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那岐山-日本三百名山

那岐山-日本三百名山

雪降る山も地元の民はなんのその

雪降る山も地元の民はなんのその

【山頂にはTシャツの爺さんが】

山頂にはTシャツの爺さんが

山行情報
日程 2010年12月26日(日)
山名(山域) 那岐山(西日本
入/下山地 奈義町登山口
メンバー 単独行
行動時間 4時間00分
歩行
距離
登り
下り
歩数
8.3km 818m 818m 13,000歩
280x158

コース(タイム)

第一駐車場(8:43)-大神岩-三角点峰-(10:54)避難小屋(11:11)-那岐山-Aコース分岐-(12:48)第一駐車場=(13:25)湯郷鷺温泉館

 《山概略》
 地元の民に親しまれ、年中登山者が絶えない山はどの地方にもあるもので、この那岐山もそんな人気のある山の一つである。岡山県と鳥取県の県境に位置する那岐山は、日本三百名山に指定されている。山名の那岐はイザナギノミコトが降臨したことが由来しているようだ。鳥取県側の智頭町にある那岐神社は那岐山をご神体とし、国造りの神と言われる伊弉諾尊と伊弉冉尊を祀っている。岡山県側の登山口は同じ読みの奈義町となっている。

 《アプローチ編》
 車で九州へ帰りがてら、途中那岐山を登ることにしていたが、折からの冬型の気圧配置で日本海側は雪が降り続いていた。半ばあきらめかけていたが、とりあえず登山口までは行ってみることにした。前夜は鈴鹿のSAに車中泊をしていて、美作ICまで高速を走った。京都や大阪越えは渋滞も無くスムーズで、高速を降りてからも順調で、那岐山の登山口には8:40に到着した。
 駐車場は下から第一駐車場、第三駐車場とある。第一駐車場にはすでに雪が降り積もっていたので、安全策として第三駐車場まで行かずに第一駐車場に車を止め、そこから歩き始めることにした。今回のコースで参考となるのは分県登山ガイドの岡山県版である。

 《那岐山へ》
 駐車場には他に車は止まっておらず、この日の登山者は誰もいないのかと不安になったが、すぐに第一駐車場に車が入ってきた。声をかけると、地元の人のようで、つい数日前も登っているようだ。雪の具合を聞くと、山頂の積雪は十数センチでワカンは不要だとのこと。軽アイゼンで十分のようだ。
 駐車場で準備をしている間にも、何台かの車が、第三駐車場のほうへ登っていった。案外人が入るようなので不安はなさそうだ。しかし、熊出没注意の張り紙がある。10月1日に那岐山の山頂付近で目撃されているようだ。今年は特に全国で熊出没注意の張り紙を見かけた。


車道を歩き蛇淵ノ滝入口を通過
【車道を歩き蛇淵ノ滝入口を通過】
   B・Cコース分岐
【B・Cコース分岐】

 第一駐車場を出発し、しばらく車道を歩く。目の前の那岐山は灰色の雲に覆われていていかにも雪が降っている感じだ。第三駐車場を通り過ぎ、蛇淵ノ滝への分岐が右手にある。滝の見学は下山してからにするとして、入り口の鳥居の前を通過する。やがて右手に登山道入り口がある。うっすらと雪の積もった歩きにくい石畳のような道を歩くと、B・Cコース分岐がある。左手のBコースに進む。
 那岐山まで2.5kmの指導標があり、国有林の中に入っていく。道は良く整備されているようだが、雪が10cmほど積もっていて靴底が良く滑る。滑ると体力を消耗するのでアイゼンを着けることにした。6本爪の軽アイゼンである。ザックには12本爪のアイゼンも入っていたが、これは大げさすぎる。
 みどりの広場でアイゼンを装着していると、登ってきた登山者に声をかけられた。彼こそmattoldさんであった。この後下山まで一緒に歩くことになる。地元の方で、何度も那岐山を登っているとのことだった。記録はヤマレコで活躍しているようだ。

