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磐梯山-日本百名山

磐梯山-日本百名山

えっ!山頂直下で四合目

えっ!山頂直下で四合目

【天の庭から猪苗代湖を望む】

天の庭から猪苗代湖を望む

山行情報
日程 2017年5月27日(土)
山名(山域) 磐梯山(東北
入/下山地 翁島登山口/猪苗代駅
メンバー 単独行
行動時間 6時間10分
歩行
距離
登り
下り
歩数
15.3km 1,189m 1,429m 29,500歩
磐梯山マップ

コース(タイム)

グランドサンピア(08:00)-翁島登山口-(10:22)磐梯山(10:52)-弘法清水-(11:59)赤埴山分岐-土津神社-(14:10)猪苗代駅

 《山概略》
 磐梯とは「天まで届く石の橋」と言う意味らしい。磐梯山は福島県北部にあり、標高は1816.2m。現在の山頂は五合目となっており、五合目以上は1888年(明治21年)の大爆発で吹き飛んだようだ。磐梯山は有史以降何度も爆発を繰り返し、そのたびに湿地や湖が作られている。日本で四番目に大きい猪苗代湖も806年の大爆発で形成されている。
 磐梯山は日本百名山に指定され、別名会津富士、民謡では宝の山、会津磐梯山として親しまれ、多くの登山者で賑わう山である。

 《アプローチ編》
 磐梯山は一度登っているが、鶴ヶ城へ行くついでに登ることにした。登山口は翁島登山口で、前夜は登山口近くのグランドサンピアというリゾートホテルに泊まることにした。駅まで迎えに来てくれるので、電車でアプローチする登山者にとっては好都合である。
 金曜日は年休を取り、朝から出発した。せっかくなので東北本線ではなく、東武鉄道を使うことにした。栗橋駅までは東北本線で、そこから東武日光線、東武鬼怒川線と乗り継ぎ、西若松駅で下車した。この駅はsuicaが使えず、後日わざわざ東武の駅まで出向いて料金を支払うことになった。  西若松駅から鶴ヶ城こと会津若松城へ行き、場内や天守閣を散策、大政奉還150周年記念スタンプをゲットする。城からは会津若松駅まで歩き、途中、とんかつ大将でご当地名物のソースカツ丼を頂く。駅前のコンビニで食料を調達し、磐越西線で猪苗代駅下車する。駅前には予定通りホテルの迎えが待っていて、標高750mのグランドサンピアまで運んでくれる。


ホテルから出発
【ホテルから出発】
   ひと登りすると翁島登山口
【ひと登りすると翁島登山口】

 《磐梯山へ》
 グランドサンピアで朝食を取り、チェックアウトすると登山に取りかかる。ホテルから一歩出ると目の前には磐梯山が見えている、と言っても山頂付近はガスに覆われている。天気予報では雨の心配はなさそうなので山頂を目指す。ホテルの前を右手に少し進むと、左手に階段があるのでそれを登っていく。階段の上はゲレンデのような草原のような場所で、そこを歩くが、草地が濡れていて、足下が濡れるのが気になる。
 草原をひと登りすると、車が何台か駐められた所に出て、ゲレンデは続いているが、その左手の森に登山口らしきものが見えてくる。ゲレンデを歩いても良いのだが、足が濡れるし、ちゃんと登山道を歩きたいので、その登山口の方へ向かっていく。
 森の入口は翁島登山口(扇島ではない。ネットの記録は誤字が散見される)で、登山ポストがあり、注意事項が書かれている。もちろん、熊出没注意の看板もある。立ち止まることなく、登山口から森の中へと入っていく。予想通り登山道の方は歩きやすく、足が濡れることもない。道脇には花が咲いている。よく知っているのはチゴユリだ。

登山道のすぐ左はゲレンデ
【登山道のすぐ左はゲレンデ】
   猪苗代の町は水浸し
【猪苗代の町は水浸し】

 森の中は長くは続かない。一度林道に出て、ゲレンデを横断する砂利道を右の方へ歩いて行くと、右手に登山道が続いている。右に道が続くのはおかしいような気もするが、林道は左の方へ大きく回り込んでいくので、右に行って間違いはない。
 チゴユリやスミレなどを撮りながら進んでいくと左手にロープウエイの駅が見え、そこからの道と合流する。夏場は毎日運行しているようだが、この日は止まっている。道はほぼ直登の登りだが、それほどきついと言うことはない。周囲が開けたところで振り返ると、猪苗代湖が一望できる。湖と磐梯山の間には猪苗代町があるのだが、町全体が水浸しになっているかのように、水面が広がっている。よく見ると水が張られた水田のようだ。水田の間に住宅があるのでまるで洪水にあったような町に見えるのだ。

山頂が見えてくる
【山頂が見えてくる】
   振り返ると急登を登ってきた
【振り返ると急登を登ってきた】

 樹林帯を抜け出て、猪苗代湖方面だけでなく山全体が見えてくる。山頂部分は火山らしく岩が重なったように見える。登ってきた斜面のゲレンデや、隣の猫魔ヶ岳の山容も見えている。ガスが取れてきて日も差すようになってきたが、それはひとときだけで、やがてまたガスで覆われてしまう。
 足場は岩場となり、結構登ってきたと思いきや、ふと岩に書かれた四合目と言う文字に愕然とする。まさかまだ半分も登っていなかったのか。しかしながら、この山の山頂は五合目だと言うことを思い出した。明治の爆発で五合目以上が吹き飛んだのだ。
山頂はガスって眺望見えず
【山頂はガスって眺望見えず】
   賑わう弘法清水小屋の周り
【賑わう弘法清水小屋の周り】

