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日本百名山

金峰山


MAP192*136
山頂は凍える寒さ、岩屋で昼食
日程 1994年11月13日(日)〜14日(月)
山名 金峰山
山域 奥秩父
入/下山地 瑞牆山荘
メンバー ぎやまん、DAY、福島

コース

瑞牆山荘(7:52)−(11:50)金峰山−(18:10)瑞牆山荘

【11/13(日)アプローチ】
 日曜日の朝、登山の準備を行う。今回のアプローチは車なので、なんでもかんでもザックに詰め込む。しかもそのザックはデイバック、25L、35Lの3つである。今夜のパッキングでどのザックになるかが決まるのである。
 10:30に自宅を出発、大和のぎやまん邸へと向かう。外は快晴で、気温も高い。長袖の裾をまくしあげ、サンルーフを全開にする。小春日和にしてもやけに暑く、汗ばんでくる。山に行けば多少は涼しいだろうなどと思ったが、それがとんでもない寒波の前触れだったのは、その時知る由もなかった。

 11:05、ぎやまん邸に到着。ぎやまんさんは台所で登山靴に紐を通しているところであった。ぎやまんさんの荷物と食料を詰め込みいざ出発。相模湖ICまでの渋滞の中をなんとか抜け、快適な高速道路へ。最初のSAで食事にする。
 韮崎ICから国道141、増冨ラジウムラインを通る。須玉町に入ったあたりから紅葉がやけに綺麗になってくる。このあたりはまさに紅葉の見頃となっている。赤や黄色と色様々で、西日に照らされ紅葉が輝いて見えた。
 日曜の15時くらいであったので、帰りの車と次々とすれ違う。奥に行くほど道が狭くなり帰宅車も多いので離合がめんどくさい。途中で一台側溝にはまっていた。 金山平の有井館に着いたのは、16時くらいであったろうか、DAYさんが既に着いており我々を出迎えてくれた。DAYさんは土曜の昼から出発し、この日は朝から瑞牆山を登っている。有井館には我々より1時間ばかり早く着いたらしく、昼寝をしていたそうである。

 明日の出発まで時間はたっぷりある。明日の食料はぎやまんさんがあらかじめ用意していてくれたが、ぎやまんさんはおもむろにテーブルの上に明日の食料を広げ、説明を始めた。

その明日の食料とは。
 クラッカーとカッテージチーズ
 ハッシュドビーフ(レトルト)
 白ご飯
 ツナ缶
 コーンクリームスープ
 磯部巻
 桃缶
 りんご(北斗)
 みかん(熊本)
 非常食として、
  カロリーメイト(チョコレート)
  まぐろ入り(30%)魚肉ソーセージ

これらは昼食のみである。なかなか豪華である。

カッテージチーズの容器には「要冷蔵」と書かれていたが、ぎやまん氏曰く、「チーズはもともと腐っているものだから腐っても大丈夫!」???私はカッテージチーズなるものを食べたことがなかったので、後に山頂で食べたカッテージチーズがそれ本来の味であったのかは分からない。

 まもなく夕食となる。出てきたメニューは今年の春に私が来たときのものとほとんど同じであった。しかしこれらはこの宿自家製の自然食であり、珍しくうまい。私とぎやまんさんはビールを飲みながら、DAYさんはコーラを飲みながらの食事であった。

 ここでちょっと有井館の説明をしときますと、ここは明治10年から登山客を受け入れ、現在は3代目の有井学志氏が営んでいる。今回は私たちの前には現れなかったが、顔は城南電気の社長そっくりである,と前回訪れたときに記憶している。
 食後はしばし歓談するが、私は非常に眠かったので、何を話していたのか全く覚えていない。いつしか消灯となり眠りにつく.....

【11/14(月)金峰山登山】

 朝、外はどうやら雲行きが怪しい。山頂の360度展望を期待していたぎやまんさんは早くも来年に期待すと言い出す始末。7時の朝食を済ませ、宿を後にする。車に乗り込み、歩いたら30分の道のりを車で5分の瑞牆山荘へ。既に何人かの登山者が仕度をしていた。私も装備を確かめる。ぎやまんさんは二刀流の杖の調子を確かめていた。
 7:52、登山開始。各々マイペースで行くことになり、いつのまにか私は一人で先頭を歩いていた。おばさんカルテット(4人衆)を抜き去り、まもなく富士見平の富士見小屋へ着く(8:23)。今回はトップと殿(しんがり)になるであろう私とぎやまんさんはトランシーバーを持っていた。ぎやまんさんに小屋に到着したことを伝える。
 小屋の前には4人が休憩していたが、まもなく瑞牆山方面へ行ってしまった。既に水場で水筒に水を満たしたDAYさんが追い着いたところで水場の位置を聞き、水筒を持って少し下る。ここの水場は水量が豊富で、4本のエンビパイプから勢いよく流れている。水を汲み終わったら丁度登ってくるぎやまんさんの姿が確認できた。
 ぎやまんさんは水を汲みつつも、もよおしてきたらしく、富士見小屋のトイレへと急ぐ。
 DAYさんと小屋の前でぎやまんさんを待っているがなかなか出てこない。心配になった私はトランシーバーで呼びかけたが、応答がない。穴に落ちたのではと、わずかながら心配したところで、ぎやまんさんは現れた。「何か呼んだ?」と、トランシーバーは落とさぬようウエストポーチごと外に置いていたとのこと。

