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熊伏山-日本三百名山

熊伏山-日本三百名山

かつて栄えた街道も今は秘境

かつて栄えた街道も今は秘境

【熊伏山頂】

熊伏山頂

山行情報
日程 2018年4月28日(土)
山名(山域) 熊伏山(南・中央アルプス
入/下山地 浜松市水窪口
メンバー 単独行
行動時間 3時間30分
歩行
距離
登り
下り
歩数
6.8km 877m 877m ---歩
熊伏山マップ

コース(タイム)

塩の道入口(06:42)-(06:54)青崩峠-(08:02)前熊伏山-(08:19)熊伏山(08:54)-青崩峠-(10:07)塩の道入口

 《山概略》
 熊伏山は長野県飯田市と天龍村の境にある標高1,654mの山。日本三百名山で信州百名山でもある。入山口は南信濃口、天龍口とそれぞれあるが、静岡県浜松市側の水窪口からも入山することができる。遠州と信濃を結ぶ国道152号がアプローチとなるが、古くから塩の道として知られている古道である。熊伏山近くの青崩峠は地盤が緩いため、ここで国道は分断されている。その分断された浜松市側が今回の登山口となる。(古いガイドブックでは長野県側から登るコースを紹介されているが、現在青崩峠方面への国道152号は通行止めである)

 《アプローチ編》
 GWの連休で福岡への帰省の途中に立ち寄ることにした。前夜に出発して新東名のSAで仮眠する。浜松浜北ICから国道152号を北上する。秋葉ダムから国道が通行止めの案内があり、まさかの敗退かと思ったが、迂回路があり何とか進むことができた。国道から青崩峠方面への道に入り、谷間の道を上っていく。右カーブの所で塩の道と書かれた大きな石碑があり、その手前の道が広くなっているので、そこに車を駐める。


広い道に駐車する
【広い道に駐車する】
   塩の道は石畳
【塩の道は石畳】

 《熊伏山へ》
 駐車スペースへは一番乗りだったが、その後一台の車がやってきた。その人は登山者ではなく、青崩峠を見に来ただけだそうだ。自分が準備している間に山の中へ入っていった。その後、自分も出発する。塩の道と書かれた石碑の所まで行くと登山口が見えてくる。水窪町の案内板があるが、2005年に浜松市に編入され、現在は浜松市天竜区である。
 登山口からは石畳の階段が続く。1572年(元亀3年)武田信玄が3万の兵を率いて通ったと言われる古道である。周りは植林帯で日差しが遮られている。少し進むと武田信玄の腰掛け岩がある。石段は続き、建次屋敷跡を通過する。

青崩峠
【青崩峠】
   秘境の山でも整備されている
【秘境の山でも整備されている】

 青崩峠へは10分あまりで到着した。遠州と信州の県境に位置し、秋葉街道最大の難所と言われている場所である。新・浜松の自然100選の標柱など、様々な案内板が立っている。峠から左手にヤセ尾根が延び、擬木の階段が続いている。

北に延びる秋葉街道
【秋葉街道は中央構造線】
   青空に新緑が映える
【青空に新緑が映える】

 尾根の右手は切れ落ちていて、国道152号が途切れる訳が分かる。地盤が緩いためトンネルが掘れないのだ。眺めの良いところでは秋葉が移動に沿った谷間が続いているのが見える。この谷間は中央構造線となっている。奥に見える山並みは南アルプスだろう。
 擬木の階段はしばらく続く。あまり人が訪れそうもない山だが、良く整備されている山だ。樹相がブナ林に代わり、緑と青空で気持ちの良い登りとなる。ミツバツツジがところどころで咲いている。

青崩の頭
【青崩の頭】
   前熊伏
【前熊伏】

 青崩の頭の所まで来ると、謎のコンクリート構造物がある。数メートル四方のコンクリートの土台である。その後、出会った登山者と話しているうちに、鉄塔の土台ではないかと言うことになった。その近くには四等三角点がある。
 急坂の尾根を登りきると巨木の立つ前熊伏である。左から観音山の稜線と合流している。ここから熊伏山の山頂まで標高差は数十メートルで多少のアップダウンはあるが大したことはない。少し休憩してから山頂に向かった。
熊伏山山頂
【熊伏山山頂】
   南アルプスの眺望
【南アルプスの眺望】

 樹林帯から抜けることなく、熊伏山の山頂(1653.7m)に到着する。熊伏山の名前の由来は調べても分からなかったが、熊の名前がある以上、熊がいるかと思い、多少は緊張しての登頂だ。とりあえず日本三百名山の一つをクリア。
 山頂には一等三角点がある。眺望はあまり良くないが、木々の隙間から北東方面の南アルプスの山並みが見える。まだ山頂には雪が残っているのが分かる。山頂で休んでいると、一人の登山者が来たので記念写真を撮ってもらう。松本出身の人で、このあと下山後の温泉まで一緒となる。
登山口下にある足神神社
【登山口下にある足神神社】
   備中岩村城
【備中岩村城】

 下山は来た道を戻る。だいぶ日が昇ってきたので、青崩峠のあたりまで来ると、南アルプスの聖岳もくっきりと見えてきた。この日の熊伏山登山者は二人だけかと思ったが、登山口まで降りると二人組がこれから登ろうとしていた。長野県側から登ろうとして、通行止めだったのでこちら側に回り込んできたようだ。
 下山後は国道152号の迂回路である兵越峠を越えて長野県入りし、かぐらの湯へ入った。海水のように塩味のある温泉だった。塩見岳の後に入った温泉も塩味だったことを思い出した。ここまで同行した松本の登山者は、翌日に黒法師山へ行くらしい。自分は淡路島の諭鶴羽山へ行くことを告げて別れた。
 中央道へ向かう途中、日本三大山城のひとつである岩村城へ立ち寄った。途中の道は国道とは思えないほど狭い道が続き、難儀した。

付近の山 光岳(2001.8.19)、明神山(2010.4.10)、恵那山(1997.5.2)

立ち寄り湯情報
 
遠山温泉郷 かぐらの湯★★★★
場所:長野県飯田市南信濃和田(TEL:0260-34-1085)
泉質:塩化物温泉(源泉42.5度)
料金:620円・時間:10:00~21:00
休館:毎週木曜日(祝日を除く)
食堂:有、露天:有
Camera:CANON EOS 6D

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