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マルガヤ尾根から鍋割山−丹沢

マルガヤ尾根から鍋割山−丹沢

銃声響き獣が追われる丹沢の尾根

銃声響き獣が追われる丹沢の尾根

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山行情報
日程 2010年12月04日(土)
山名(山域) 鍋割山・栗ノ木洞・櫟山(丹沢
入/下山地 大倉
メンバー 大山、福島
行動時間 7時間34分
歩行
距離
登り
下り
歩数
17.4km 1,831m 1,831m 36,321歩
280x158

コース(タイム)

大倉(8:20)−(9:26)二俣−(11:48)鍋割山(12:45)−(13:43)栗ノ木洞−(13:54)櫟山(14:15)−滝−(15:54)大倉

 《山概略》
 鍋割山と言えば鍋割山荘の鍋焼きうどんである。山荘主人の草野さんと共にガイドブックや新聞、テレビと様々な媒体で紹介されている。今回はマルガヤ尾根から鍋割山に登り、栗ノ木洞、櫟山と稜線を歩いて大倉に戻る周回コースを歩いた。

 《アプローチ編》
 渋沢駅から登山口の大倉までは、定番のコースである。休日のバスの便も多く、時間を気にしないでアプローチができる。大山さんと8時に渋沢駅に待ち合わせ、次ぎに来たバスに乗ると、8時20分には大倉に到着する。


登山者でにぎわう大倉
【登山者でにぎわう大倉】
   西山林道を歩く
【西山林道を歩く】

 《鍋割山へ》
 大倉からは戸川林道や大倉尾根を歩くことが多いが、今回は西山林道を歩く。大倉のバス停の道を挟んだ反対側に入口があり、住宅地の中に入っていく。道なりに進んでいくと、表丹沢県民の森を示す道標があるので、その方向に進んでいく。竹林や雑木林の小道を進んでいくと、二俣を示す道標があり、その方へ向かう。地蔵の前を通過し、鍋割山まで4.9kmの道標がある。
 車も通れる西山林道を早足に歩き、尾関廣先生なる銅像をやり過ごす。林道は表丹沢県民の森の敷地内に入ったのか、案内板が増えてくる。二俣の沢を渡ったところで小休止をする。この辺りは歩いている登山者が多い。
 二俣の沢から1kmほど歩いて再び沢を渡る。その辺りがマルガヤ尾根の取り付きとなる。ここまで林道を歩いていてハンターの姿をよく見かけたが、この日は組織的な山狩りが行われるようだ。尾根の取り付きにいたハンター氏によると、午前中はマルガヤ尾根とは反対側の後沢乗越方面で行われるとのこと。我々はあまり人の入らない尾根を登るので、そこが猟場でないことに安心する。
 マルガヤ尾根は急斜面で進むのに苦労する。道があるわけではないので、適当につづら折れで登っていく。周囲から猟犬の吠え声が聞こえはじめ、猟が始まったことが分かる。かなりの数の犬が間断なく吠え続けている。
 突然、右後方の茂みから立派な角を生やした雄鹿が飛び出してきて、斜面の下を軽快に走り抜けていった。丹沢で鹿を見るのは久しぶりだと思っていたのも束の間で、続いて犬が吠えながら、その鹿を追っていった。ひょっとして次に現れるのは猟銃を持った男かもしれず、流れ弾に当たってはかなわない。大木に身を寄せつつ、クマ避けの笛を鳴らす。しばらくすると銃声も聞こえてくる。先ほどのハンター氏の話は何だったのだろうか。まさにこの尾根が猟場となっているのではないだろうか。

マルガヤ尾根を登る
【マルガヤ尾根を登る】
   愛鷹山と富士が見えてくる
【愛鷹山と富士が見えてくる】

 ときどき笛を鳴らしながら尾根を登っていると、今度は左手から黒い動物がこちらに向かって突進してくる。すわ、熊かと思ったが、2秒後にはそれがイノシシかと思い、3秒後にはそれがカモシカであることが分かった。4秒後には我々の後方を通り抜けていった。丹沢でカモシカを見るのは初めてで、存在自体も初めて知ることとなった。あとから写真を撮るべきだったと気づくが、あの状況ではとても写真を撮るという余裕は出てこない。やはりカモシカ君は猟犬に追われていたようで、続いて2匹の猟犬も現れる。吠えまくって凶暴そうな猟犬だが、山を歩く人間に感心は無いようで、目は合ったものの、すぐに獲物を追いかけていった。
 周囲は散発的に銃声が鳴り響き、さながら戦場のようである。幸い銃を構えたハンターと出くわすことはなく、流れ弾も飛んでこなかった。急な尾根から、ちょっとした原に出たのでそこで休憩する。
 尾根歩きを再開し、樹林帯を抜けると眺望が開ける。西の稜線の上には富士山が頭を出していて、登るにつれて姿を現していく。その左には愛鷹山の双耳峰も見えている。急坂も景色が綺麗だと苦にはならないもので、やがて稜線の登山道に合流する。

