上海放浪記(コラム編)

上海四方山話その1

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■ バス

 上海の主要な交通手段はバスである。いたるところでその姿を見かけます。このバスは旅行者にとってはちょっと使いづらいです。どこに連れて行かれるか分からないし、かなり混んでいる。乗り方も良く分からないし、冷房率も100%ではないのでこの暑い時期に冷房なしだと倒れてしまいます。冷房のついた車両には「空調」という文字が表示されています。空調バスの料金は倍になり2元となるようです(それでも30円)。それから市内の渋滞は激しいので遠くへ移動するにはバスよりも地下鉄が便利ということになります。


■ 中国語

 中国の公用語は、プートンファーと言われる普通語(北京語ともいうが北京語自体も若干方言があるみたい)です。しかしながら上海では上海語が日常使われており、日本でいくら中国語を極めても彼らの話す言葉はまったく理解できせん。しかしこちらが、普通語で話しかけると、流暢かつマシンガンのような早口な普通語が返ってきます。
 一般的な上海人は学校以外で普通語を喋ることはないそうで、その普通語自体も学校で教わります。学校では普通語での会話が義務づけられ、学校から一歩外に出ると友達同士の会話は上海語となるのです。しかしながら上海の町を歩いていて上海語を発しているのは生の人間だけで、テレビやラジオ、地下鉄の放送等公共の言葉はすべて普通語です。不思議なものです。


■ 携帯電話

 上海での携帯電話事情は日本とほとんど変わらない。若者はたいてい持ち歩いていて、地下鉄の中でもピーピー鳴らしている。車内放送で携帯を使うなとのアナウンスが無いのが唯一の違いだろう。不思議なことに日本のメーカーの電話機を見かけることはない。モトローラ(米国)かサムソン(韓国)が多いようだ。これは多分、ネギを輸入しない不公正な貿易を続けている日本(外国から日本を見ると未だに鎖国をしているように思える)に対する牽制であるのかもしれない。携帯電話にはゲーム機能がついているものが多く、電車の中で暇な人はそれで遊んでいる。メール機能は無く、文字はすべて漢字で表示していた。ホテルから市内の携帯電話に発信したら、30秒ほどで0.5元であった。1分14円ほどで、それなりの料金はかかるようだ。


■ スイカ

 上海でこの時期最もポピュラーな果物はスイカです。中華料理のお店(ここに来るのはもちろん中流階級以上の人たち。ちなみに今回訪れた中華料理の店はほとんど日本人が来ない、地元の人が良く利用するところにいきました)で最初に頼む飲み物は、決まってスイカジュースです。僕ははじめ青島ビールばかり飲んでいましたが、あとからこのピッチャーに入ったスイカジュースなるものを飲んでみました。味付けはほとんどしていない、生のスイカでしたが、程よい甘みで美味しかったです。
 このスイカは道端でも売られていて、1個0.58元から1.5元くらいです。ちょっと下町に行くと大きなスイカが1元しないのですから、日本円で10円くらいということになります。スイカだけに限っていえば、日本との物価の差は100倍近くあることになります。スイカと一緒に良く売られているのはモモでしたが、こちらは今回食する機会がありませんでした。


■ 地下鉄

 上海の地下鉄は1号線と2号線があります。今回はホテルの近くに1号線の駅があったので、こちらのほうを良く使いました。地下鉄の乗り方については事前にガイドブックで調査していたので、ある程度は安心していました。地下鉄に乗るためには券売機で乗車券(磁気カード)を買うことから始まります。券売機は1元硬貨しか使えないので、あらかじめ用意しておかなければなりません。しかしながら、硬貨の持ち合わせが無い人のために窓口がひとつだけあっておばちゃんが乗車券を売ってくれます。この窓口はいつも客ともめているので、スムーズに乗車券を手に入れるには、自販機を利用するのがベターでしょう。いちど硬貨の持ち合わせが無かったので、この窓口を利用したのですが、紙幣を渡していくらの乗車券を買うのか伝達するときに、「アールカァイ(2元)」といったら通じました。おつりはあいかわらずぼろぼろの紙幣でした。中国人は財布を持たないので、たいていのお札はくしゃくしゃなのです。
 さて、券売機ですが、券売機の横には路線図と料金が書いているので、とても分かりやすいです。4区間程度は2元で、3元では結構遠くまで行くことができます。いずれにしても信じられないくらい安いです。券売機は硬貨を入れる前にいくらの券を買うか決めて、そのボタンを押す必要があります。それから硬貨を入れると乗車券である磁気カードが出てきます。これは日本のプリペイドカードのようなもので、片面が広告になっていて、もう片面に改札での挿入方向を示す矢印が印刷しています。さて、改札は無人で、券売機を挿入口に入れて、別の口から出てきた券を取り戻してから、回転バーを通過します。最初は券を取らずに通過しようとしてバーが動かずに往生しましたが、となりの人の動作をみて学習しました。改札を出るのは簡単です。同じように乗車券を差し込むだけでバーを通過できます。上海の地下鉄には時刻表というものがありません(気づかなかっただけ?)。ほぼ10分間隔で走っているので、細かい時間を気にしてもしょうがないのかもしれません。