ぐんま百名山角落山 |
毎年恒例の12月上旬の忘年会山行。今回は、ぐんま百名山のひとつ角落山へ行くことになった。源頼光の四天王の
一人である碓氷貞光に角を切り落とされた鬼が逃げ込んだという伝説がある山である。鬼が逃げたにふさわしい、急峻
な岩登りで山頂に立つことになる。
朝4時に起きて、4時半には家を出たものの、仲間を拾ったり途中で集合したりしているうちに男坂の登山口には10時 過ぎに到着。あまり著名な山でもないので、遅く到着しても駐車スペース確保を気にすることはない。 男坂登山口には車を数台止めるスペースがあるが、女坂登山口に向かって林道はまだ上の方へ続いている。1台 の車を女坂の上の方へ置いて、男坂から登るのが効率がよいと考えたが、今年の崖崩れで林道は通行止めになってい るらしいという情報もあり、男坂登山口に3台の車を止めて男坂を登り始めた。 【渡渉】 男坂は白沢に沿って登っていく。数回の渡渉がある。 登山口は駐車スペースの奥にあり、歩き始めるとすぐに白沢を渡渉する。幅は2メートルほどで、石の上を歩くので濡れ ることはない。少し歩いて再び渡渉すると、目の前を砂防ダムのコンクリート壁が立ちはだかる。左の方に壁がハシゴ状 になっているところがあり、そこをよじ登る。沢に沿って歩き続ける。道にはビニールテープやペンキマークがあり分かり やすい。足場は落ち葉の多いガレ場となっている。 【砂防ダムのハシゴ登り】 10mほど垂直に登る。 左手の沢には落差5mほどの滝が見えてくる。さらにケルンの点在する場所を通過すると、道はV字型の底のようなとこ ろに続き、その急坂を登る。足元にはわずかながら水が流れている。 尾根に出て小休止をする。来た方向に向かって「川浦白澤登山口」と書かれた古い道標が立っている。 5分ほど休んで、目の前に見える角落山の岩峰に向かっていく。 【V字型の谷を登る】 この谷底の登りはまだ序の口で、このあと尾根に出ると、さらに急峻な岩塊が待っている。 角落山の山頂は目の前だが、その標高差は100数十bある。巻くように登るのではなく、ほとんど垂直に登っていく感じ になる。最初の難関は、足場の悪いトラバース。鎖はあるが、足元は凍りついており、滑り落ちたらケガでは済みそうに ない。ここでロープを出し、慎重に進む。見上げると岩の上からは氷柱が何本も垂れ下がっている。 第2のクサリ場は、岩が積み上がったような10mほどの垂直の登り。そこを越えても登攀状態は続く。すでに眺望が良 く、浅間隠山が綺麗な三角錐の形をしており、まわりにたくさんの小さな山を従えた立派な姿だ。 【角落山の岩峰がそびえる】 ここまでは難なく登ってきたが、ここから本格登攀が始まる。当初は女坂から登るつもりであったので、登攀具の用意 はなく、仲間の装備に頼った。常にカラビナの数個とシュリンゲくらいは常備しておくべきだと痛感した。 最後のクサリ場を登ると、鳥居が出迎え、その先にはほこらがある。ほこらと言っては失礼だが、立派な角落神社であ るらしい。毎年5月5日には大祭(山開き)が行われ、この日ばかりは大勢の登山客で賑わうようだ。 神社のある山頂は決して広くはないが、展望は良く、浅間山や浅間隠山、妙義山などを見渡すことができる。ちょうど女 坂から登ってきた人に写真を撮ってもらう。その後も2人組が上ってきた。山頂で昼食(コンビニ弁当)を食べ、女坂を下る。 【山頂の鳥居が出迎え】 女坂から登ってきた者は、この鳥居をくぐることはない。となると、この難易度の高い男坂が角落山の表玄関なのだろうか。 【浅間隠山】 角落山より360mほど高い浅間隠山。左の方には浅間山の姿も見られたが、雲が多く見えにくかった。 浅間隠山はこの年の4月に登っている。 山頂から20分ほど急な下りが続き、剣の峰と女坂の分岐に出る。剣の峰も角落山と同じように岩峰がそそり立ってい る。こちらもルートは点線となっている。分岐では迷わず女坂へ下る。 女坂は男坂と比べたら、天と地ほどの差がある楽な道で、木立の中をのんびり歩く感じとなる。分岐から25分で水 場があり、そのすぐ先に林道がある。林道終点には駐車スペースがあり、車が一台停まっていた。どうやら通行止めは なかったようだ。 【赤沢林道終点の駐車スペース】 男坂入口の駐車スペースよりも広い。ここから登れば1時間あまりで角落山の山頂に立てる。 単調な林道を50分ほど歩いて、男坂の駐車スペースに戻った。途中右手に赤沢が見えたが、鉄分を含んでいるのか、 その名の通り沢が赤かった。また、林道は途中いくつもの土砂崩れの跡があったが、いずれも綺麗に復旧されていた。 【赤沢林道を下る】 男坂の駐車スペースまで50分間林道を歩くことになる。 男坂から女坂への周回コースでちょうど5時間であった。それほど歩いてはいないが、男坂のスリルを味わうには十分 満足できる山行であった。ひとりで歩くことは出来ないコースである。 Camera:Panasonic DMC-FX9
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