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鉢盛山-日本三百名山

鉢盛山-日本三百名山

雨乞信仰の山を雨の日に登る

雨乞信仰の山を雨の日に登る

【山頂には四つの祠が立つ】

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○山行情報
日程 2022年8月15日(月)
山名(山域) 鉢盛山(北陸
入/下山地 岳沢入尾根登山口
メンバー 単独行
行動時間 3時間30分
歩行 距離登り下り歩数
6.0km756m756m---歩

鉢盛山マップ

○コース(タイム)

新登山口(07:25)-新登山口分岐-鉢盛山荘-(09:13)鉢盛山(09:22)-新登山口分岐-(10:49)新登山口

 《山概略》
 鉢盛山は長野県朝日村にある標高2447mの山。木曽川源流の山で、雨乞い信仰の山でもある。山頂は、朝日村、木祖村、松本市の境になるが、登山ルートは朝日村側がメインになる。
 朝日村の許可を得れば、鉢盛林道の奥にある標高1750mの駐車場を利用し、最短ルートで登ることができるので登りは楽になる。日本三百名山。

 《アプローチ編》
 登山の一週間前に朝日村へ連絡し、鉢盛山林道の通行許可を仮申請する。その後、許可申請書をメールで送ると、2日後に林道ゲートの通過方法の案内が返信される。
 出発は登山の前日。お盆休みの土日はetc割引がないので、深夜割引を適用するためSAで車中泊をすることにする。場所は諏訪湖SAと決めている。標高が高く夏でも夜はそれほど暑くならないからだ。夕方に出発し、21時くらいに諏訪湖SAへ着くように移動する。
 翌朝、5時に諏訪湖SAを出発し、朝日村へ向かう。朝日村は人口4376人(2022年8月1日現在)の小さな村で、村域の大部分は山林である。これといった観光資源は無く、村の入り口には鉢盛山の名前が一番に出てくる。
 ナビを頼りに朝日村の図書館へ行き、指定されたボックスの中から自分宛ての封筒を入手し、その中の林道ゲートの鍵を確認する。
 鎖川沿いの道を進み、山へと向かっていくが、何やら雲行きが怪しい。下界は晴れでも山の上は雲で覆われている。案内板に従い右折し、その先にゲートがある。ここまでの道は舗装されていたが、ゲートの先は未舗装のダートだ。けっこうガタガタの道で、時速20kmほどしか出せない。30分ほど走って終点の駐車場へ到着する。




 《鉢盛山へ》
 登山口駐車場へ着いた途端に雨が降りだした。この雨は止むことが分かっているので、しばらく車内で待機した。45分ほど待って雨が落ち着いてきたので出発することにした。久しぶりに上下のレインウエアを着ての登山だ。気温は低いので、雨具を付けても暑く無いのがせめてもの救いだ。さらにいつもは一眼レフカメラを持つところだが、ザックの中に入れ、写真はiPhoneで撮ることにする。



 駐車場から林道を少し戻り登山口へ。登山道概念図の案内板を確認して、階段状の登りを進んで森の中へ入る。この道は2014年に開通した新登山道で、登山期間が限られるものの、従来のコースと比べ、かなり行動時間が短くなる。登山道は良く整備され、笹を刈り払って歩きやすくなっている。緑の指導標が時々現れ、山頂までの距離と時間がわかりやすい。
 つづらの急坂を登り切り、村界尾根に出る。丸太で作ったベンチがいくつかあり、眺めが良い場所なのだろうが、一面真っ白で何も見えない。休憩もそこそこに先へ進む。この先は緩やかな尾根歩きなので楽なはずだ。



 その尾根を進むと、道の真ん中に山盛りの糞が落ちている。明らかにクマのものだ。緊張しながらもその先を進む。道はところどころでぬかるんでいて、登山靴がドロドロになる。
 権現ノ庭という小さな湿原を木道を渡って通過する。花の時期は過ぎたのだろうか、ワタスゲのような花が濡れてしぼみ、リンドウはまだつぼみだ。
 しばらく楽な登りが続き、緑色のプレハブ小屋が見えてくる。朝日村営の避難小屋だが大雪が降れば押し潰れそうだ。このあたりは、それほど雪は降らないのだろうか。避難小屋の先は、鉢盛山の山頂である。標高2447mで、今年初めての久しぶりに2000m峰だ。小さな石祠が四つあり、境界にある四つの自治体(朝日村、旧安曇村・旧波田村(現松本市)、木祖村)がそれぞれ設置したもののようだ。標識の字は消えかかっている。



 山頂からは北アルプスや御嶽山などを望むことができるはずだが、ガスで何も見えない。休憩用のベンチもないので、早々に下山することにする。雨は止んだので、ザックからカメラを取り出し写真を撮りながら歩く。
 村界尾根からの下りで、登って来る二人組とすれ違う。この日林道を利用したのは、自分とこのメンバーだけのようだ。



 下山中、徐々に天気は回復してくるが、山の上の雲は取れない。新登山道の見晴らしの良いところからはかろうじて朝日村方面の街並みが見える程度だった。駐車場に戻り、長い林道を下って借りたゲートの鍵を返却した。明日は位山を登る予定となる。この日の宿がある高山へと向かった。

Camera:CANON EOS 6D Mark II