今回は石川さんと一緒なので、朝五時に花園の道の駅で待ち合わせとなった。この時間に着くためには二時には自宅を出なければならなくなるので、前夜から出発することにした。20時過ぎに横浜の自宅を出発し、嵐山PAで仮眠することにした。花園の道の駅までは10分くらいの場所である。道の駅で仮眠するという手もあったが、仮眠に適する場所かどうか分からなかったので(実際には広くて適した場所だった)、そして何よりもETCの深夜割り引きを有効にするためPAで一夜を明かすことにしたのである。
携帯のアラームで起きるつもりがマナーモードになっており見事に寝坊。石川さんからの電話のバイブの振動で起き出し時間を確認してびっくり。すぐに車を走らせて花園の道の駅に移動。15分の遅刻であった。
花園ICからのETC割引計算は石川さんにお任せで、月夜野ICで降りてすぐ乗る、そして六日町ICで降りた。八海山に向かって走る途中、景色の良いところで朝日を浴びる八海山を撮影した。
【八海山遠望】
南魚沼市泉新田の城巻橋あたりから八海山が見えてきた。写真を撮れそうな所を探して車を駐めた。近くの消防署からちょうど7時のサイレンがけたたましく鳴っていた。
登山口の駐車スペースはそれほど大きくはなかったが、余裕で駐められると思っていた。しかし実際に到着してみるとすでに多くの車が駐まっていた。百名山でもないのに人気のある山だ。何とか一台分の空きスペースに車を駐める。
駐車場では係員が入山届けの用紙を配っており、強制提出。クマが出るから注意するようにとのことだ。屏風口と書かれた指導標の横を通って山の中へ入っていく。沢に降りていくと渡し用のケーブルが対岸に向かって伸びている。増水時はこのケーブルのカゴに乗って対岸に渡るようだが、この日の水量は少なく、靴を濡らすこともなく対岸を渡る。
岸から上がると、石川さんがムカゴを発見。そこいら中にムカゴの小さな実がなっている。しばしそれらの採取作業が行われる。ムカゴ(零余子)はヤマノイモ科ヤマノイモ、別名ジネンジョ、ヤマイモ、炒めて食べると美味しい。採取が終わり歩き始めるやキノコ発見。撮影やら採取で再び時間を浪費する。この日は長丁場の山だというのに先が思いやられる。
【四合目清滝】
目の前に巨大な岩や壁が立ちはだかる。四合目清滝で、休憩場所となっている。
清滝を(見てないが)左に回り込むように道は続いている。尾根に取り付いたようで、急な上り坂が続く、ひとしきり登って振り返ると魚沼平野の田園風景が見えてくる。ここで取れているのが日本の米の最高峰である魚沼コシヒカリなのだろうか。
【七合目】
ノゾキの松という一本松のある同じようなテラスがこの下にもあった。どちらが七合目か不明。山と田んぼの景色が広がる。
正面を見上げると岩峰が横に広がっている。
ナナカマドの実が赤く色づいているが、葉はまだ緑で紅葉まで1〜2週間はかかりそうだ。
クサリ場の連続で、しばしば全体重をかけて登る場面もある。さすがにこのコースは一般ルートではないことを実感する。
「横へつり注意」のトラバース。つかまったクサリがびよーんと伸びて返って危険。
八合目の指導標を通過
【岩場は続く】
クサリ場多数。岩場も手を使うほどの急斜面が続く。
数百メートル先の稜線にタマゴ岩が見える。その近くを高校生だろうか、ジャージを着た集団が連なって歩いている。
八海山避難小屋に到着。その先の稜線に出ると急に多くのハイカーに出くわす。ついにロープウエイ組のハイキング道と合流したのだ。八海山ロープウエイは標高差771mを6分ほどで登ってしまうが、我々は三時間以上かけてここまで来ている。