 四合目から更にひと登りすると、青い壁でやたら背の低い岡部小屋の前に出る。そして岩の積み上がった先が磐梯山の山頂(1816m)である。登山道では人と会うことはなかったが、山頂には多くの人が休んでいる。若者が多いようだ。風を避けて東の方へ固まって休んでいる。
 山頂で一休みし、下山に取りかかる。今回のコースは下山の方が距離が長い。猪苗代駅まで歩かなければならないからだ。岡部小屋まで戻り、そこから猪苗代登山口方面へ降りていくことになる。岡部小屋の前にはミヤマキンバイの群落があり黄色い花を咲かせている。小屋の主人としばらく話をしてから下山した。
 猪苗代方面からは続々と登山者が登ってきて、多くの人とすれ違う。こちらの方が一般的なコースのようだ。自分も最初に磐梯山に登ったのもこのコースだった。道なりに下っていくと二軒の山小屋が見えてくる。岡部小屋と弘法清水小屋だ。前者は山頂近くにあった売店小屋と同じ名前である。こちらの岡部小屋の前には弘法清水という水場がある。周りにはまだ雪が残っているので、雪解け水だろうか。

分岐が多い
【分岐が多い】
   櫛ヶ峰
【櫛ヶ峰】

 弘法清水小屋から下っていくと裏磐梯からの道と合流する。このあたりは雪渓を通過する場所もあり、道を見失いがちだ。地図で慎重に道を見極めながら進んでいく。雪渓を抜けて登山道に出れば一安心である。
 火山の山らしい風景が続き、正面に櫛ヶ峰が見えてくる。多少緑は見られるが、木が育たない山だ。左の方は断崖になっている。櫛ヶ峰の手前に川上登山口との分岐があり、そこから右へ降りていく。

雪渓は道迷いに注意
【雪渓は道迷いに注意】
   まだ雪渓が多く残る
【まだ雪渓が多く残る】

 沼ノ平に出る。湖沼が点在し綺麗な場所だ。しばらく平地の道が続く。火山性ガスが噴出する箇所があるので注意しろとの看板があるが、ひたすら道なりに歩いて行くしかない。
 沢を横切るところにはミズバショウやフキノトウが咲いている。ヤマザクラもところどころで咲いており、この日は多くの花を見ることができた。ふと右手を見ると今降りてきた磐梯山の東壁が見えている。白い部分が目立ち、谷にはまだ多くの雪渓が残っているのが分かる。山頂部分はガスがかかっているが、綺麗な光景だ。

猪苗代方面へ
【猪苗代方面へ】
   天の庭だそうです
【天の庭だそうです】

 赤埴山を正面に見て、右手の巻道に進む。ツツジやコブシの花を見ながら細道を進んでいくと、展望が開けて猪苗代湖が見えてくる。天の庭と書かれた道標が立っている。なるほど眺めがよい。相変わらず猪苗代の町は水浸しだ。
 天の庭のすぐ先は猪苗代スキー場のゲレンデとなっている。今度は山道はなく、ゲレンデの上を下っていくことになる。スキーで下るとあっという間だろうが、歩いて下るとやたら長く感じる。ひたすら歩いて下るとスキー場のレストハウスの前に出て、その裏手の道路に降りる。このあたりが猪苗代の登山口だろうが、ここから更に猪苗代駅へと向かう。
ゲレンデの長い下り
【ゲレンデの長い下り】
   猪苗代駅に到着
【猪苗代駅に到着】

 舗装道になっても、まだ磐梯山の山裾のため下りが続く。土津神社(はにつ)の前で小休止する。由緒ありげな神社だが、会津藩初代藩主保科正之を祀っているという。紅葉が見所でもあるようだ。
 土津神社からもう一歩き。町中に入り、車が行き交う道の歩道を歩いてようやく猪苗代駅に到着する。帰りは電車ではなく、駅前からでる新宿行きの高速バスである。出発時間まで時間があるので、道の駅猪苗代まで足を伸ばして、そこでご当地名物ソースカツ丼をいただいた。道の駅は多くの人でごった返し、閑散とした猪苗代駅とは対照的だった。時代は鉄道よりも自動車が求められていることが良く分かる状況だ。腹を満たした後は、再び閑古鳥の鳴く駅へと歩いていった。

《登山道の花》
チゴユリ ■■ ■■
 【1.チゴユリ】
 【2.■■】
 【3.■■】
■■ ミヤマキンバイ ヤマザクラ
 【4.■■】
 【5.ミヤマキンバイ】
 【6.ヤマザクラ】
ミズバショウ ■■ モクレン
 【7.ミズバショウ】
 【8.■■】
 【9.コブシ】

付近の山 安達太良山(2011.04.30)、飯豊山(1994.07.29)、一切経山(2011.05.01)

Camera:CANON EOS M3

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