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日本百名山

焼岳


思いの外難儀した残雪山行
日程 2001年05月19日
山名 焼岳
山域 北アルプス
入/下山地 中ノ湯/帝国ホテル
メンバー 単独行


中ノ湯(5:45)−(8:50)南峰−(9:12)北峰−(10:15)焼岳小屋−(12:00)上高地−徳沢

 金曜夜22時半頃横浜の自宅を出発。八王子駅前でメンバーの一人をピックアップ。中央線のダイヤが乱れており、八王子出発は0時過ぎ。そして中央自動車道をひた走るものの、なぜか小淵沢から通行止めで一区間一般道を走る。沢渡の駐車場には3時過ぎに到着。以前GW中に来たときはほぼ満車であったが、この時期は数台しか停まっていない。トイレに近い場所に停めて、そのまま仮眠。
 翌朝5時にI氏と合流。昨夜コンビニで買っておいた朝食をとり、パッキングして5時半発の上高地行きのバスに乗る。
 中ノ湯でバスを降り、いったん二人と別れる。僕だけ焼岳を登って上高地へ下り、皆と合流する予定である。


【登山口】

 車道を少し登っていくと右手に焼岳の登山口がある(5:45)。あまり人も来ないのか、小さな板に焼岳登山口と書いているのみである。さっそく登山道に入り、坂を上っていく。やがてレールの軌道と平行して歩くことになるが、これをあてにしていると登山道から離れてしまうようだ。さっそく道を見失った。軌道に沿って来た道を戻ると登山道との分岐を発見し、また登り始める。


 標高を稼ぐにつれ、雪が多くなってくる。実はアイゼンとピッケルは必要ないだろうとの楽観的な見通しから、駐車場の車に置いてきていた。これは明らかに誤算で、後々これらがないために苦労することになる。

【目指す焼岳】

7:12

 登山口から1時間半ほど歩くと焼き岳の全容が見えてくる。山頂まではまだまだ遠い。このあたりから踏み跡をたどるのが困難になり、目の前の焼き岳に向かって道なき道を進む。ここでガスったら行くことも帰ることもできなくなりそうな雰囲気であるが、天気の心配は無さそうだ。
 焼岳の基部にようやく到達し、北峰と南峰の間の雪渓がここまで続いており、この雪渓を登っていくことになる。マップには南峰には登頂不可と書いてあるため、右手の北峰目指して登ればいいことになる。雪渓は当然の事ながら、登るに連れて勾配が急になってくる。アイゼン、ピッケル無しでは徐々につらい。ここで足を踏み外せば何百メートルも落ちてしまう。普段より慎重にかつ蹴り込みも十分に入れる。雪渓のなかでも比較的登りやすい方を登っていくうちに、入っては行けない南峰の方へ向かっていた。
【雪渓を見下ろす】

どうにか雪の付いていない所までトラバースして(8:15)一安心。しかしながらこの先山頂まで行けるのか不安であった。引き返すことも考えなければならないが、ザックの中には共同装備のテントのポールが入っているため、何とか時間通りに徳沢園までは行かなければならない。そう言う意味でもここで遭難する事はできない。


【火口湖】

8:54  雪のない尾根をほとんど四つん這いで登っていくと岩場にでて、どうやら南峰のピークあたりに来たようだ。奥の火口は湖になっており、それが凍り付いて綺麗な緑色で反射していた。火口のヘリを反時計回りに歩き、北峰を目指す。これも北峰まで本当に行けるのか不安であった。進路を絶たれれば引き返しである。


 他に全く人が登っていない山というものも不安であるが、踏み跡もなく、足場も心許ない状況となると生きて帰れるかどうかを意識せざるを得ない。決して人を連れては来られないような危険地帯をいくつか越えてようやく登山道らしき踏み跡までたどり着くことができた。立入禁止のロープを越えることで、これまでの危険地帯から安全な一般ルートに復帰できたことを実感する。

【焼岳山頂】

9:12  北峰までは道標に従い難なく山頂に立つことができた。雲が多くあまり眺望はよろしくないが、安堵の中で眺望を楽しむ。J-PHONの電波状態も良く、後続の上高地行きメンバーからちょうど電話が入った。


【焼岳小屋方面を望む】

9:34  焼岳小屋への下り道は数ヶ所若干の雪渓は残っているものの、アイゼンはなくても問題はない。こちらの道は登山者も多く、十数人とすれ違った。中には中ノ湯まで行きたいというパーティーもあったが、装備も不十分であったため、やめた方がいいと言っておいた。

【焼岳展望台】

10:09  ガレ場を下り、焼岳展望台で焼岳を振り返る。岩壁に向かい合うように建っている焼岳小屋の周りはまだ雪が多い。

【焼岳小屋】

 小屋前のぬかるみにビールのケースを渡している(10:17)。

【帝国ホテルと霞沢岳】

上高地へ向かう樹林帯の下り道からは大正池の畔に建つ大正池ホテルが目の前に見え、いい景観を成している。(10:33)


 梓川沿いの林道にでて、河童橋に近づくにつれ観光客が増えてくる。この時期は登山客も少なく山の格好をしているのは自分だけであるが、人混みを縫うように河童橋を渡り、小休止。橋の上からは今登ったばかりの焼岳がよく見える。やはり雪は多い。明神館まで移動し、ここで待望の生ビールを飲むことにする。すると、先ほどバスで分かれたI氏がすでにやっていた。明神の東陵方面へ行っていたようだ。ビールはかなり進んでいたようで、徳沢園に向かう頃には若干千鳥足となっていた。
 徳沢園のテン場では、スコールに遭いながらも共同テントを設営し、順次仲間が集まり、総勢9名で宴会が始まる。

【明神岳をバックに】

 翌朝は快晴(7:28)で、2人が蝶ヶ岳を目指し、僕を含む残りの7人は撤退する。最後に目指す温泉は三郷村のファインビュー室山。茨城からの仲間がなぜか穂高周辺の温泉に詳しく、お勧めとのことで向かった。


【明神岳】

7:44

【上高地へ】

8:18

【焼岳】

 河童橋から(9:37)

【大正池】

 沢渡行きのバスから撮影バスのすれ違いで停まったときに撮影(10:27)

温泉情報
ファインビュー室山 ★★★
長野県南安曇郡三郷村小倉6524-1
TEL:0263-77-7711
500円、休憩室・自販機・レストランあり
10:00〜22:00(受付21:00まで、第三木曜日休館(8月12月を除く))
●含鉄・ナトリウム・塩化物強塩温泉


Camera:CANON Power Shot S10

NOYAMA
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