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文珠山-山口県の山
文珠山-山口県の山
幕長戦争激戦地のしま山
幕長戦争激戦地のしま山
【嵩山山頂の展望】
○山行情報 | ||||
日程 | 2022年2月22日(月) | |||
山名(山域) | 文珠山・嘉納山・嵩山(山口) | |||
入/下山地 | 文珠堂駐車場 | |||
メンバー | 単独行 | |||
行動時間 | 2時間20分 | |||
歩行 | 距離 | 登り | 下り | 歩数 |
6.3km | 683m | 683m | ---歩 |
○コース(タイム)
文珠堂駐車場(09:53)-(10:24)文珠山-(11:00)嘉納山-文珠堂駐車場=(12:46)嵩山
《山概略》
文珠山は山口県周防大島にある標高663mの山。7合目にある文珠堂は、丹後の国の「切戸」、大和の国の「阿部」とともに日本の三文殊の一つとされている。普通文殊は文殊と書くと思うが、ここでは文珠の字が使われている。
文珠山から嘉納山、源明山を経て嵩山までの稜線は瀬戸内アルプスと呼ばれている。
《アプローチ編》
しま山百選の山を登ろうと、周防大島の嵩山の計画を立てたところ、山頂まで車で行けてしまうことが分かった。これではつまらないので、分県登山ガイドで紹介されていた、文珠山と嘉納岳を登ることにした。そのガイドブックでは、さらに源明山まで歩いて島の反対側へ降りるコースとなっていたが、時間の関係で嘉納山は省略した。
前夜は東広島のビジネスホテルに宿泊。翌朝、周防大島に向かったが、東広島で大渋滞に遭遇し思いのほかアプローチに時間がかかった。しかも、文珠堂駐車場までの林道は狭く、急登急カーブの連続で、対向車が来れば万事休すであった。幸い対向車は来なかったので、無事駐車場に到着。駐車場は道の狭さと比べて案外広かった。
《文珠山へ》
駐車場の前の道が三本に分かれている。右と左が林道で正面が尾根の山道である。普通に考えると、その尾根道を歩いて行くのだが、道標は右手が文珠堂と示していて、尾根道は何も案内がない。多少悩んだが、右手の林道を歩けば間違いはないだろうから、林道を歩くことにした。(結論から言うと正面の尾根道の方がショートカットで文珠堂まで行くことができ、林道は回り道だった。)
林道を5分ほど歩くと文珠堂の建物が見えてくる。多少の広場も有り、ここまで車で入って来られる。文珠堂は大同元年(806年)に弘法大師によって開山されたと伝えられているようだ。(空海はこの年の10月に唐から太宰府に帰着している)
文珠堂の前に石段が有り、そこが文珠山の登山口となっている。石段を登っていくと、巨岩に突き当たる。今にも落ちてきそうな大きな四角い岩である。道が塞がれているかと思ったが、左の方に道は続いていた。
手すりに沿った石の転がる道を進む。1kmほど進むとコンクリートの展望台が見えてくる。展望台の隣にある丸い広場が文珠山の山頂(663m)だ。展望台の上に立ち回りを見渡すと360度の大展望。先ほど車で渡った大島大橋が眼下に見え、山口県の山並みや岩国の方が見える。航空機がやたらと飛んでいるのは岩国基地の軍用機だろう。南の方角には、これから向かう嘉納山や源明山、嵩山といった大島の主要な山が見えている。
展望を堪能し、嘉納山へと向かう。良く整備された広い道で、快適である。樹林帯の道はうっすらと雪が残っている所もある。林道を横切り、植林の中へ入る。「外敵侵入防止の土塁」と書かれた案内板があるが、敵が誰なのか、どこに土塁があるのか分からない。後で分かるのだが、敵は幕府軍で、土塁は道沿いの少し盛り上がった部分だった。この山で、四境の役、大島口の戦いが行われたようだ。
アップダウンを繰り返し、周りの見晴らしが良くなると、嘉納山の山頂(684.9m)に到着する。山頂には八角形のコンクリートが打たれているが砲台でもあったのだろうか。眺めは文珠山ほどではないが、瀬戸内や港町を見ることができる。
嘉納山から少し奥へ進むと、三角点や電波塔がある。ガイドブックの地図では岩屋観音石窟というものがあるらしいが、それらしきものは見つけられなかった。
来た道を引き返し、文珠山に向かって坂を登っていると、行きは気づかなかった土塁がはっきりと分かるようになる。今から150年前に作られたものなので、当時はもっと土盛りは高かったのだろう。わざわざ島の山中で戦いが行われるのも不思議な感じだ。
文珠山を経て文珠堂まで戻り、林道脇の階段を降りていく。登山口の三叉路の所の尾根を降りて駐車場に戻る。山中では誰とも会わなかったので、駐車場も自分の車だけだった。車に乗り、不安な林道を下り、嵩山へ向かった。
島の外周を回り込んで、嵩山に山頂に続く林道を車で上る。文珠山ほど厳しい林道ではない。山頂の618m地点まで登ると、ここにも展望台が建っている。先ほどと違い、風が強く冷たい。展望台の上に登るも、寒くて長居はできない。島の回りをぐるりと見回し、早々に車に戻った。
この日は福岡まで移動し、実家に落ち着いた。
Camera:CANON EOS 90D