橋本駅に7時集合で、4人で雁ヶ腹刷り山へ行く予定であった。しかし、当日の朝になって1人が体調不良で、もう1人が集合時間になっても現れず(後に寝坊と判明)、2人で行くことになった。しかも雁ヶ腹摺山への林道にさしかかったところで、その大峠への林道が閉鎖されていた。歩くと3時間以上の林道である、この山はあきらめて急遽近くの岩殿山へ変更とした。林道は12月15日くらいから閉鎖になり、来年の5月まで通行できないようだ。
今回同行の伊達さんは、年明けにネパールに行くことになっており、移動中その話をしてもらった。今回の山行はそのほんの足慣らしにはなるだろう。岩殿山の麓には市営の無料駐車場があり、ちょうど1台分の空きスペースがあったので、そこに車を止めた。準備をして歩き始める頃には自宅を出てからすでに5時間が経過していた。トラブルはあったが、ようやく行動開始だ。
【富士と大月市街】
ここからの藤野写真は有名である。桜の木もあるので、春には桜の花も一緒に写し込むことが出来るようだ。
登山口は、車道沿いの歩道を少し登ったところにある。岩殿城趾入口と書かれた道標があり、階段が続く。少し登ると、富士がよく見える展望台に出る。岩殿山の歴史を紹介する案内板もある。
岩殿山一帯は丸山公園ともなっており、大きな石にその名が刻まれている。急坂を登り、山の中腹にはふれあいの館がある。入館は無料で、白籏史朗の秀麗富嶽十二景展が行われているので、立ち寄る。入口で記名すると、「大月観光ガイドブック」と「秀麗富嶽十二景展」のパンフレットをもらえた。ガイドブックの方は、地図にもなっており、岩殿山のハイキングコースも分かりやすい。館内で様々な富士の写真を鑑賞した。
ふれあいの館の前には富士塚のような小山があり、そこからは大月市と富士山が一望できる。背後には岩殿山の巨大な石壁がそびえている。山頂までは山をトラバースする石段を登っていく。途中兜岩への分岐を通過し、30分ほどで山頂に到着する。
【岩殿山頂上】
かつては武田氏の家臣である小山田氏が城を築いていた。
岩殿山山頂(634m)には石碑が立ち、岩殿城の説明板がある。箱庭のような大月市が眼下に見え、雄大な富士も見えるが、時間と共に消えかかっている。山頂は訪れる人も多く、20人ばかりの団体もやってきた。この山頂の少し先にここよりも高いピークがあり、アンテナが林立しているのが見えるが、そちらの方が本当の山頂なのかも知れない。
【眼下には高速道や中央線】
岩殿城は狼煙台として利用されていたらしい。天気の条件が良ければかなりの広範囲で狼煙が見られたことだろう。
来た道を少し下り、兜岩の方へ縦走する。手持ちのマップは古いためか、縦走ルートは点線のコースだが、その後整備されたのだろうか、指導標もしっかりとあり、道もはっきりとしている。道を下っていくと築坂という岩殿城の入口があったという場所を通過する。筑坂峠がそこだろうか。送電線の鉄塔の下を通り、先の方で人の声が聞こえてくると、そこはクサリ場だった。5mほどの岩場の垂直な登りで、先行の団体が通過に難儀している。岩を登ると視界が開け、このあとは歩きながら眺望を楽しむことが出来る。続いて、スリルのある岩壁のトラバースがあり、垂直の登りが続く。後ろから若い女性3人組が追いつき、休憩の度に抜きつ抜かれつのレースを繰り返す。学生かと思ったが、聞くと社会人であった。彼女らは高所の恐怖が内容で、崖っぷちの縁まで行って写真を撮ったりしていた。見ている方が冷や冷やとする。
【クサリ場】
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【岩肌をトラバース】
危険なところにはしっかりと、ロープや鎖が張られている。
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浅利とトズラ峠への分岐を左手の浅利方面へ進む。このあたりはすでに稚児落としで、南側の斜面は絶壁となっている。少し進んで振り返ると、尾根自体が岩で出来ており、ほぼ垂直に切れ落ちているのが分かる。
尾根を下ると、浅利の集落に出る。浅利川沿いの車道を歩き、中央高速道路の高い高架の下をくぐる。大月駅の手前を回り込むように住宅地を歩き、駐車場へ戻る。
【稚児落としを振り返る】
歩いてきた尾根がよく分かる。尾根自体が巨大な岩で出来ているようだ。
かつて岩殿城主である小山田氏の妻が小田軍に追われ、泣きやまぬ赤子の声が追っ手に悟られるのを畏れ、思わずこの岩の上から落としたのだという。
【岩殿山遠景】
大月駅の近くから。広い空き地を挟んでいるので、岩殿山の形がよく分かる。
温泉は藤野温泉へ向かったが、すでに年末休業に入っていた。その先に比較的新しくできた「いやしの湯」へ行くと、かなりの盛況だった。露天風呂もあり、ゆずをぶち込んだゆず湯だった。湯上がり後は併設の食堂で「とろろ定食」を食べて今日一日の山行を締めくくった。
温泉情報
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いやしの湯★★★★
場所:相模原市津久井町青根844 (TEL:042-787-2288)
泉質:カルシウム・ナトリウム・硫酸塩泉
料金:600円・時間:10:00〜21:00
休館:火曜日(祝日の場合は翌日)
食堂有
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