北海道'97

北海道97

[アプローチ] [大雪山] [斜里岳] [阿寒岳]

姿見の池にうつる旭岳
【姿見の池にうつる旭岳】

 北海道へ行くのは今回で4回目。車で行くのは初めてのことである。今までは18切符を使ってせこく行っていたが、時間ばかりかかって効率的ではない。各JRの合理化のおかげで本数が減り、以前ほどスムーズに乗り継ぎができなくなったからである。今回は車で北海道へ上陸し、気ままに移動することにした。
 その車で上陸のためには航路を使わなければならないが、気になるのは時間と航海の時間である。

区間     所要時間  5m未満料金
東京→釧路  31時間半 \44,100
東京→苫小牧 30時間  \38,850
新潟→小樽  17時間半 \17,950
大洗→苫小牧 20時間  \34,650
仙台→苫小牧 15時間  \32,020
青森→室蘭   7時間  \20,280

 横浜から一番近いのは、東京FTである。しかし30時間の船旅は長すぎるし料金も高い。この表を見ると、新潟→小樽が一番早くて安いことがわかる。この安さという点では破格といってもいいのではなかろうか。横浜から新潟までは高速をとばせば4〜5時間で行けるだろう。(実際は都内の大渋滞、関越トンネル以降国道利用で8時間あまりかかった。)
 フェリーの予約はおよそ50日ほど前に2等寝台を予約し、予約が失効する一週間前に旅行会社でクーポン券を購入した。この往復の日程の夏休みは死守しないと無駄になってしまう。まあ、今の仕事は夏休みが取り消しになることはないので大丈夫だろう。

当日のスケジュール(時間は着時間)
8/ 5横浜(11:00頃発)=環状8号=川越IC=関越自動車道=湯沢IC=新潟FT(23:50発)
8/ 6小樽FT(17:10)=札樽道=道央道=旭川鷹栖IC=大雪山国立公園公営駐車場(23:43)
8/ 7旭岳ロープウエイ(6:00発)=姿見(6:15)−姿見の池−旭岳(7:25/7:50発)−姿見の池−姿見(8:50発)=旭岳ロープウエイ=旭川=国道39=網走=原生花園=斜里=清岳荘(16:50)
8/ 8清岳荘(4:36)−下二股(5:03)−上二股(6:14)−斜里岳山頂(6:56/7:30発)−清岳荘(9:08)=緑清荘=オンネトー野営場
8/ 9オンネトー野営場=雌阿寒温泉(6:15発)−五合目(6:54)−雌阿寒岳山頂(7:34)−四合目(8:14)−雌阿寒温泉(8:40)−国道241号−国道273号−層雲峡−旭川−小樽FT
8/10小樽FT(10:30発)
8/11新潟FT(5:30)=六日町=関越自動車道=練馬−(大渋滞)−横浜(12:00)

 そして当日から・・・
 フェリーは初日は夜に新潟へ着けばいいので、朝はのんびりして昼前に横浜を出発。環状8号の渋滞で遅々として進まず、なんとか関越道にのり、快適に車を走らせる。関越トンネルを抜けたところで、高速を下りる。時間的にかなり余裕があるのと、不当に高い高速料金を払いたくないからだ。湯沢の町はスキーの町のようで、リゾートマンションが立ち並ぶが、この時期はゴーストタウンとなっている。雪のない山肌は木々のかわりにリフトの鉄柱も立ち並ぶ。
 新潟市内に入ると車が混雑してくる。道ばたのコンビニはセーブオンというのが多い。途中そのコンビニで食料を購入。フェリーターミナルまでは標識に従いすすむ。出航4時間前に乗船用の駐車場に到着し、ターミナルで乗船手続き。このとき帰りの分も手続きを行う。
 行きのフェリーは「はまなす」17,305トン、波が穏やかだったためか揺れはほとんどない。エンジンの振動も弱く、とても快適だった。今回フェリーの設備で気になったのが電源の確保だ。今回の旅では携帯端末のリブレットを持ってきている。2等寝室にはなかったが、フォワードサロンにはあった。目立たないように通信を行った(小樽付近)。
 翌6日の小樽到着はほぼ定刻通り。いよいよ愛車による初めての北海道上陸だ。


