唐松岳-日本三百名山
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唐松岳-日本三百名山

唐松岳-日本三百名山

雨の中出発、翌日は絶景

雨の中出発、翌日は絶景

【白馬連峰と八方池】

白馬連峰と八方池

山行情報
日程 2015年8月21日(金)-23日(日)
山名(山域) 唐松岳(後立山
入/下山地 八方池山荘
メンバー 単独行
行動時間 初日:2時間50分(ゴンドラ八方駅から)
二日目:2時間42分(ゴンドラ八方駅まで)
歩行
距離
登り
下り
歩数
6.9km
6.6km
1,113m
255m
312m
1032m
15,200歩
16,200歩
唐松岳マップ

コース(タイム)

八方池山荘(8:01)-(10:32)頂上山荘(13:55)-(14:06)唐松岳-頂上山荘(5:35)-(7:07)八方池-(8:17)八方池山荘

 《山概略》
 唐松岳は長野県と富山県の県境に沿って伸びる後立山連峰のピークのひとつである。唐松岳から東に延びる八方尾根は、オリンピック会場にもなった八方スキー場があり、尾根の半分近くをロープウエイやリフトで登ることができる。比較的楽に北アルプスの稜線に立つことができる位置にある。

 《アプローチ編》
 その昔、週末の深夜の新宿駅は登山者でごった返していたものだ。急行アルプスが夜通し走って山梨や長野方面へ乗客を運んでいたためだ。今やその急行アルプスは全て廃止になっている。唯一残っているのが臨時列車のムーンライト信州である。全席指定のこの列車は、指定席を取るのが難しく、プラチナチケットといえる。しかしながら完売しているこの列車はほとんど乗客を乗せないで走っているため、幽霊列車とも言われている。指定券は520円なので、乗らなくてもそれ程痛手はないのが原因だろう。
 そのムーンライトの予約を何度かチャレンジして、ようやく取れたのが8月21日発の分だった。これが取れたら唐松岳に行こうと思っていた。終着駅が白馬なので、まさに唐松岳登山のためにある列車と言っても過言ではないだろう。もちろん乗車券は「青春18きっぷ」である。横浜から新宿経由で白馬まで実質3610円で行くことができる。


新宿駅のムーンライト信州
【新宿駅のムーンライト信州】
   一晩かけ白馬駅へ
【一晩かけ白馬駅へ】

 そして当日。金曜日の仕事を終え、自宅へ帰ってすぐに新宿へと向かった。ムーンライトのホームに到着すると、列車はすでに入線していた。ホームは登山者の姿はあまりなく、鉄道マニアの姿が目立った。列車の中は冷房が効いていて寒いくらいだ。久しぶりに乗った夜行列車だが、揺れが大きく、車内の照明は一晩中明るく、あまり寝ていられない。5:40に白馬駅に到着したが、外は弱い雨が降っていた。
 白馬駅からはバスで八方まで行く。バスは猿倉まで行くバスで、八方で降りたのは自分だけだった。ほとんどの乗客(乗車率は50%程度)は白馬岳を目指しているのだろう。バスを降りたところは、モンベルの店の前だった。というか、八方バスセンターの中に店がある。ここで、ゴンドラの往復チケット(\2,610)が売っていたので買っておいた。ここで往復チケットを買ったのは、すでに周遊ルートをあきらめ、唐松岳ピストンにするということになる。雨なので仕方が無い。
 八方バスセンターから少し駅寄りに戻ったところにコンビニがあったので、そこで朝食の弁当を買って、バスセンターのベンチで食べた。食べている間にも新宿からのバスが到着する。今や列車よりもバスの方が快適なのだろう。
 モンベルのある八方バスセンターからケーブル乗り場までは、街中をしばらく歩くことになる。道は分岐が多いが、ゴンドラアダムを目指していけば良い。10分あまりで乗り場に到着する。この時期のゴンドラの開始時間は7:30なので、一時間近く待つことになった。

ゴンドラで高度を稼ぐ
【ゴンドラで高度を稼ぐ】
   木道の遊歩道
【木道の遊歩道】


 《唐松頂上小屋へ》
 時間通りにゴンドラへの乗車が始まり、四人乗りのゴンドラに一人で乗り込む。ゴンドラは急斜面を登っていくが、登るにつれガスが深くなり、雨も降っているようだ。けっこう長い時間かけて兎平に到着する。次のリフトに移動する前に雨具に着替えて、アルペンクワッドリフトの乗り場まで歩く。雨ざらしのリフトで黒菱平まで行き、その次のリフトで八方池山荘に到着。標高はすでに1800mを越えている。ここからようやく登山が始まる。
 ガスが濃くて道がよく分からないが、遊歩道に沿って坂を登っていく。観光客も来るところなので、石畳で良く整備された道である。周りの眺望は真っ白で何も見えないが、道脇には多くの花が咲いていて、それだけを楽しみながら歩いて行く。
 道は木道に変わり、降りてくる人とすれ違いながら進んでいくと、右手にトイレの小屋が見えてくる。木道はここで終わる。広場のようなところで、白馬連峰展望図のプレートがあるので、眺めが良いのだろうが何も見えない。
 砂礫地の尾根を歩き、大きなケルンをいくつか通過する。道はダケカンバの林の中に突入するが、高所の尾根でそこだけ林になっているのは不思議な感じがする。真夏の太陽が照りつける中ではオアシスになりそうだ。

