コース(タイム)
小田原駅=入生田駅(9:05)−(9:10)地球博物館(10:20)−石垣山(11:30)−(12:15)早川駅=小田原駅
分県登山ガイドの『神奈川県の山』が、新・分県登山ガイドとなって新たに発行されている。紹介されている山は減ったものの、新たに加わった山に、石垣山がある。石垣山とは聞き慣れないが、豊臣秀吉が小田原攻めの際に建てた一夜城と言えば有名である。石垣山とは、かつてその城があった山である。
スタートとなる入生田駅(いりうだ)は、箱根登山鉄道の駅である。小田急線の箱根湯本行きに行けば、乗り換え無しで行かれるはずだった。しかし車内のアナウンスをろくに聞いていなかったため、小田原の手前の駅で乗っていた前方の車両が切り離され、先に箱根方面へ言ってしまった。自分の乗っている車両は小田原止まりで、登山鉄道への乗り換えで15分ほどロスしてしまった。
入生田駅で下車して、踏切を渡って改札へ行く。駅を出てから、線路沿いに少し歩き、右手のガードをくぐる。目の前を国道1号線が横切っているが、右手に階段があるのでそれを登ると遊歩道の上に出る。右手前方に真新しい立派な建物が見えてるが、それが県立生命の星・地球博物館。
【地球博物館】
県立生命の星・地球博物館。地球の誕生から現在までの46億年を時間を追って説明・展示している。
開館時間:9:00〜16:30,観覧料:\510
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/museum/g.html
地球博物館は、横浜市にある県立博物館の自然部門が独立して建てられたもので、なぜか小田原市のへんぴなところに位置している。開館時間から10分ほど経っていたが、自分以外に入場客の気配はない。展示室にはいると、最初に巨大な隕石(マンドラビラいん石)が置かれていた。展示物には触れることもできるし(一部?)、写真撮影も自由のようだ。9:30からミュージアムシアターでの上映展示を見に行くと300席ほどの立派なもので、15分間の上映中、観覧者は自分一人だけだった。
地球博物館では、特別展示として『丹沢写真・資料展「丹沢 〜むかし・今・あした〜」』をやっていた。昭和初期の頃の写真を通して丹沢の自然が失われていく様子などが展示されている。
【館内の様子】
「地球が生んだ多様な生物種」コーナーでは地球の生物誕生から、ほ乳類や、植物、昆虫など多くの標本が展示してある。
博物館はゆっくり見て回ると二時間でも三時間でもかかってしまう。今日の目的は石垣山なので、展示物を一通り見て回って外に出た。石垣山へは右手の方へ道なりに歩いていく。
早川に架かる太閤橋を渡り、車道沿いの歩道を歩く。ときおりダンプカーが通り過ぎるが、山では道路工事が行われているようだ。
【早川に架かる太閤橋】
早川は芦ノ湖が水源。箱根湯本で須雲川と合流して、相模湾に注いでいる。流路延長は21qの二級河川である。
アスファルトの道を登る。このアスファルトは結局山頂まで続くことになる。道の脇に四角柱の石が二つ置かれている。城石垣の石で、川底から出てきたそうである。この辺りの石は小田原城や江戸城で使われているとの説明書きがあった。
道の山側には山の中に入る階段がいくつもあり、登山者を悩ませるが、それらは登山コースではない。ひたすら車道を登っていけば良い。それにしても立派な階段で用途は不明。
箱根ターンパイクの歩道橋を渡る辺りは眺めも良くなる。道路工事も盛んで、石垣山への車道が拡幅されているようだ。山頂の一夜城歴史公園を一大観光地にでもしようとしているのだろうか。
左手にスダジイの巨木が見えてくる。里山には必ずこのような木があったようだ。ここから落ちるドングリはかなりの量になりそうだ。昔は食料になっていたらしい。
車道が下り坂に変わり、まもなく
一夜城歴史公園の駐車場が見えてくる。駐車場といっても単なる空き地で、数台の車が停まっている。公園の入口は左手になる。石段を登っていくと石垣山一夜城の案内板がある。更に登っていくと、明るい広場にでる。そこが二の丸跡。奥の方へ進み、右手の方へ下っていくと、井戸曲輪跡がある。「淀君化粧井戸」と呼ばれている。この辺りの石垣は当時の姿をとどめている。
二の丸跡に戻り、本丸を目指す。少し登ったところに、また広場があり、本丸跡の石碑がある。ここからは小田原市街や相模灘が一望できる。この本丸跡が
石垣山の頂上で、奥の小高いところが天守台跡となっており、ピークのようだ。
【本丸からの眺め】
標高257mの本丸からは小田原城や城下の様子が一望できる。1590年、豊臣秀吉は水陸22万の大軍を率いて小田原城を包囲した。同年7月に小田原城の北条氏直は降伏。秀吉はこの石垣山城に100日あまり滞在したという。
【小田原市街】
本丸跡の展望テラスからの眺望。現在の小田原城もここからよく見えている。
一夜城歴史公園から早川駅までは車道を歩く。坂を下りながら正面には箱庭のような小田原市街が見渡せる。夜だと夜景が綺麗に見えそうだ。また、道路脇には「石垣山に参陣した武将たち」として、ひとりひとりの武将の紹介パネルが一定の間隔で立っている。
市街に降りると、とたんに道が分からなくなる。目の前に東海道線の高架があるので、それに沿った右手に歩いていく。右手に
早川観音のお堂があり、自由に入れるようなので、中を見学した。
【早川観音】
中にご本尊の聖観世音菩薩立像がある。
早川観音の目の前が
早川駅であったが、改札は反対側だったので、かなり回り込まなければならなかった。東京方面の電車は多く、12:23発の快速アクティーに乗って帰途に着いた。