安芸小富士-しま山百選
安芸小富士-しま山百選
広島港から見る小さな富士山
広島港から見る小さな富士山
【安芸小富士と弥山】
○山行情報 | ||||
日程 | 2023年9月18日(月) | |||
山名(山域) | 安芸小富士(西日本) | |||
入/下山地 | 似島港 | |||
メンバー | 単独行 | |||
行動時間 | 1時間38分 | |||
歩行 | 距離 | 登り | 下り | 歩数 |
3.4km | 241m | 241 | ---歩 |
○しま情報 | ||||
所在 | 広島県広島市(似島) | |||
情報 | 面積 | 周囲 | 人口 | 標高 |
3.87K㎡ | 16km | 736人 | 278m |
○コース(タイム)
似島港(08:54)-学園分岐点-(09:35)安芸小富士(09:51)-学園分岐点-(10:31)似島港
《山概略》
安芸小富士(あきのこふじ)は広島市沖にある似島(にのしま)の北部にそびえる富士山に似た山である。似島という名前自体も、富士山に似た山がある島、ということで定着したようだ。
似島は戦争にまつわる遺構が多く残る。日清戦争以降、多くの帰還兵がこの島の検疫所で過ごし、広島市内に原爆が投下された時は多くの被災者が運び込まれている。現在の似島の主な産業は海運業(砂利採取運搬)で、カキ養殖など漁業も盛んである。
《アプローチ編》
秋の連休は、車で福岡の実家へ帰省していた。途中立ち寄ったのは、鳥取砂丘と砂の博物館、そして、広島の安芸小富士である。前日は三原のビジネスホテルに宿泊していて、朝食後に広島港へ向けて出発した。船は8:30の出発でギリギリ間に合うかというところだったが、余裕で間に合った。港の駐車場は1時間以上は有料で、いったん入庫したが、出港直前に車を入れ直して少しでも駐車料金を安くした。(島から戻って駐車料金は700円だった)
広島港は路面電車の終着駅でもあるので、車で来るよりも路面電車で来た方がお手軽だ。駐車料金を気にしないで済む。似島の行政区分は広島市南区なので、政令指定都市の恩恵で移動はスムーズなのだろう。
似島往復の船賃は、往復割り引きでわずか10円安くなり890円である。似島港まで20分かけてゆっくり進む。天気が良いのでデッキで風に当たりながら正面の安芸小富士が近づいてくる様子を見ることができる。右手には宮島も見えている。
《安芸小富士へ》
似島に上陸し、特に立ち寄るようなところもないので、そのままま山を目指す。真っ直ぐ進むと正面に案内板が有り、左手の道が安芸小富士登山口となっている。登山口までの指導標が充実し、集落の中の狭い道をくねくね曲がりながら進むのだが、迷うことはない。
山の擁壁に突き当たり、左手に山に向かって上り道がある。そこが登山口のようだ。コンクリートの道を登り始めると、行く手を阻むように雑草が生えまくって藪のようになっている。まさか人が来ないので登山道は荒れ放題なのかと思ったが、その藪は数メートル続いただけで、その先は歩きやすい山道となる。
シダ類が目立つ樹林帯を登っていくと、少年自然の家方面への分岐があるが、そっちの道は藪で覆われているようだ。道は竹林になり、そこを抜けてひと登りすると、休憩するのにちょうど良い腰掛け岩がある。岩からは多少海が見えている。
腰掛け岩から先は緩やかな道が続く。稜線は砂岩のようで、風化し切れない岩が所々で顔を出し、浸食してえぐれた道もある。やがて二等三角点のある標高278mの山頂に到着する。
山頂には柵に囲まれた中に赤い鉄柱の航空標識灯が立ち、120万都市広島の市街を一望できる。広島市街は山に囲まれているのが分かる。後方には江田島や宮島も見ることができる。他にも無数の島々が見える。この日は少し靄っていたため、晴れればさらに遠くまではっきり見えただろう。眺望の良さは、しま山の醍醐味である。
眺望を目に焼き付け、下山は来た道を降りていく。登っていたときは気づかなかったが、眺めの良い場所が所々にあった。途中、似島学園に降りる分岐が有り、そこにも港があって広島へ戻れるのだが、ちょうど良い時間に船がなかったので似島港までの完全ピストンとなった。
似島港に戻り、船の時間まで一時間ほどあったが、近くに立ち寄れそうなところはなかったので、冷房の効いている港の待合室で時間を潰して船を待った。似島では車で移動できる距離は限られているのだが、フェリー待ちの車は何台かあった。島の車か本土の車かは分からない。
11:30発の広島行きに乗り、広島港に到着するとすぐに車を出した。そのまま九州まで一気に走り、15時過ぎには関門海峡を越えて福岡入りした。