大きなケルンを通過
【大きなケルンを通過】
   ダケカンバの林へ
【ダケカンバの林へ】

 山の花は絶えることなく、あちこちで咲いている。雨の中写真を撮り続けているが、防水でないコンデジのため壊れないか不安である。突然目の前に真っ白なものが現れたと思ったら、大きな扇雪渓だった。この時期でまだ残っていることは万年雪だろうか。真夏でも水には不自由しないだろう。
 林から抜けて、尾根道がトラバースになると崖っぷちの狭い道がある。今回の唯一の難所であるが、落石と滑らないように慎重に進む。その難所を越えると赤い小屋が見えてくる。案外あっけなく唐松頂上小屋に到着である。

尾根の先にピークが見える
【尾根の先にピークが見える】
   小屋が見えてくる
【小屋が見えてくる】

 とりあえず小屋にチェックインし、雨具を脱いで部屋の中に入りたかったが、時間が早すぎた。受け付け開始の時間まで1時間以上待たなければならなかった。とりあえず食堂には入ることができたので、そこで時間をつぶすことにした。小屋周辺はiPhoneの電波は入らないので、いささか退屈な時を過ごした(docomoは入るらしい)。しかしながら幸いなことに予定時間より早めに受付が始まったため、さっそくチェックイン。宿泊料は二食付きで9,500円。当初はテント泊のつもりだったが、天気が期待できないため山小屋泊まりにしている。滅多にない小屋泊まりで出費が増えるが仕方が無い。本来なら山行自体を中止にするところだが、JRのチケットが無駄になるので、決行せざるを得なかったのである。
 この山小屋には乾燥室があって、濡れた雨具を干しておけばジェットストーブであっという間に乾燥してくれる。これはなかなか良いサービスだ。次に雨具を着るときに気持ちよく着ることができる。

唐松山頂小屋のカイコ部屋
【唐松山頂小屋のカイコ部屋】
   ザレ場の道を進む
【ザレ場の道を進む】

 《唐松岳へ》
 小屋で仮眠から冷めると、外の雨はやんだようだ。急いで支度をして唐松岳山頂ピストンへ出かけることにした。明日の天気が分からないので、少しでも条件の良いときに山頂へ行っておきたかった。
 雨がやんだと言っても、ガスが出ているため視界が悪いのは変わらない。小屋の前のザレ道を進んだ。尾根道と言うことは分かるが、山頂も見えず道なりに登っていくと10分ほどで山頂に到着した。割とあっけない。砂と岩の唐松岳山頂(2696.4m)である。周囲は真っ白で何も見えない。山頂に着いたとたん、パラパラとまた雨が降り始めた。風も強いため、滞在時間1分ほどで小屋へ降りた。
 この日の山小屋は雨にもかかわらず多くの宿泊客が次々とやって来た。離れのカイコ部屋もかなり埋まっていた。夕食まで時間があるので再び昼寝し、時間を過ごす。夕食は母屋の小屋へ移動し、決められた時間帯で頂いた。食後は寝るだけ。夜はけっこう冷え込んだ。テントだともっと寒いだろう。
唐松岳山頂
【唐松岳山頂】
   翌朝ご来光を待つ人々
【翌朝ご来光を待つ人々】


 《御来光・下山へ》
 翌朝、雨はあがっていた。薄暗いうちに小屋の外に出ると、御来光を見るために多くの人が山頂へ向かったり、小屋の周りの眺めの良いところで立ち尽くしていたりした。GPSで日の出の時間を確認すると、まだ30分以上あり、朝食を食べても間に合うような時間だった。小屋のまわりは一面雲海で、西の方には劔岳が雲海の上に浮かんでいる。そして昨日は全く見えなかった唐松岳山頂がすぐ近くに見え、尾根をぞとぞろと登っていく人たちの姿が見える。
 朝食の時間は日の出の15分前だったので、まずは山小屋へ朝食を食べに行った。この時間帯(5:00~)で朝食を食べている人たちは御来光など眼中に無い人のようだが、自分は速攻で食べて外に出た。


朝日を浴びる剱岳
【朝日を浴びる剱岳】
   唐松岳が赤く染まる
【唐松岳が赤く染まる】

 小屋の近くの稜線から御来光を待ち、日の出の時間からしばらくして雲海の彼方から光が放たれてきた、と思いきやあっという間にガスが出てきて出始めた御来光を遮断してしまった。周囲一同唖然としてがっかりする。唐松岳の山頂はガスもなく御来光を拝めているようだ。ちょっとした場所の違いで明暗が分かれた感じだ。しかし、後ろを振り向くと劔岳が朝日を浴びて赤く染まっている。感動的な光景だ。

