木曽駒ヶ岳-日本百名山
木曽駒ヶ岳-日本百名山
木曽福島から登る木曽駒ヶ岳
木曽福島から登る木曽駒ヶ岳
【木曽駒ヶ岳山頂】
○山行情報 | |||||
日程 | 2020年10月31日-11月1日 | ||||
山名(山域) | 木曽駒ヶ岳(中央アルプス) | ||||
入/下山地 | 木曽駒高原スキー場 | ||||
メンバー | 伊達、勝野、福島 | ||||
行動時間 | 初日:5時間34分、二日目:9時間45分 | ||||
歩行 | 距離 | 登り | 下り | 歩数 | |
初日 | 5.9km | 1,388m | 323m | ---歩 | |
二日目 | 13.1km | 1,166m | 2,238m | ---歩 |
○コース(タイム)
1日目
コガラ登山口09:23-10:18幸ノ川渡渉地点-14:57七合目避難小屋
2日目
七合目避難小屋06:00-08:17玉乃窪山荘-09:08木曽駒ヶ岳09:24-10:06玉乃窪山荘10:11-11:54七合目避難小屋12:47-15:45コガラ登山口
《山概略》
木曽駒ヶ岳は長野県南部に位置する木曽山脈の主峰。東の甲斐駒ヶ岳に対し、西駒ヶ岳と呼ばれることもある。山頂は上松町・木曽町・宮田村の境にあり、中央アルプスの最高峰で標高は2956m。日本百名山や花の百名山に選定されている。
東側には駒ヶ岳ロープウエイがあり、標高2612mの千畳敷カールまで難なく行くこともできるが、西の木曽福島からは、標高1335mの木曽駒高原スキー場(コガラ登山口)から登ることにある。
《アプローチ編》
金曜日の夕方に自宅を出発。中央自動車道の諏訪湖SAで車中泊する。寒さ対策はしていたものの、夜の車内はかなり冷え込み眠りは浅かった。翌朝は暗いうちからSAを出発し、待ち合わせの道の駅木曽駒高原へ。集合時間が近くなっても仲間が現れないと思いきや、集合場所が隣の道の駅日義木曽駒高原であることが判明。急いで移動して仲間と合流することができた。
道の駅から木曽駒高原スキー場へ移動。すでに閉鎖されたスキー場だ。登山口に近い駐車スペースに車を止めた。先客の車は一台だけだったが、登山者かどうかはわからない。ロープウエイのある登山口と違って、こちらから登る人はほとんどいないようだ。
《七合目避難小屋へ》
駐車場を出発すると、すぐに登山口でがあり、コガラ登山口と書かれている。登山ポストがあり、いろいろ掲示板がある。麦草岳から木曽前岳にかけては通行禁止となっているようだ。
登山口からは林道で緩やかな登り道となる。このあたりはゲレンデのようで四方の眺めが良い。周囲の山肌は紅葉で、振り返ると白をまとった御嶽山が見える。
ロープを張った車止めを越えて、しばらく林道が続く。林道の終点の先で左手の沢が合流し、徒渉する。10mほどの河原だが沢は3mほど。石伝いに渡るので濡れることは無い。 沢を渡ったところで小休止し、いよいよ本格的な登りが始まる。
つづらの急坂を登っていくと尾根に出て四合目の標識がある。大岩の石室の下を通り、ちょっとしたはしごを登る。力水のある四合半に到着し、休憩する。水場は湿っている程度で汲むことはできない。
6合目を通過した後に見晴台と書かれた標識がある。その近くにある岩に登ると眺めが良く、そこが見晴台であるようだ。木曽駒の山頂や御嶽山を見ることができる。
見晴台からひと登りすると7合目の避難小屋が見えてくる。別棟のトイレもあり、綺麗な避難小屋だ。屋根には太陽電池パネルがあるが、バイオトイレのための電源のようだ。この時期はすでにバイオトイレは稼働していない。トイレは二部屋あり、バイオトイレでは無い部屋を使うことになる。
避難小屋は当初我々三人だけだったが、夕食の調理を始め、暗くなってから一人入ってきた。彼は上から降りてきて、翌日は再び登っていくようだ。
避難小屋の夜はそれほど寒くは無かった。むしろ前夜の車中泊の方が寒かったほどだ。朝は明るくなってから出発した。この日は明日にかけて天気は下り坂のようで、当初は明日下山だったが、今日中に下山することに予定を変更した。
