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神奈川県の山

白山巡礼峠


MAP*136
年始をかねて丹沢前衛の寺社巡り
日程 2007年01月05日(金)
山名 白山
山域 神奈川県
入/下山地 飯山観音/日向薬師
メンバー 単独

コース(タイム)

飯山観音(10:19)−(10:34)白山神社−白山(10:45)−むじな坂峠−巡礼峠(11:36)−(12:30)日向薬師

 明日から天気が崩れると言うので、今日のうちにどこか行くことにした。ほとんど義務感である。長距離を走ったばかりで車に乗る気にもなれず、電車で近場の山ということで、厚木の白山へ行くことにした。白山は何度か行ったことがあるのが、今回も以前と同じアプローチである。小田急本厚木駅で電車を降り、駅前5番バス乗り場を目指す。宮ヶ瀬行きのバスはそれほど多くはないが、時刻表を見ようとしたところ、ちょうどやって来た。飯山観音前までは20分ほどで到着。下車客は自分だけだった。
 小鮎川にかかる橋を渡り、左手にある龍蔵神社をちょっと覗く。参道に戻り、道をまっすぐに登っていく。桜並木を越え、山門をくぐり石段を登る。駐車場を抜けて、再び石段があるが、右手に車道が続いているのでそちらを歩く。道なりに登っていくと、飯山観音(長谷寺)の裏手に出るので、表に回り込み、参拝する。ふと思ったのは、寺の参拝の方法はどのようにするのだろうか。

photo 192*128 【白山ハイキングコース入口】

 飯山観音の裏手にハイキングコースの入口がある。男坂と女坂に別れている。

 飯山観音は、坂東三十三ケ所の第六番目札所でもある。鎌倉時代に関東八国(相模・武蔵・上野・下野・常陸・上総・下総・安房)から33ヶ所の観音霊場が選ばれたという。
 再び裏手に戻り、白山へのハイキングコースに入る。男坂と女坂があるが、男坂の方を登る。雑木林の中では木漏れ日が落ち、1月だというのに暖かい。すぐに汗が出てくるので、上着を脱いで腰に巻く。白山池への分岐があるので、右手に進む。
 飯山観音の裏手から登ること15分ほどで稜線に出る。そして小さなほこらの前に出るが、これが白山神社である。今でこそ小さいが、江戸時代にこの地で平安時代の鏡が出土したという記録があることから、歴史や格式はあったようだ。まずは参拝。白山神社の前には、直径1mあまりの白山池がある。いかなる干ばつにも水が涸れたことが無いという、飯山の七不思議のひとつとなっている。この日も濁った水が満ちていた。

photo 192*128 【白山池】

 かつて日照りが続き農作物が心配なとき、農民達はこの池の水を空にして雨乞いをしたところ、やがて一天にわかにかき曇り、三日三晩雨が降り続いたという。これは、この山に住んでいた白龍の水飲み場で、飲み水が無くなると白龍が雨を降らせるという伝説。

 白山山頂展望台に移動する。展望台の上に立つと相模の国が一望できる。富士山は見えないが、それを隠している大山が大きく見える。展望台の下にはこのあたりでクマが出没した記事が貼られていた。このところ里の各地でクマが出没しているので、別段珍しいことでもなくなってきている。白山山頂からは南西方向へ下る。
 5分ほどで御門橋から登ってきた道と合流する。ここから関東ふれあいの道になる。少し登り返すとむじな石碑が立つ坂峠に到着。さらにその先に物見峠。眺めが良く、相模湾が見える。物見峠からは階段状の急坂を下る。ここでこの日はじめて人とすれ違う。樹林帯のアップダウンを繰り返し、左手には厚木霊園が見えてくる。このあたりは、関東ふれあいの道のため、道標が充実している。樹林帯は竹林となり、小さな石祠を通過する。
photo 192*128 【物見峠】

 展望がよい。ベンチもあり休憩適地。白山から1km、順礼峠まで1.7km。

 雑木林の下りで赤い前掛けをした地蔵が見えてくる。巡礼峠に着いたようだ。峠からは四方八方に道が分かれているが、関東ふれあいの道をそのまま歩く。古道のような道を歩いていくと、鹿よけ防護柵がある。扉がチェーンでしっかりと閉じられており、これを開いて通過する。七沢の集落に入り、道がわかりにくいが、要所要所にある関東ふれあいの道の道標を頼りに、県道に出る。
 以前は県道を走るバスで帰ったが、この日は関東ふれあいの道をさらに歩くことにした。目的地は日向薬師である。県道を右に曲がり、すぐに左折。玉川に架かる橋を渡り、右手に七沢荘の駐車場がある。その奥には猪小屋があり10頭ほどの大きな猪が動き回っていた。今年の干支である猪に出会えるとはさい先がよい。この猪は七沢荘で食材となっているのだろうか。
 旅館が建ち並ぶ七沢温泉街を通り抜け、長い車道の登りが続く。後ろから何台もの車が追い越していくが、日向薬師への参拝客だろう。途中退屈な登りを癒すかのように展望台があったので登ってみた。しかし展望台の上に立っても、展望台よりも高い杉の木に取り囲まれているため、眺望は何もない。まか不思議な展望台である。

photo 192*128 【日向薬師】

 日向薬師(高野山真言宗)は日向山霊山寺と称し、霊亀二年(716)行基菩薩により開かれた。

 七沢温泉から30分ほど歩いて日向薬師に到着。駐車場では野菜や小物の露天商まで出ている。日向薬師の宝城坊は716年に行基が開創したという霊山寺である。単層茅葺きの立派な建物で、国の重要文化財にも指定されている。他にも銅鐘や仏像、二本杉など国の宝が多くある。そんなありがたいお寺で参拝。
 この日はふだん開かれない宝物殿が開放されているようだが、ちょうど昼休みで13時からの再開となっていた。しかし、1時間に一本しかないバスが13時15分発となっていた。宝物殿は次の機会に参拝することにしてバス停へ向かった。杉の巨木が立つうっそうとした参道を下り、仁王門をくぐる。階段を下って通りを右に曲がると日向薬師のバス停に出る。

※順礼峠は巡礼峠とも記述があり、厚木市のホームページでも混在しているので、どちらでも良いようである。
【参考】
2001年01月02日の記録
Camera:Panasonic DMC-FX9

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