急にガスが出る
【急にガスが出る】
   ライチョウと遭遇
【ライチョウと遭遇】

 御来光イベントを終え、小屋に戻って帰り支度をする。後は下山するだけである。準備万端で外に出ると、小屋の周りはすっかりガスに覆われていた。先ほどの素晴らしい眺望は全く見えなくなった。この日は雨の心配は無かったので、そのうち晴れるだろうと、昨日来た道を戻った。
 小屋から歩き始めて数分のところで、道の真ん中にライチョウがいるのが見えた。これはラッキーと思いつつ、急いでカメラをズームして写真を撮った。ライチョウはいつものことだが人間が近づいてもあまり意に介さない。よほど近づくと少し離れると言うことを繰り返す。よく見ると周りにはたくさんのライチョウがいた。子だくさんで6羽くらいいただろう。日本に二千羽くらいしかいないと言われているライチョウだが、6羽も見れるとは幸運なことだ。数分の間ライチョウと対峙し、すれ違うことができたので、道を先へと進んだ。

白馬連峰
【白馬連峰】
   唐松岳を振り返る
【唐松岳を振り返る】

 登山道脇の花々の写真を撮りながら歩き進むと、いつの間にかガスがはれ、見通しが良くなってくる。尾根の左手には白馬連峰の峰々が圧倒的な迫力で眺められた。今回持ってきたカメラがコンデジであることが悔やまれる。あり得ないことに2台あるデジイチが2台とも故障でドック入りしていたのである。それでも無いよりはましである。コンデジで写真を撮りまくった。

まだ残る雪渓
【まだ残る雪渓】
   五竜と鹿島槍
【五竜と鹿島槍】

 下山道は振り向いてもまた素晴らしい眺めである。唐松岳山頂は相変わらずガスの中のようだが、それ以外の山にはガスがかかっていない。昔縦走した五竜岳や鹿島槍ヶ岳の姿も見られ、感慨深い。ダケカンバの林の入り口付近にある扇雪渓は、日差しを浴びつつもまだ多くの雪塊を残している。このまま次の雪時まで残っているのでは無いだろうか。

またガスがかかる
【またガスがかかる】
   八方池から白馬
【八方池から白馬】

 実に気持ちよく、今回の山行を満足しながら歩いていたが、八方池が近づくとまたガスがかかってきた。昨日は雨のため素通りした八方池であったが、今回は立ち寄って、できれば湖面に映る白馬を撮っておきたかった。八方池に到着すると完全にガスの中で、白馬は全く見えない。とりあえず池の周りを歩き、眺めの良さそうなところでしばらく待つことにした。すると、数分でガスは引き始めた。白馬岳が見えてくるとまさに感動的だった。ガスは完全には引かなかったが、湖面に写った白馬連峰を撮ることができた。

木道を下る
【木道を下る】
   ゴンドラからの白馬の街並み
【ゴンドラからの白馬の街並み】

 八方池に再びガスがかかり、下山した。リフト乗り場までガスの中は続いたが、木道脇の解説付きの花々を眺めながら歩いた。リフト乗り場の駅からは、これから山に入る人たちが次々と出てくる。リフトを乗り継ぎ、最後のゴンドラからは白馬の街並みを一望することができた。緑に囲まれた環境のよさげな街だ。
 ゴンドラの八方駅からは白馬駅まで歩いた。30分ほどの道のりである。途中、八方バス停の近くに昨年の暮れにオープンした八方の湯(800円)があるが、今回は電車のため荷物が大きいことや早く帰りたかったので、入湯せずに帰ることにした。さらに駅までの途中、みみずくの湯や好日山荘があったりする。
 白馬駅に到着し、時刻表を確認すると次の列車は10:14発の松本行きで、30分ほどの待ちだった。この時間帯は2時間に一本くらいしか無いのでタイミングは良かった方だ。駅の窓口で特急あずさの指定券を早いものに変更し、チョコモナカアイスを食べながら列車を待った。

《唐松岳の花》
キンコウカ ネバリノギラン シモツケソウ
 【1.キンコウカ】
 【2.ネバリノギラン】
 【3.シモツケソウ】
ハクサンシャジン カライトソウ シモツケソウ
 【4.ハクサンシャジン】
 【5.カライトソウ】
 【6.シモツケソウ】
マツムシソウ イワショウブ タテヤマウツボグサ
 【7.マツムシソウ】
 【8.イワショウブ】
 【9.タテヤマウツボグサ】

付近の山 五竜岳・鹿島槍ヶ岳(2008.07.20)、白馬岳(1997.07.19)

立ち寄らず湯情報
 
白馬八方温泉 八方の湯★★★
場所:長野県北安曇郡白馬村北城5701-2(TEL:0261-72-5705)
泉質:強アルカリ性(pH11以上)
料金:800円・時間:9:00~22:00(特定日は23時まで)
休館:水曜午前
食堂:隣接、露天:無
Camera:CANON EOS 6D

NOYAMA
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