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羅臼岳−日本百名山
知床を半分縦走 | |||||||||||||||||||||||||||
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コース(タイム)岩尾別温泉(9:15)−羅臼岳−三ツ峰−(12:00)湯の滝
前夜はウトロの民宿に泊まり,朝一のバス(といっても8:55発)で,岩尾別温泉へ。バスの乗客は殆どが湯の滝目当てで,岩尾別温泉で降りたのは,羅臼を目指すであろう4〜5人であった。 【木下小屋】 岩尾別温泉のホテル地の涯の右手を登っていくとすぐに有る。定員40人,露天風呂有り,素泊まり,自炊のみ 9:15,ホテルの右手の道を進むと,真新しい木下小屋がある。この時間は小屋の中に客の気配はない。小屋の前のトイレで用を足し,薄暗い樹林帯の中を登り始める。今朝まで降っていた雨のため,風で木々の葉のしずくがが落ちてくる。 弥三吉水,銀冷水と水場が続く。極楽平であろうちょっとしたスペースに10数人が休憩していて,かなりにぎやかである。これから登るのか下るのかはわからない。水場で一口だけ喉を潤し,やかましいその場を後にする。 樹林帯を抜けると雪渓があらわれ,それを登り切ると羅臼平となる。 【羅臼平】 ■■ 羅臼平に立つやいなや,すごい向かい風である。すっかりガスの中で見えるはずの羅臼岳はまったく見えない。 広場のようなところには30人分ほどのザックが置いており,ピストンで羅臼岳へ向かっているようである。僕も予定通りフル装備のザックはここに置き,用意していたサブザックで羅臼岳への往復をすることにする。 強風のため肌寒いので,雨具の上着を身につけ,サブザックにカメラを入れて頂上を目指す。先ほどのザックの主であろう,ピークハンティングの連中が次々と降りてくる。僕が道を譲り,その大パーティーが通り過ぎるのを強風の中で耐える。 羅臼平らから羅臼岳までは,高山植物の花が多い。 【羅臼岳山頂付近】 ■■ 羅臼岳のピークは岩峰であり,非常に狭い。左右は断崖絶壁で,風の強さは最高潮に達し,両手両足で踏ん張っていないとオホーツク海まで吹き飛ばされそうである。360度の展望であろうが,ガスって見通しは悪い。時々雲の切れ目からオホーツク海が見える。 羅臼平に戻ると,先ほどの大量のザックはすっかり消え,一人の男性が休憩していた。声をかけると,ここか三峰のキャンプサイトで露営するようである。彼の地図で三峰方面のルートを確認し,僕は一足先に露営地へ向かうことにした。 このあたり道標が全くないので,それらしき分岐にたどり着いても果たしてそれが本来の道なのか自信がない。数分進んでから戻りかけると先ほどの男性ともう一人が現れたので,どうやら正しかったようである。再び今通った道を3人で進んでいく。 三峰岳にさしかかる上り坂で急に空腹を感じ,彼らには先に行ってもらい,簡単な昼食にする。 三峰岳と思われるところには標識がないが,ケルンが建っていた。木下ケルンであろう。ピークを下っていくと今日の露営地であるコルが見えてきた。雪渓と何張りかのテントも確認できた。 【三ツ峰の露営地】 ■■ 15:00,露営地につくと今までの強風が嘘のように無くなっていた。というか,くぼんでいるためうまい具合に風を防いでいるようである。先ほどの2人はテントを設営しているところであった。僕も彼らの近くにテントを設営し,しばしくつろいだ。 水場はすぐ横にある雪渓かと思われたが,この先に整地された本来の露営地があり,エンビパイプから出ている水場もしっかりとあった。 夕食を終え,日没とともにシュラフにもぐり込む。テントの中は12度で少しばかり寒い。ラジオのニュースでは,都心の真夏日の暑さを伝えていた。天気予報は晴れると言っているが,全く当てにならない。 3:20,起床。空は明るさを取り戻しつつある。天気は曇りでガスっており眺望は悪い。朝食を取り,早々にテント撤収。この日は硫黄岳経由で一気に湯の滝まで降りていく予定。歩行時間は7時間。できれば13時のバスに乗りたいので早めの行動をとる。 4:50,キャンプサイト出発,周りのテントもすでに起き出している。 最初のピークはサシルイ岳(1564m)であるが,標識がないのでそれが果たしてサシルイ岳なのか定かではないが,ピークの感じから多分そうなのだろう。ケルンあり。 硫黄山までは赤い木柱の標識があと何キロとおよそ200メートルおきに表示されているので,ルートを見失いやすい中でそれだけが頼りとなる。
二ツ池のあたりは湿地帯で足元がぬかるんでいる。このあたりで数組が幕営していた。ガイドブックによると池の水質は悪いらしい。ここはキャンプ指定地にはなっていない。
足場が急にザレになり,東岳との分岐となる。硫黄山方面は火口壁を足場に注意しながらすすむ。途中雪渓が現れ,道を見失う。ガスっていて見通しも悪いので,雪渓の縁を回り込んでルートを探す。 明らかにクマのものと思われる足跡に緊張しつつも,赤い木柱の標識を見つけ,ルートを回復。 岩にペンキで左手が硫黄山,右手が下山と書かれている。とりあえずザックを降ろし,硫黄山へ向かう。岩だらけの急坂を上り,いよいよ険しくなってくるが,ルートがわからない。左手に回り込んだところで,マーキングを発見。もろい岩肌をよじ登って行くが,つかんだ岩がもろくも剥がれる。あと少しで山頂と思われたが,登る度に落石が激しく,下が危険なのでこれ以上の登坂を断念。ザックをおいてきた場所へ引き返す。 またまた,道に迷った。というかそもそもこのあたりのガレに道はない。ガスっていて眺望も効かないのでザックの場所がなかなかわからない。岩の上を軽快に飛びながら10分ほどうろうろしていると,ようやく発見。安堵しつつ余計な体力を消耗したので,軽食を取る。 【硫黄山を後にして】 硫黄山を越え,いよいよ谷を下っていく この先を左手に進む 硫黄のにおいは,久住の山を思い起こさせる。草木のないザレ尾根を進み,硫黄川に向かって降りていく。途中から足場は雪渓とかわり,人の通った形跡はないがかまわずすべりおりていく。ところどころクレバスのような穴がぽっかり空いて下を川が流れている。 雪渓が終わり,水流のない沢を快調に下っていくと,突然通行止めで,左手の樹林の中へ入って行けと矢印が示している。獣道のようなところをやぶこき気味に30分ほど進むと展望が開け,オホーツク海が見えてきた。
再び樹林帯に入るが,今度ははっきりとした道であるため安心である。しばらく歩くと左手にカムイワッカの湯の滝がはるか下の方に見えてきた。今日初めての対向者(何故か外人女性)とすれ違う。 11:40,樹林帯を抜けると目の前に林道が現れる。ここが湯の滝からの登山口らしく,入山届けのポストがある。 さて,ここから左右どちらに行けばいいか標識がないので分からないが,手持ちの地図によると左手に行くようである。人気のない林道をしばらく歩くと,谷を挟んで向こう側の林道に縦列駐車の光景が見えてきた。カムイワッカの湯の滝が近い証拠である。林道を通行止めにしている柵を越えると,そこはもう人人々,湯の滝目当てに全国各地のナンバーの車が止まっている。 山から下りてきて温泉に浸かると最高なのだけど,観光客と一緒に入る気もしないので滝から5分ほどのバス停へと向かう。 おしまい 今回の北海道旅行の全般は「北海道放浪記」に記載。 | |||||||||||||||||||||||||||
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