八月に函館五稜郭へ行ったとき、日本にはもうひとつの五稜郭が存在することを知った。それが
龍岡城五稜郭である。こちらの五稜郭も一度見てみようと思った。そしてそのついでに、どこか適当な山があれば登っておこうと調べてみると、山梨百名山で春日居にある兜山が良さそうだ。この山は、以前要害山を登ったときに、隣の兜山まで足をのばそうとしたが、雪と時間に阻まれ断念したことがあった。
まだ暗いうちから自宅を出発し、相模湖ICから中央道に乗る。韮崎ICで下り清里経由で佐久甲州街道を北上する。佐久市に入り信号で止まっていると、道路標識で、この地の観光地が、龍岡城五稜郭の他に「
新海三社神社」、「上宮寺梵鐘」、「
日本で一番海から遠い地点」というものがあることが分かった。この「日本で一番海から遠い地点」などよく考えだしたものだ。
五稜郭資料館に車を止め、五稜郭を散策した。お堀に沿って歩くと、そのお堀は途中で途切れ、郭の中へ入ることができる。その中は学校だった。グランドでは子供達がサッカーをやっていた。
【龍岡城五稜郭】
日本に二つしかない星形稜堡の洋式築城。函館のそれと比べ、かなり小ぶりで未完成で終わっている。五稜郭の中は城ではなく小学校がある。
資料館の開館は9:30からで、まだ時間があった。もうひとつの観光地である新海三社神社へ向かった。
【新海神社の三重の塔】
1515年の創建、重要文化財。鶴岡城の東、車ですぐのところにある。参道には堂々とした杉の巨木が並んでいた。
史料館に戻り中を見学する。佐久市教育委員会が発行している龍岡城五稜郭のパンフレットは詳しく紹介されていた。史料館は、ボランティアだろうか、お婆さんが管理していた。五稜郭を見下ろすことができる裏山への登り口を尋ねると、近くまで案内してくれた。
【裏山からの五稜郭】
五稜郭の北にある山に登ると、五稜郭が見渡せる。この山にも古い石垣があり、かつて城があったことがうかがえる。
裏山から下り、汗だくで史料館に戻ると、先ほどのお婆さんがお茶を出してくれた。しばらく歓談してから来た道を戻り、兜山へ向かった。
山梨百名山に選定された
兜山はその形がかぶとに似ているため、その名が付けられたという。春日居町駅から歩けばその山容が目の前に見えるようだが、車で行ったためその兜の形を拝むことはできなかった。しかも登山口までの道が分かりにくい。岩下温泉を目指して車を走らせると、とんでもなく狭い道に入り込み、もと来た道に戻ってしまった。うろうろとしているうちに、バイパスのインターを横切ったところが兜山の林道に続く道らしい。案内板に従い、車を進めた。
登山口近くには10月4日に熊が出たとの張り紙があちこち張られていた。つい5日前ではないか。今年は各地で熊が出没するニュースを聞くが、登山者が襲われたことはないはずだ。気をつけると言っても気をつけようもなく、熊に気づかれないようにひっそりと歩くしかない。登山口の駐車場はあまり広くはないが、トイレもあり立派な登山口だ。
【兜山登山口】
迷いながらもなんとか登山口に到着。一台車が停まっていたが、登って下るまでの間で人に会うことはなかった。
登山道は車止めを越えてしばらく林道を歩く。右手に登り口があるはずだがなかなか現れない。16分ほど歩いてようやく登り口が見つかった。手前の登り口は通り過ぎてしまったようだ。その登山道は右斜め後ろに向かって道が続いている。赤松の樹林の中を登っていると、突然視界が開けて展望の良い場所に出る。富士山や山梨の市街がよく見える。ちょうど良い場所にベンチがあり、そこで小休止する。
再び樹林の中を登り、稜線に出る。左に行くと岩堂峠で右手が兜山の山頂となっている。そこからは1分で兜山の山頂へたどり着く。
【兜山からの展望】
標高913mの山頂は林の中で展望はない。休憩するなら、少し離れたところに展望台があるので、そこまで足をのばした方が良い。ベンチもあり、富士山、三つ峠などがよく見える。
下りは岩場コースを採る。岩場と言っても構えるほどの岩場ではなく、岩が多い普通の山道だ。一ヶ所だけ急坂のクサリ場がある。下りきったところに左右の分岐があり左手が夕狩沢で、右が駐車場となっている。右に折れると10分ほどで駐車場に戻る。
温泉は3年ぶりの
ほったらかし温泉に入った。この温泉は相変わらずの人気で、駐車場は車であふれている。入湯料が100円値上がりしていた。原油高騰の影響だという。ということは、沸かしていたと言うことのようだ。湯はこっちの湯とあっちの湯があるが、今回は初めて後者の湯に入った。
温泉情報
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ほったらかし温泉ABCの湯★★★
山梨市矢坪大沢三1669-18(0553-23-2001)
600円、日の出1時間前〜22:00(受付21:30まで)、年中無休
泉質:アルカリ性単純温泉
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