稜線は老若男女、外人も多国籍で歩いている。中の岳、越後駒ヶ岳とともに越後三山と言われる八海山はけっこうメジャーな山だったようだ。ロープウエイで簡単に稜線に立てるというのも気軽さに拍車をかけているのだろう。190cmはありそうなビックな外人が何の装備も持たずに単独で阿寺山のほうへ縦走していた
千本檜小屋の近くから左手の薬師岳へピストンで行くことにしたが、石川さんは弁当を食べて待ってるとのことで、一人で向かった。
【薬師岳】
お墓のように石碑がたくさん並んでいる。小さな鳥居の奥には日本書紀時代の爺さんの銅像が杖を片手に空を見上げている。
石川さんの所に戻るとまだ弁当を食べ中で、鶏の唐揚げが不味いと文句を言っている。コンビニ弁当なので不味いわけ無いと思いつつ、ひとつ食べさせられると確かに不味かった。冷えていたせいだろうか。
稜線の縦走に出発した。最初の地蔵岳を直接登る道を探したが無く、地蔵岳の下を回り込む八ツ峰迂回道を歩く。すぐに八ツ峰への分岐があるが、前をぞろぞろと歩いている観光客は皆迂回道ではなく八ツ峰の方へ登っていく。
【屏風の稜線】
八海山の屏風岩は下の方にあるが、八海山自体が巨大な屏風のように、幅は広いが厚さが無く稜線はナイフリッジになっている。
八海山は古くは行者の修行や信仰の山として開山されている。その名残か、岩峰の山頂ごとに石碑や神様の銅像などが祀られて、最近でも灯したと思われるろうそくの残骸が残っている。そして途中、ホラ貝を持った白装束の修験者とすれ違うこともあった。しばらくしてそのホラ貝の音が聞こえた。
釈迦岳を下ったコルからは迂回道が見下ろせる。そこには二つの小さな池と言うよりは水たまりがあった。どうやら日の池と月の池のようだ。想像以上に小さいが涸れることはないのだろう。
【大日岳】
大日岳が10合目で八海山の頂上と言うことになる。ここが最後のピークで巻き道に下りる。
ハシゴを下って迂回路に出ると新開道への分岐に出る。ここからは一般道の下りと思いきや、いきなりクサリ場の下りが続く。
新開道ルートの長い下りをひたすら歩く。四合目だろうか、稲荷社と言う場所に出る。小さな鳥居と祠がある。ここから脇道に少し行ったところに稲荷清水という水場があるようなので行ってみると、ホースからちょろちょろと水が出ているのがそれだった。この時期は涸れているようで、飲むのはあきらめた。
林道に出て、しばらく道なりに歩くと、ロープウエイの駐車場が間近に見えてくる。道が違うのかと思ったが、そのまま林道を下っていくと車を駐めている二合目駐車場に出た。
【八海山八ツ峰】
地蔵岳・不動岳・七曜岳・白河岳・釈迦岳・摩利支岳・剣ヶ峰・大日岳の八峰を総称して八海山という。
温泉は「マイカー登山便利マップ」で探して、五十沢(イカザワ)温泉ゆもとかんに決定。車で10分ほどかけて移動する。ゆもとかんは立派な旅館で、中に入るとなんだか見た覚えがあった。ここは以前、巻機山の帰りに訪れた温泉であった。人に連れられてきたので名前は記憶がなかったが、広い露天風呂が混浴だったので、強烈な印象が残っていたのだ。しかしこの日の露天は男ばかりだった(別に期待していたわけではないけど)。
温泉から上がり、一路東京方面を目指す。渋滞は藤岡JCTの所だけで、そこは一般道で回避する。そのまま花園の道の駅まで行き、石川さんと別れる。再び花園ICから高速に乗り、東京経由で横浜まではほぼ順調だった。
|
|
|
【むかご(零余子)】
|
【スギヒラタケ】
|
【イヌダテ】
|
|
|
|
【葉の中心に実】
|
【ドングリ】
|
【おっぱい山?】
|
|
|
|
【−】
|
【−】
|
【薬師岳山頂の神】
|
立ち寄り湯情報
|
五十沢温泉ゆもとかん★★★★
場所:新潟県南魚沼郡六日町大字宮(TEL:025-774-2876)
料金:500円
|