週末は野山にいます


高知県の山

南陵(2016.02.12)
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横倉山-高知県の山

横倉山-高知県の山

富太郎と安徳天皇の山

富太郎と安徳天皇の山

【展望台から越智町を望む】

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○山行情報
日程 2024年5月4日(土)
山名(山域) 横倉山(四国
入/下山地 横倉第一駐車場
メンバー 岡西、福島
行動時間 3時間47分
歩行 距離登り下り歩数
6.0km450m450m---歩

横倉山マップ

○コース(タイム)

駐車場(7:23)-(8:28)横倉山-馬鹿試し-(10:17)第二駐車場-(11:03)駐車場

 《山概略》
 横倉山は高知県越知町にある標高800mの山。日本最古級と言われる地層を持つ山で、4億5千万年前の化石が発見されている。また、植物学者の牧野富太郎が好んで訪れた山で、多くの新種が発見されている。さらに、安徳天皇が隠れ住んだと言われる山でもあり、宮内庁が管理している陵墓も存在する。
 朝井まかての『ボタニカ』やNHKの朝ドラで牧野富太郎が取り上げられたことにより、高地県の横倉山が脚光を浴び、NHKの「にっぽん百低山」でも放送されたことで、名山となった。

 《アプローチ編》
 いつか横倉山へ行こうと、行く山リストには入っていたが、なかなか高知県へ出向く機会はなかった。横浜から福岡まで車で通ることは多いのだが、大阪-福岡間はフェリーに乗ることが多く、四国に立ち寄る機会は少なかったからだ。今回、GWの帰りは四国経由にすることにし、横倉山を登る計画を立てた。
 四国へは二日前に九四フェリーで上陸し、愛媛県の鳥屋ヶ森を登っていた。二日目は高知市内の牧野植物園へ行き、三日目に大阪の仲間と合流して、横倉山の登山口へ向かった。
 登山口のある越智町の市街地は標高50mあまりだが、登山口近くの第一駐車場は標高446mである。そこまで舗装された林道が続く。車で高度を稼いでいくと、右手にトイレが見えてくる。そこから右に少し下ったところが第一駐車場である。林道はまだ上にも続いているが、上まで車で行くと登山にならないので、ここらで歩き始めるのが適当だろう。駐車場は広く、舗装されているが、駐車ラインがないので適当に駐める。





 《横倉山へ》
 横倉山の駐車場までは、高知市内からちょうど1時間で到着している。市外ではあるが、高知市民にとっても身近な山なのだろう。車の外に出ると、まだ朝が早く駐車場に落ちる車や木々の影は長い。空は快晴で、絶好の登山日和である。
 駐車場を出発し、少し林道を上ると左手に登山口が見えてくる。横倉宮まで2.2kmと書かれ、そこから山へ入る。
 山道は参道として整備されたのか、それほどきつくは無くゆったりと登る。足元には白いスミレが咲いているが、シコクスミレだろうか。ひと登りしたところにベンチがあるので小休止する。



 尾根道歩きだが眺望の無い森の中を歩き続ける。早くも「頂上まであと少し」の案内板が出てくる。その先に、クサリ場が有り、それを伝って数メートルの岩を登っていく。岩の上からは眺望が広がる。南面の山並みが見え、眼下には川が蛇行しダムが見える。大桐川の桐見ダムで、下流で仁淀川と合流している。
 岩の少し先にかむと嶽石鎚神社の石祠がある。石の扉は古い鍵で閉ざされていて、中に何があるのか気になるところである。このあたりの岩場は4億年以上前の日本最古の火山活動で出来た火砕流堆積物(溶結凝灰岩)ということだ。
 岩場の後は緩やかな道が続く。原生林の中をしばらく進むと、横倉山の三角点(774.3m)である。山頂と言っても良いのだが、この先の横倉宮の方が標高が高いのである。肝心の三角点が見つからないと思ったら、二位僧都専親を祀る柵の中にあった。
 横倉山三角点には、いくつかのベンチはあるものの眺望は無く長居するような場所では無い。少し休んでから更に奥へと進んだ。道は階段状の下り坂である。しばらく下って、右手の方へ曲がらなければならなかったようで、そこを直進してしまい、少し進んでから間違いに気づき、引き返した。間違える人が多いのか、すっかり道ができあがっていた。



 道は登り返しとなり、階段状の道を上ると横倉宮の立派な木造神社に突き当たる。横倉宮の祭神はもちろん安徳天皇である。安徳天皇は23歳でこの地で亡くなられ、その年にこの神殿が建てられている。安徳天皇は、壇ノ浦に沈んだと習ってきたが、このようなまことしやかな神社や言い伝えを知ると、歴史とは分からないものである。
 横倉宮の右奥には牧野博士が発見・命名したというヨコグラノキがあるらしいが、どれがその木か分からなかった。7月に黄色い花が咲くというので、その時期だとわかりやすいのだろう。
 横倉宮からは自然の森コースを降りていく。こちらの方が表参道だったようだ。階段状の道を下り、銅製の鳥居をくぐる。周囲はアカガシの森で、その巨木にはネームプレートが付いている。
 安徳帝行在所跡というのがある。行在所というのは、天皇が外出した際の仮の御所のことらしい。小屋の中に祠がある。その先の広場の中に山小屋があり、全国名水百選の安徳水の水場がある。試飲しようと思ったが「生水なので飲まないで下さい」と書かれていて、名水の意味が無い。



 参道を進み、次に現れるのは杉原神社である。杉の大木に囲まれ、中でも二株の巨木が目立ち、樹高47.5m、幹囲7.29mの北株と樹高51m、幹囲5.92mの南株が圧巻である。越智町の天然記念物に指定されている。
 杉原神社から先も樹林に覆われ、木漏れ日の中を進む。遊歩道らしく手すりが続く。道なりに降りていくと、明るい広場に出て、仮設トイレが常設で置いてある。このあたりが第二駐車場となる。車道を降りると空が広がる織田公園がある。奥の方に白い展望台があるので、そこへ行ってみると、大眺望が広がる。横倉山で一番の眺望ではなかろうか。蛇行する仁淀川の先に越智町の市街が広がっている。織田公園は地元の織田氏が自費で建設したものだそうだ。
 織田公園から車を駐めた第一駐車場はすぐだった。駐車場に車は少なく、連休中とはいえ案外訪れる人は少ないようだ。しかし、念願の横倉山登山は無事終了。高知市内へ向かい、途中の道の駅に立ち寄ろうとしたら、こちらは満車で入ることが出来なかった。そのまま高知市内へ行き、仲間と分かれて自分は横浜へ帰るべく、徳島の方へ車を走らせた。


○前泊の宿
高知共済会館 COMMUNITY SQUARE ★★★
高知共済会館 場所:高知県高知市本町5-3-20  (TEL:088-823-3211)
料金:6300円(素泊まり)
大浴場:無し
Camera:CANON EOS R8