滑りやすい雪の急坂を登る
【滑りやすい雪の急坂を登る】
   稜線左は滝山へ続く
【稜線左は滝山へ続く】

 登山道脇の水場(塩ビパイプからちょろちょろ出ている)を通過し、標高1000mの大神岩に至る。この岩の上に立つと眺めが良いらしいが、この日は真っ白で何も見えない。真っ白な世界を黙々と登り、八合目の道標を通過する。
 那岐山には名物登山者も多いらしく、鉄人と呼ばれるいる人がいるそうだ。その人は上半身裸の短パンで毎日登っているらしい。しばらくすると、その鉄人が下って来た。さすがにこの日は上半身裸というわけにはいかず、ウールのシャツをボタンを付けずに着ていた。
 尾根の登りはしばらく続き、周囲の樹林も背が低くなり、足もとには笹が茂っている。やがて三角点峰(1240.3m)に到着し、左奥にトイレ付きあずまやが見える。那岐山の頂上は右手に0.4kmとなっている。あずまやで休憩しようと思ったら、mattoldさんがこの先の避難小屋で休んだほうがいいという。その言に従い、縦走路を右に進んだ。


トイレ付きのあずま屋
【トイレ付きのあずま屋】
   稜線避難小屋
【稜線避難小屋】

 視界は悪いが綺麗な樹氷に囲まれながら稜線を進むと、コンクリートでできた立派な避難小屋が見えてくる。小屋の中に入ると4人ほどの先客がいた。板張りに腰掛け休憩し、コンビニで買った弁当を食べた。体からは湯気がもうもうと上がっている。汗が冷えて歩いているときより寒くなる。凍えているのを見かねてかmattoldさんが自家製の熱いササ茶を分けてくれた。
 15分あまりの休憩で避難小屋を出発した。少し歩くと那岐山頂上(1255m)に到着する。山頂では常連の年配の男女と遭遇したが、男性のほうはTシャツ1枚だけで登ってきていた。この日の気温はマイナス6度で普通なら厳冬期のウエアーに身を包んで来るところだが信じられない光景である。彼もまた名物爺さんであるらしい。山頂で記念写真を撮り、稜線をさらに奥へと進んだ。

那岐山頂上
【那岐山頂上】
   樹氷の中を通り抜ける
【樹氷の中を通り抜ける】

 《下山》
 稜線の低木はサラサドウダンやミズナラ、ノリウツギ等で登山道の両脇を樹氷で飾っている。Bコースの分岐をやり過ごし、その先のAコースの尾根を下った。Aコースは尾根を下ったあと正面の山を登り返し、反対側の菩提寺へ抜けるコースだ。しかし、今回は目の前の急坂を登り返さずに、右手に進みBコースと合流する。沢に沿ってしばらく進むと細い橋があり、そこを渡るとまもなく先ほど通ったCコース分岐にたどり着く。今朝と比べて地面の雪はすっかり解けていた。
 行きがけに気になった蛇淵ノ滝を見学することにした。鳥居をくぐり、沢の方へ降りていくとあずま屋がある。そこが滝の展望所となっているようだが木が影になってよく見えなかった。

尾根を下ると晴れ間が見えてくる
【尾根を下ると晴れ間が見えてくる】
   駐車場に戻ると稜線が見えていた
【駐車場に戻ると稜線が見えていた】

 下山後の温泉は、湯郷温泉へ。途中、那岐山が一望できるところに車を止め、写真を撮った。天気は回復して山頂付近の雲は晴れていたので山並みをはっきりと見渡すことができた。
 向かった温泉は、中国自動車道を越えたところの湯郷温泉の湯郷鷺温泉館で、本格的な温泉街の温泉だった。登山口から車を飛ばして20分ほどで到着した。広い露天風呂つきの温泉で冷え切った体を温めくつろいだ。
 北房から先の中国自動車道はチェーン規制となっているため、岡山自動車道(この区間は無料)に入り、山陽自動車道で福岡の実家へ向かった。


【那岐山連峰を一望】
 右端が那岐山。滝山や山形仙が見える。山の斜面は多くが陸上自衛隊の演習場となっている。台風の季節にこの山から吹き下ろす強い風を広戸風と言う。それを防ぐため家の周囲に桧や赤松を植え、屋敷林を形成しているのは有名である。

付近の山 氷ノ山(1999.04.30)、蒜山(1997.04.28)、大山(1994.05.01)

立ち寄り湯情報
 
湯郷温泉 湯郷鷺温泉館★★★★
場所:岡山県美作市湯郷595-1(TEL:0868-72-0279)
定休日:第二水曜日(祭日は翌日)8月のみ第一水曜日
料金:600円・時間:8:00~23:00・その他:食堂無し
http://yunogosagionsen.net/
Camera:SONY DSC-WX1

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