 DAYさんはいち早く金峰山に向けて出発。その3分後くらいに私が出発。富士見小屋からしばらく皿のような石が敷き詰められた道が続き、足音がなかなか心地よい。やがてDAYさんを追い抜く。
 飯盛山の巻道は平坦で楽である。9:23に大日小屋に到着。といっても小屋はかなり下の方にあり、見下ろす位置で小休止。すぐにDAYさんが追いつき、出発。一分ほど歩くと後方からわらいぶくろの音が聞こえてきた。おばさんカルテットである。どうやらぎやまんさんと一緒に大日小屋に到着したようである。

 大日岩に到着。ここは小川山と金峰山の分岐になっている。なぜか「金峰山」と書かれた大標識が立っている。金峰山まではコースタイムで1時間30分。まだまだである。尾根道を進みしばらくすると森林限界を越え、風が強くなってくる。そして視界が開け、雲海の上に小川山がかすかに見える。Tシャツ一枚ではさすがに寒く、ゴアのレインコートの上を羽織る。
 砂払いの頭付近ではさらに風が強く、枝に生えた氷霧が美しい。いつしか私の髪にも氷霧ができている。金峰山頂に近づくにつれガスが濃くなり、視界が悪くなる。眺望なぞ望むべくもない。

photo 192*120  11:50、五丈岩に到着。このあたり体感温度はマイナス10度である。風を避け、岩屋の中にザックを下ろしDAYさんとともに小休止。カメラだけを持って金峰山山頂へ。山頂の岩の陰では一組の中年夫婦が昼食を取っていた。DAYさんは早くも一番高い岩の上に立っている。眺望は何も見えないはずである。お互いに写真を撮り合い、私も岩の上に立ってみる。風が強く長く立っていると恐ろしい。二人で五丈岩の岩屋に戻り、ぎやまんさんの到着を待つ。
 じっと待っているのも寒いので、先に食事を取ることにする。ハッシュドビーフとご飯のために湯を沸かしつつ、クラッカーにカッテージチーズをのせて食う。私のコンロは寒冷地のガスを使っていなかったため、なかなか湯が沸かず、DAYさんのコンロに換えてもらう。
 岩屋の中は電波が通らないのか、ぎやまんさんとトランシーバーが通じない。しばらくして、おばはんカルテットとともにぎやまんさん到着。おばさんが一人転けたらしく、到着が遅れたようである。
 私とDAYさんが食事をしている間、ぎやまんさんはおばさん達となにやら楽しげに話をしていた。どうやらかなり仲良くなったようである。 食事を終えて、私とDAYさんは一足早く下山。おばさん達は山頂へは行かずに既に下山している。

photo 192*128  15:41、富士見小屋にはあっと言う間に到着。ぎやまんさんにトランシーバーで連絡を入れた。DAYさんとモモ缶を開けて食べる。じっとしていると寒いので、トランシーバーだけもってぎやまんさんを迎えに行く。途中4人のおばさん達と出会ったがぎやまんさんは一度も追いつかなかったそうである。おばさんたちはぎやまんさんを心配しつつもさっさと下山してしまった。私はさらに大日岩方面へ戻ってようやくぎやまんさんと再会。膝を悪くしたらしく、両手のストックはまさに松葉杖と化している。
 空はだんだんと暗くなってくる。明るいうちに富士見小屋まで戻らなければならない。富士見小屋からは林道が瑞牆山荘まで続いているので、最悪闇夜でも道を見誤る事はない。
 富士見小屋に戻ったのは、17:00くらい。3人でのんびり林道を下る。月明かりでなんとか道は見える。もちろんマグライトも使っている。途中、瑞牆山の眺めがいいところへ出るが、山容のシルエットしか見えない。昼間来るとさぞかし迫力のある姿が見られる事であろう。

 18:10、瑞牆山荘に到着。12時間あまりの山行が終わった。月曜夜の横浜方面は渋滞もなくすんなり帰ることができた。

Camera:Panasonic DMC-FX9

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