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中華圏放浪シリーズ

台湾2007

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 タクシーは車呈駅から日月潭に移動する。車窓からは大きな湖が見えてくる。日本の芦ノ湖のような感じだ。湖の中央には島がある。拉魯島で邵(ツオウ)族の最高の祖霊地だそうだ。日月潭がダムに利用される前は今よりも水位が低くもっと大きな島だったようだ。
 日月潭では遊覧船に乗るのが標準的な観光コースだが、靄っていてあまり景色が良くないので遊覧船は省略することにした。

photo 192*128 【文武廟】

 日月潭ダムの完成に伴い水没する龍鳳廟と益化堂が文武廟として移設されたもの。1938年に完成。1969年から行われた全面改修では中華民国の建国60周年に間に合うよう完成に気をもんだ蒋介石が計7回も視察に訪れたという。

photo 192*128 【湧出口】

 湖の水源。地下からわき出した水が吹き出している。この辺りは木道の遊歩道があり、水生植物などを見ながら散策することができる。

photo 192*128 【仏舎利】

玄奘寺−1965年に建立された寺
寺の中には、米粒のようなものが厳かに置かれていた。説明では、「釈迦牟尼佛の舎利」とあるので 仏舎利なのだろう。本当か、と思ったが現在アジア全土に「自称」仏舎利の合計は2トンにも達するというので、本当なのだろう。仏舎利は突如増えたり消えたりすると言う。「世の中に存在するものに常住するものは無く、生じたものは必ず滅する。事物に実体は無く、全ては縁より起こっている」お釈迦様の悟りである。


photo 192*128 【慈恩塔】

 1971年、蒋介石が母に対する感謝の気持ちを表して建てたもので、国民にも孝行の大切さを示したもの。海抜954メートルの沙巴蘭山の上に立つ高さ46メートルの塔で、最上部がちょうど海抜1,000メートルにあたる。駐車場から遊歩道を500メートル登ってようやく塔の麓に到着する。


 日月潭で最後に立ち寄ったのが玄光寺。また寺か、という感じである。玄光寺は玄奘大師の遺骨が祀られている。中国の玄奘大師がなぜに台湾かと思いきや、日中戦争当時、南京にある玄奘大師の遺骨を日本人が奪い、埼玉県慈恩寺に置かれていたが、中華民国41年(1952年)に台湾に返還されたということだ。当時は台湾が中国だったのだ。玄光寺は眺めが良く、日月潭の埠頭や拉魯島が一望できる。
 日月潭を後にして、埔里へと向かう。途中、なぜか烏龍茶の工場に立ち寄る。工場と言っても家族で民宿をやりながら茶を作っているようで、小規模なものである。二種類の茶を試飲させてもらった。

 埔里酒廠は田舎にある酒造工場と思いきや、埔里自体が町であり、その都会のど真ん中に酒廠はあった。敷地内には広い駐車場があり観光客であふれかえっていた。しかもすでに酒は造られておらず、完全に観光客向けの施設と化していた。建物の一階は商店が並び、紹興酒にちなむ商品が売られていて、二階が形式的な見学施設となっている。いわゆるドライブインといった感じだ。二階の見学施設は無料で順路に従ってみて回ると、この酒廠も地震で被害を受け酒蔵が倒壊し、多数の甕が被害に遭っている。また地震とは関係なしに大規模な火災でさんざんな被害にあったことが分かる。展示物の中には日本語の説明もあり、「酒の役割」や「酒を味わうプロセス」「乾杯!は決闘の礼儀に由来する」などと酒にまつわる話も面白い。

photo 192*128 【酒蔵】

 埔里紹興酒は、愛蘭甘泉水から醸造されている。1917年に創業した埔里酒造工場からは、日本時代は皇室御用達として「萬寿酒」を献上していたそうだ。

photo 192*128 【埔里酒廠】

 埔里酒廠でじゃ紹興酒にちなんだ製品がいろいろと売られている。紹興酒はもちろん、紹興酒アイス、紹興酒モチなどの甘味もある。紹興酒漬けというソーセージを食べた。

 充実した台中観光もこれで終了で、タクシーは最後の目的地である埔里のバスセンターへ向かった。日はすっかり落ちて暗くなっている。埔里からはバスで台北に戻ることになる。料金は400元。
 バスには意外なことに各座席にテレビが付いていた。これは日本の高速バスのサービスを越えているではないか。VCDで多数のチャンネルを放送しているようで、「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」を見ながら台北に到着するまでの時間をつぶした。
 台北のバスターミナルから西門までは近いので歩いてホテルまで戻ることにした。途中、交差点に思いがけず胡椒餅の店があったので、行列に並んで買うことにした。ひとつの窯で焼き上がるごとに行列は進んでいくのだが、ちょうど一人手前でその窯が品切れとなり、隣の窯が焼き上がるまで待つことになった。その間、次の窯を準備すべく店員が胡椒餅を仕込んでいるのだが、実に手際よく生地をちぎって、肉を詰め、並べて油を塗り、ごまを付けていく様子が見られた。
 胡椒餅は二個買ってホテルでビールを飲みながら食べた。肉厚の生地に肉がたっぷりと入っており、かじると肉汁がしみ出し美味しい。一個でもボリュームがあるので二個食べるとかなり腹がふくれる。 また食べたい逸品である。

【慈恩塔からの日月潭】


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Camera:Panasonic DMC-FX9,Canon EOS 10D

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