避難小屋からは尾根伝いに麦草岳に登る尾根と、木曽駒の方行くトラバース道に道が分かれている。後者の道を進んだ。すでに日は出ているが、西面の山を登っているのでまだ薄暗く、雪が少し残っている。
しばらく緩やかな道が続き、大きな岩が転がり、石室がある場所を通過する。山姥(7合半)と書かれている。水が入ったペットボトルが落ちていたが、コチコチに凍っていた。
岩場になり、吹きだまりには雪も多く残っている。道がわかりにくいが、岩に書かれた矢印に従って進む。稜線に向かって登りが始まり、振り向くと乗鞍岳や北アルプスの山並みが一望できる。
森林限界を超え、ハイマツと岩場のカールを登り切ると標高2756mの玉ノ窪小屋に到着する。鞍部で風の通り道となっているので、小屋は石垣で囲まれている。小屋はすでに閉じていて、小屋と石垣の間で休憩する。
玉ノ窪小屋から駒ヶ岳山頂に剥けての最後の登りである。登り口には石碑が林立していて、鳥居や祠がある。かつて信仰登山が盛んであったことがうかがえる。
駒ヶ岳山頂に向かってゆっくり登るがすでに眺望は抜群である。玉ノ窪小屋を挟んで反対側には木曽前岳と麦草岳がそびえている。小屋が徐々に小さくなっていく。
そして上の方には木曽小屋が見えてくる。頂上小屋だが頂上よりは少し低い場所にあり、小屋の前を通過してもさらに登り続けなければならない。やがて鳥居が見えてきて木曽駒ヶ岳神社に到着する。このあたりが広い山頂である。
木曽駒ヶ岳は標高2956mでわずかに3千に届かないが、中央アルプスの最高峰である。方位盤や一等三角点がある。山頂からは360度の大展望で、まさに日本アルプスの中央に位置するため、中央アルプスはもちろん南北アルプスや富士山を見渡すことができた。天気が良かったことも幸運だった。
まだロープウエイの稼動時間前だったためか、山頂には我々以外に2人しかいなかった。多少風は吹いていたものの山頂は快適で、30分ほど眺望を満喫してから来た道を下山した。
木曽駒には放鳥しているライチョウがいるはずだったが、この日は天気が良かったためか見つけることはできなかった。その代わり岩場で見つけた野鳥は一羽のイワヒバリだった。
山頂からの下山は眺めが良い。麦草山の奥にはスキーゲレンデの傷跡が痛々しい御嶽山が見え、頂上木曽小屋と書かれた赤い屋根の小屋を見下ろしながら下っていく。途中、風の無い場所で昼食をとろうと言うことになり、石垣に囲まれた宿坊跡地のような平地があったのでそこで休んだ。
昼食後は、避難小屋まで一気に下った。避難小屋にはシュラフなど多くの装備をデポしていたので、山頂アタックはそれほど重い装備では無かったのだ。
避難小屋で装備を調え、小屋の中を軽く掃除してから出発する。我々は木曽福島Bコースを歩いている。意外だったのは、この二日間でこのコースを歩いている他の登山者が一人もいなかったことだ。木曽駒が人気が無いわけは無く、ロープウエイ側からどれほど登ってきてるのかはわからないが、少なくとも木曽駒を西から登る人は少ないと言うことだ。登る距離は長くなるが、避難小屋も快適で、山を独占したようなものだった。
沢を徒渉し、林道歩きになると、周りの木々は紅葉していて赤や黄色で綺麗である。スキー場跡地まで来るとススキが広がる。カメラを持った人が数人いて、紅葉を撮りに来ているようだ。
一日早めに下山したので、この後どうしようかと考えていた。下山後に行く予定だった清雲荘の温泉で素泊まりができると言うことがわかった。駐車場に到着してから電話をしてみると今日は空室があるという。急遽その宿に泊まることにした。
車に乗り込み、清雲荘まで移動すると雨がパラパラと降り出した。温泉は昔ながらの離れにある温泉で、下山後の疲れを癒やした。
○立ち寄り湯情報 | |
天神温泉 国民宿舎清雲荘★★ | |
場所:長野県木曽郡木曽町日義駒見4878(TEL:0264-24-2800) | |
泉質:NaCa-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉 | |
料金:500円(素泊4300円)・時間:8:30~21:30 | |
休館:無休 | |
食堂:なし、露天:なし |