8/7 大雪山山行記へ

8/8 斜里岳山行記へ

8/9 阿寒岳山行記へ



 帰りのフェリーの出港は阿寒岳を登り終えた次の日の10時だ。まだ24時間あるが、とりあえず、小樽へ向かう道すがら、美瑛か富良野へ寄って綺麗な風景でもみてやろうと考えていた。しかし、車を走らせていると雨が強くなってきた。よくよく降る雨である。これではかの有名な風景を撮るべくもない。とにかく小樽方面へ向かった。層雲峡あたりで雨が小降りになってきたため、旧国道39号の駐車場に車を止め、流星の滝、銀河の滝を見た。なかなか洒落た名前の滝だ。観光客を撮さずに滝だけ撮るのに苦労した。滝が落ちている川は石狩川で、河岸は遊歩道になっている。

【銀河の滝】

 落差120m


【流星の滝】

 落差90m


 小樽には出航15時間前についてしまった。実は小樽でもホテルを探したがどこも満室であった。ホントに満室かどうかは知らないが、宿なしなのでフェリーターミナルの駐車場で夜を明かすしかない。外はいよいよ強く雨が降っている。ニュースによると台風の影響で日本海は荒れ、道内は各地で大雨警報が出ている。フェリーの欠航が心配されたが、その夜に出る便は多少到着時間が遅れる程度だという。さすがは2万トン級の大型フェリーである。フェリーターミナルの中には自転車やバイクの小僧たちが難民のような姿で休んでいる。綺麗なターミナルもさながら新宿の地下道である。新宿の方は排除が進んでいるが、こちらは客かもしれないので、ターミナル側も排除できないでいるのだろう。

【フェリーしらかば】

 1994年就航の日本最大級20,552トンのフェリー。18時間の船旅ではあるが、退屈させない設備が整っている。


 小樽フェリーターミナルには展望露天風呂があり、午前4時から入浴できる。これに一番乗りで入りに行った。受付で乗船券を示せば割引であることに気づいたが、車に忘れてきてしまった。しかし受付のおばさんが気を利かせてくれて、割り引いてくれた(900円→850円)。そのおばさんに5時から開いて客が来るのかと訪ねたら、新潟から4時10分着のフェリーの乗客がどっと来るのだという。展望露天風呂から見る外はまだ夜が明け切れていない。昨夜の豪雨は峠を越し、今は小雨が降っている。のんびり湯に浸かっていて、風呂から上がり、長椅子で休もうとしたら、そこはすでに小僧どもに占領されていた。
 ターミナルの食堂が開くや、朝食を食べ、売店でお土産を買い(たいしたものは売っていなかった)、乗船までの時間を車内でテレビを見て過ごす。

【小樽港を後にして】

 船尾のデッキから離れゆく小樽港が見える。しばらくカモメ(ウミネコかな)がついてきて、放り投げたお菓子を見事にキャッチ。


【高島岬とトド岩】

 五泊六日の北海道滞在の最後を飾る一枚。この岬を左にカーブしていき日本海へと出る。


 車を船内に乗り入れ、サブザックを持って客室へ。出港の頃には雨は上がったので後部デッキ出て、離れゆく小樽を眺めた。小樽後方は依然深い雲に覆われている。売店で枝豆と生ビールを買い、デッキでしばらく飲んでいた。ほろ酔い気分で客室へ戻り、横になっていたが、目がさえてきた。退屈しのぎにビデオシアターに行き、「居酒屋」「エグゼクティブデシジョン」を見た。
 夕食のレストランはメニューも多く、旨かった。経験則からフェリーの飯はまずいと思っていたが、新日本フェリーはそうではなかった。設備、料金ともに満足できるものであった。またいずれ利用したいものだ。
 北海道に残った百名山は、十勝、トムラウシ、幌尻、となった。最低でもあと2回訪れることになるだろう。

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