トップ | 日本四百名山 | 東海自然歩道 | 神奈川県の山 | 東京都の山

神奈川県の山

大平山・天園


寺院を巡る鎌倉の裏山ハイク
日程 2006年01月15日(日)
山名 大平山・天園
山域 神奈川県
入/下山地 北鎌倉駅/鎌倉駅
メンバー Chifuさん、石川@横浜さん、齋田さん、毛利さん、じょうむらさん、羽根ふわ姉さん、福島


北鎌倉駅(10:00)−建長寺−(10:36)半僧坊−(11:20)大平山(13:45)−天園(六国峠)−(14:35)瑞泉寺(15:08)−(15:20)鎌倉宮(15:30)−(15:48)鶴岡八幡宮−(16:16)鎌倉駅

 山の仲間との新年会をかねての軽い山行を行った。場所は神奈川県南部の鎌倉アルプスといわれる、標高150m程度のハイキングコースである。山行といっても主な目的は宴会である。しかし、日本列島はこのところ寒波に見舞われ、平年を下回る寒さが続いていた。果たして無事に宴会、いや山行が行われるか心配であった。
 前日の昼頃から降り始めた大雨は、夜まで続いていた。しかし、当日の朝にはすっかり晴れわたり、気温もぐんぐん上昇した。日中の横浜の最高気温は14.3度で3月下旬の暖 かさとなった。今回の山行は歩くだけではなく、宴会がメインとも言えるので、天気が良く、暖かい状態というのはまさに幸運であった。

 今回のコースは3時間コースなので、集合時間は余裕の10時。集合場所の北鎌倉駅には皆時間通りに集まった。久しぶりに再会する人達もいたが、根が生える前に出発。線路沿いの道を下り方面へ歩いていく。道は線路を越えた県道と合流し、細い歩道を歩く。右手には老舗の風呂桶屋がある。10分ほどで、臨済宗五山第一建長寺の大きな門が見えてくる。門をくぐると駐車場で、その奥にまた門がある。扁額には「山福去巨」とあるが、巨の字の中に点がある。この額は渡来僧一山一寧の筆。建長寺の入場料は\300で、以前来たときより\100値上がりしていた。

 【北鎌倉駅出発】
 【建長寺】
 【ビャクシン】

 物見櫓のような三門をくぐると、仏殿の前に神奈川の名木百選に指定されている樹齢約750年といわれるビャクシンの木があり、その奥の仏殿の中には高さ2.4メートルの地蔵菩薩坐像が安置されている。建長寺といえば、けんちん汁の発祥の寺でもある。
 建長寺を奥へと進むと参道があり、鳥居が立っている。その先に長い石段の登りがあり、それが今回のコースの最難関となる。階段の上の方では、無数のカラス天狗の像が迎えてくれる。
 半僧坊は展望台になっており、建長寺が眼下に見える。その先には鎌倉の街や相模湾が見える。この眺めのために境内の木を上半分ほど切っているようだ。
 半僧坊からハイキングコースに出ると、木の上の方から奇妙な鳴き声が聞こえた。見上げてみると、台湾リスが2匹走り回っていた。このリスは、江ノ島で飼われていたものが逃げ出して繁殖したらしく、地元では害獣となっている。
 大平山の山頂にかけての稜線はところどころ眺めがよく、横浜の都心部方面や相模湾方面が見渡せる。この辺りは、鎌倉十王岩の展望として「かながわの景勝50選」に指定されている。ちなみに鎌倉十王岩という風化した石仏があるはずだが気が付かなかった。

 【ロウバイ】
 【大平山】
 【落ち葉の廊下】

 しばらく急な上り坂もなく、ときどき現れる風景を楽しんでいたものの、大平山頂上が近づくとちょっとした上り坂になる。大平山の頂上には、山頂を示す標識はないが、横浜市のマークが入った境界標だろうか、がある。山頂直下の斜面を降りたところが広場になっており、そこで車座になり宴会を始めた。

【大平山で宴会】

 大平山は鎌倉アルプスの最高峰158m。ポトフやチーズフォンデュ、ワインで歓談が続く。広場の奥にはトイレもある。


 大平山では2時間以上滞在。周りでも食事や休憩をしている人が多いが、我々が一番長く居座っていたようだ。片づけの後、斜面をバックに記念撮影して大平山を後にする。
 大平山の広場の天園よりには右手にトイレ、左手にはゴルフ場がある。グリーン越しには、横浜のみなとみらいのビル群がよく見える。天園はすぐ近くにあり、峠の茶屋がある。その峠の茶屋には横浜市の境界線があるが、実はそこが横浜市の最高地点ではないかという話があり、その境界標を見に行った。茶屋の一番高い位置は大根畑になっており、そこに標柱が埋まっている。しかし、茶屋の人に聞いても横浜の最高地点がそこだという認識はないようだ。もともと横浜の最高地点は大丸山の156mといわれている。
 天園の入口に「しもつかれを楽しむ会」と書かれた開催案内の張り紙があった。そこで、しもつかれとは何だろう、という話になった。張り紙には大根の絵が描かれていたので、大根ではなかろうかと想像したが、そこにいるメンバーは確信がなかった。後で調べてみると、しもつかれとは、栃木に伝わる郷土料理で、大根、にんじん等を使って煮込んで作るものだそうだ。天園で行われるのは12月20日とあるので、もう過ぎた後だった。
 落ち葉の道を歩いていくと分岐があり、瑞泉寺方面は右の方向になる。道標に従い右手に行くと下り坂で、下りきると民家の横を通るハイキングコースの入口に出る。そこからはアスファルト道で、瑞泉寺へ向かう。
 瑞泉寺は秋の紅葉が有名で、四季を通じて折々の花を咲かせるため花の寺とも言われる。とは言いつつも、この時期は花が少ない。気の早い梅の花が少しばかり咲いていただけである。
 瑞泉寺の階段を登り切ったところの左手に、吉田松陰先生留跡所と書かれた大きな石柱がある。瑞泉寺は松陰の伯父竹院和尚が住職を務めていたので、ここには四度訪れたことがあるという。下田の黒船で密航を計ろうとしたとき、ここ瑞泉寺に来ているが、司馬遼太郎の『世に住む日々(一)』216頁にそのくだりがある。

 【瑞泉寺】
 【小賀玉の木】
 【鶴岡八幡宮】

 瑞泉寺から鎌倉宮へ向かう。鎌倉宮には、鎌倉市指定の天然記念物、小賀玉の木というのがある。春には紫を帯びた白色の花が咲き、芳香を放つらしい。
 鎌倉宮から、鎌倉の象徴である鶴岡八幡宮へ。元旦から2週間は過ぎているとはいえ、参道は多くの人が行き交っている。本宮への大石段はこの日最後の登り。この日、二寺二社のお参りを済ませて、鎌倉駅へと向かった。初詣と新年会、ハイキングを兼ねた充実の一日であった。
 今回と逆のコースは、1999年01月03日に歩いている。

Camera:Panasonic DMC-FX9

NOYAMA
ホームに戻る
NOHOU