蛭ヶ岳方面の眺望
【蛭ヶ岳方面の眺望】
   鍋焼きうどんと富士
【鍋焼きうどんと富士】

 マルガヤ尾根は他に誰も歩いていなかったが、稜線の一般道は多くの登山者が歩いている。鍋割山荘に到着すると、すでに何十人もの登山者が周囲の草の上で休憩をしていた。さっそく小屋の中に入って鍋焼きうどんを注文した。人気のあるうどんで、注文は注文リストの一番下に名前を記入する。10人待ちだった。しかし、それほど待たされることはなく、うどんは出来上がった。一日200食以上出ているそうだ。
 小屋の外に出て富士山の見える緩斜面でうどんを食べた。具が多く変わらぬおいしさだ。富士山を見ながら食べる贅沢なひとときであった。

鍋割山頂 【鍋割山頂】

 《櫟山へ》
 鍋割山荘は鍋割山の山頂にあるので、山頂を示す標識がどこにあるのか余り気にしたことがない。今回もうどんを食べ終えると、山頂標識を確認することなく南に延びる尾根に向かった。階段状の坂を下り、木道を進む。これから登ってくる人も多く、すれ違いながら挨拶を交わす。前を歩く大山さんは、異様に速く歩くおばさん2人に触発されあっという間に下っていった。
 ほとんどの登山者は後沢乗越で二俣の方へ降りていくが、我々はそのまま南下し栗ノ木洞方面へ向かった。後沢乗越からは人通りは絶え、静かな尾根歩きとなる。そういえばもう銃声は聞こえてこない。午後は猟は行われないようだ。
 樹林の中で眺望のない栗ノ木洞(908.3m三角点あり)を通過し、次のピークの櫟山(くぬぎやま810m)に到着し、休憩する。朝から雲ひとつ無い快晴だったが、この時間でも雲はなく、東から南にかけての眺望が素晴らしい。

櫟山の山頂
【櫟山の山頂】
   黒竜の滝
【黒竜の滝】

 櫟山のピークからは東側の県民の森の遊歩道を下る。かつて整備された道で明瞭な道だがなぜか地図には赤線がない。植林帯の中をつづらのジグザグ道を下る。県民の森の中なので分岐が多く、どちらに行ったらいいか悩みがちである。それでも、県民の森の駐車場に出ることができた。かつて利用したことのある駐車場だ。
 県民の森の駐車場からは、黒竜の滝・大倉方面へ進む。ここからは初めての道である。四十八瀬川を渡り、黒竜の滝に立ち寄った。落差15mの滝で秦野市の観光スポットのひとつとなっている。
 黒竜の滝から斜面をひと登りして、今朝歩いた西山林道にでる。そのまま林道を歩いて大倉のバス停までは50分ほどかかった。
 以前来たときは大倉のバス停には長蛇の列ができていたが、この日はそうでもなかった。発車寸前のバスに乗り込むとまだ空席が残っていた。秦野駅で電車に乗り換え、東海大学で途中下車する。以前利用していた温泉施設がいったん閉鎖になったが、さざんかと名を変えて再開したので、今回さっそく利用することになったのである。名を変えても施設は何も変わっておらず、以前と同様に、温泉でくつろぎ、併設の食堂で生ビールと共に甘酢あんかけ定食をいただき、この日の山行を締めくくった。

付近の山 鍋割山(2008.01.26)、塔ノ岳(2009.05.23)、雨山・檜岳(2007.10.07)、
シダンゴ山(2008.03.01)

立ち寄り湯情報
秦野天然温泉 さざんか★★★
場所:神奈川県秦野市南矢名2-13-13(TEL:0463-78-0026)
料金:700円(休日)・定休日:第3火曜日(祝日の場合は第4火曜日)
時間:10:00〜23:00・その他:食堂有り
http://www.onsen-sazanka.com/index.html
Camera:SONY DSC-WX1

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