大台ヶ原の駐車場に到着。ここの標高はすでに1500M,今回訪れる最高峰は日出ヶ岳の1694.9Mで,下山口の宮川貯水池が標高200Mであるから,ほとんど下りのみの楽な山行である。
 まずは今晩の宿である大台荘にチェックインし,装備をサブザックにし(僕以外の二人はスーパーの袋をぶら下げ)大台ヶ原を散策。


【大台ヶ原,後方は日出ヶ岳】

 大台ヶ原はすっかり観光地化しており,ぞろぞろと行列に混じって遊歩道を大蛇ぐらへと向かう。牛石ガ原周辺のトウヒ林は倒木がやけに多い。これが大台の代表的な姿なのだろう。シャクナゲの林を抜けると大蛇ぐらに出る。絶壁の突き出た岩の上であるが,せっかくの景観も落下防止の鎖で仕切られていて,少々じゃまである。
 
【牛石ヶ原】

 牛石が原へ戻り,クマザサよりかなり小ぶりなイトザサを抜けると正木ガ原になる。なぜか巨大な神武天皇の銅像が遥を見やっている。遊歩道からはずれた人気のない岩と倒木の間で昼食を取り,日出ヶ岳を目指す。
 
【日出ヶ岳への階段建設中】

 日出ヶ岳山頂直下では階段が建築中である。ひっきりなしに訪れる観光客のため,植生が破壊され,土がむき出しになっているため,階段は有効であろうが,登る方は味気ない。
 
【一等三角点(1694.94M)】

 日出ヶ岳の頂上には展望台があり,360度の展望がある。この日の天気は曇りで眺望は悪いが,かろうじて熊野灘は望め,大峰の山々も望める。山上ヶ岳,八経ヶ岳,稲村ヶ岳など。
 
 日出ヶ岳を後にし,大台荘へ戻る途中に雨がぱらついてきた。予報通り,今夜から明日にかけて雨が降るようである。日本一降水量が多い大台のことだから雨は覚悟の上の山行である。
 夕食が始まる6時には雨は激しさを増し,日帰りハイカーは早々に引き上げている。
 大台荘の広間は30人分の布団が楽に敷け,定員は布団の数の30人。本来の山小屋であったら,二つの布団で3人はざらである。余裕で眠りにつけるが,同行のユーサンは自らのいびき宣言を行っていた。はたしてその夜は,その宣言通りユーサンの半径5メートルは被害を被ったようである。僕もその圏内にいたのであるが,長旅で疲れたのか聞こえてはいたものの,それほど気にはならなかった。しかしユーサンの隣に寝ていた単独行の人は,ユーサンがその場を外すやいなや,ぎやまんさんにその窮状を訴えていたのである。さらにその人は昼過ぎまで帰りのバスが無く,退屈を持ち余していたようである。

●二日目
 山小屋の給食は朝が遅い。すっかり夜も明けた6時過ぎに起床。
 天気は良い方向に進んでいるとの予報で,朝はゆっくり出発することになった。7時に朝食が開始し,小屋を出たのは8時ちょっとすぎ。合羽にスパッツ,ザックカバーと雨対策を万全に出発。
 昨日も通った道で日出ヶ岳を目指す。大台荘から40分で山頂に着くが,ガスにおおわれ眺望は全くない。おまけに風も強く,展望台下で風雨を避けてしばし休憩。
 日出ヶ岳を後にし,大杉谷方面へ向かう。粟谷小屋まで下るとガスも無くなり,晴れ間も見えてきた。ユーサンは何はともあれビールを買い求め,ぎやまんさんもそれに続く。まだこの先歩くのに危ないんじゃないの,と思いつつ僕は遠慮する。
 粟谷小屋の親父の情報によると,小屋の前の林道を上っていくと,たいそう綺麗な景色が見られると言う。地図上には「うっそうとしたブナ・モミの原生林」とかかれ,紅葉に時期は特に見事だそうだ。西谷橋から大台辻へ抜けるコースがあり,このコースで大台ヶ原へ出るのが通のコースなようである。その親父はテレビ局から取材時にもらった時計を自慢げに見せながら説明した。

【野生の鹿】


 
【堂倉の滝】

 粟谷小屋から15分も歩くと右手に初めての滝が見えてくる。さらに行くと堂倉滝の吊り橋があり,そのすぐそばに堂倉滝が落差18Mで大量の水を落下し,そのしぶきが吊り橋のほうまで来るほどである。
 
 吊り橋の側で昼食にすることにする。遅れて到着したぎやまんさんは,ビールで酔ったか腹が太ったか,あまり食欲が無いという。僕とユーサンは予定通りの食事をこなす。ところがここで,ピエトロのスープ紛失事件が勃発。けっこう高価なこのインスタントスープが何故か一個しかないのである。出発前に各自に配ったか,共同装備にしたのか定かでは無く,結局そのスープは所持していたぎやまんさんの胃袋に収まるのであった。

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