夏も近づく八十八夜...
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日程 |
2004年04月30日(金) |
山名 |
長者ヶ岳・思親山 |
歩行距離 |
24km |
所要時間 |
7時間15分 |
累積標高 |
登り:1823m、下り:2366m |
アプローチ |
猪之頭宿泊 |
帰り |
井出駅=内船駅=富士駅=横浜駅 |
| | | カシミール3D使用(撮影データ:愛鷹山上空6500m、撮影範囲80km、レンズ16mm、森の山々、高さ強調1.5) |
コース:猪之頭(6:44)−田貫湖(7:18)−(8:31)長者ヶ岳(8:40)−上佐野(10:21)−佐野峠−(12:09)思親山(12:35)−矢木沢−(14:22)井出駅=内船駅=横浜
昨夜は猪之頭の民宿に泊まり、久しぶりに十分な睡眠を取った。朝食は6:30からにしてもらったが、それより少し早く呼ばれた。そして昼食用のおにぎりも作ってもらった。この先食料を調達することは困難が予想される。
民宿を出発し、田貫湖を目指す。途中商店の自動販売機で飲料水を買っておく。自動販売機すらこの先、井出駅まで無いのである。
【猪之頭からの長者ヶ岳】
猪之頭の用水路沿いに歩いていると、右手に山並みが見える。天使ヶ岳から長者ヶ岳、そして毛無山まで続く。
猪之頭は水が豊富な町だ。町の至る所に用水路や側溝があり、綺麗な水が流れている。その用水路沿いの道を南下し、車止めがあってもかまわず進む。一度、水流の少ない川を渡渉し、車道と交わるところで右折する。道なりにカーブの連続を登っていくと田貫湖の駐車場に出る。ここで東海自然歩道の標識を見つける。
田貫湖から徒歩1分のところに長者ヶ岳の登山口があり、東海自然歩道の案内板もある。長者ヶ岳まで急坂が続くとある。昨日の歩きで足の裏が痛いが、睡眠も食事も十分に取っている。早速、長者ヶ岳への急坂へ取り付いた。道は良く整備され、階段状になっているが、端の階段でない方が歩きやすい。急坂には要所要所にベンチがあり休憩ができる。そのベンチがある毎に休憩する。振り返ると富士が正面に見えるが、ちょうど太陽を背にして逆光となっているため光のシルエットのように見える。
【長者ヶ岳からの富士】
長者ヶ岳の頂上は富士山方面だけ開かれている。まだ日が低いので富士は影になっている。
稜線に出るとようやく急坂は終わり、歩きやすくなる。登山口から1時間ちょっとで長者ヶ岳の頂上(1335.8m)に到着する。頂上は東側だけ開かれていて、富士山がしっかりと見える。また、三角点や山梨百名山の標柱もある。
長者ヶ岳から天使ヶ岳方面へ歩く。天使ヶ岳の頂上には眺望がないと聞いている。今回はそこまで行かずに、途中の上佐野分岐から山梨県方面へ下りていく。
【上佐野分岐】
この稜線は静岡と山梨の県境になっている。左が静岡で右が山梨になる。上佐野分岐にはそれぞれの県が設置した道標が2本、少し離れたところに設置してある。
上佐野分岐からの道が荒れているのは、管理が山梨県になったからだろうか。道はやせ細っており、慎重に歩いても足場が崩れて落石が下の方へ落ちていく。もっともこの道を歩くのは東海自然歩道目当ての者しか考えられず、上佐野からハイカーが登ってくることはないだろう。道は荒れていると言っても、迷うほどではない。下るにつれて橋が造られていたり、ベンチがあったりと一応は整備はされているようだ。山を下りると、山梨県が建てた真新しい自然歩道の案内板と休憩用のベンチがあった。
上佐野は緑豊かな集落だ。一面に茶畑が広がり、その収穫期を迎えているため、今が一番緑が映えるときだろう。天気も良い。しかしこの集落には商店や自動販売機はなかった。南部町営のバス停があり、内船駅に出られる。一日に3本(6:40,14:05,16:55,日祝年末年始運休)しかない。
【上佐野】
上佐野の茶畑から長者ヶ岳を望む。
上佐野の集落を通り抜け、道標に従い佐野峠を目指すようになる。再び上り坂が始まる。この先の道は良く整備されている。橋があったり、急な階段があったりする。ひとしきり登ると、なんと車道に出た。その車道を歩いて行くと佐野峠に到達する。車道は南部町と上佐野を結んでいたようだ。先ほどの町営バスもここを通るのだろうか。
佐野峠には駐車場があり、ここまで車で来れば思親山(シシンザン)もあっという間に登ることができる。峠で休憩していると、ちょうど南部方面からの車が一台到着した。また、一組の夫婦も登ってきた。山頂で話すのだが、この夫婦は横浜からやって来て、内船駅から歩いてきたそうだ。思親山を目指してきたのだろうが、どうして横浜からわざわざ有名でもないこの山を目指してきたのかは聞かなかった。内船駅には町営の温泉もあり、勧められた。
佐野峠から思親山までは標高差で200m程登ることになる。今回最後の登りなので気持ちをあらためる。といってもすでにかなりへばっている。道脇の木々には名札が架かっていて自然観察ができるようになっているが、それらを見ている余裕もあまり無い。頂上までの距離を示す道標のカウントダウンを励ましに、ついに頂上に立つ。
思親山の頂上(1030.9m)は広く眺めが良い。ベンチに腰掛けて昼食にする。なぜか温度計があり、見ると23度を示していた。食事を終え、駅に到着する時間を計算すると思ったよりも早く着きそうだ。早く着きすぎて井出駅からの列車がない。そこで井出駅から逆方向の内船駅まで行き、そこから特急で富士まで行くのが時間的に効率が良いことが分かった。(ここでは携帯電話で時刻表を検索した。思親山頂上は携帯圏内となっている。)
思親山から東海自然歩道は矢木沢を目指す。ここからはひたすら下りが続く。途中車道に出るが、地図には載っていない。新しい道なのだろう。下の方になると、自然歩道がそのまま車道に変わったようだ。車道脇を申し訳なさそうに自然歩道の道ができている。
矢木沢も小さな集落で、茶畑が多い。清涼飲料の自動販売機を期待したが、ここにもなかった。井出駅までは車道を歩く。細い田舎の車道だが、なぜか関東ナンバーの車が爆走していく。ゴールデンウィークなので普段走らない関東の車が各地で出没しているのだろう。
途中、道の先に煙突を見つけた。銭湯だったらちょうど良い。ゴールは近いので汗を流せる。と思いきや、近づくと火葬場だった。火葬場を通り過ぎ、しばらく歩くと踏切が見えてきた。井出駅は踏切を渡ってすぐ左にあった。
【井出駅】
二日間歩いたゴールがここ。駅はすぐ左手にある。列車の数が少ないので注意が必要。特急が止まらないので、逆の内船駅まで行き、特急に乗るのが早く帰るコツ。
富士行きの列車は2時間後(16:10)である。その前に甲府行きが15:11にあるので、予定通り内船駅で特急に乗り換えることにした。甲府行きもまだ時間があるので、先ほどの踏切の所まで戻り、清涼飲料を飲んだ。隣にはハイカー向けの売店(中に入っていないので何が売っているか不明)や無料駐車場もあった。井出駅周辺は他に店など無いので、まともな食料を調達するにはやはり、内船まで出るしかない。
井出駅から内船駅まで行き、特急(15:50)に乗って富士経由、三島乗り換えで横浜へと戻った。
Camera:SONY DSC-U30
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