日本百名山悪沢岳・赤石岳 |
7月の連休を利用して南アルプスへ行くことにした。南アルプスの中でも悪沢岳と赤石岳はアプローチの敷居の高さ(条件付き送迎バスなど世間のうわさ)から、これまで訪れる機会がなかった。しかし、よくよく調べてみたら、それほど敷居の高いものではないことがわかった。ただ、山中の山小屋を最低一泊、宿泊で利用すればいいのであった。
【7月14日(初日)】 会社から帰宅し、前の日にやっておけば良かったパッキングを慌てて行った。急ぐときっと忘れ物をするなと思いつつ、家を出たのは9時くらいとなった。厚木ICから高速に乗るが、睡魔に襲われ足柄SAで仮眠(運転席)。そして、富士川SAで再び仮眠(後ろ座席を倒して横になる)。清水ICを3:55に出場。静岡羽高のコンビニで食料を調達(4:11)、ここは畑薙ダムまでで最後のコンビニだった。 (帰宅してからカメラの時計がかなりずれていたことが判明。10Dが20分、FX9が10分ほど遅れていた。ここの記録上は補正済み) ナビに従い畑薙ダムを目指す。途中、富士見峠あたりで、ダイヤモンド富士が車窓からちらっと見えた。ちょうど富士の山頂から太陽が出ていたのである。これは写真に撮らねばと、富士見峠の駐車場に車を止めて、眺めの良い場所を探した。しかし、富士見峠という割には、林に囲まれ富士が見える場所がない。撮影はあきらめ再び車を走らせた。 畑薙第2ダムを越えてから、東海フォレストの駐車場を探す。右手に最初の駐車場があったが、特に案内板もなかったので通過。ネットに包まれたコンテナが多数置かれていたが、ヘリが上空をヘリが飛んでいたので、物資を山小屋に運んでいるのだろう。 【東海フォレスト駐車場】 ここから椹島までは東海フォレストの送迎バスを利用する。バス乗車の前に「宿泊施設利用券(3,000円)」を購入する。この券は、山小屋の割引券として使用する。帰りの送迎バスは、山小屋の領収書を提示することで乗ることができる。 目指す東海フォレストの駐車場は右手の低い位置に広場があり、車が停まっているのでわかった。見えにくい立て看板で、送迎バスの利用者はここで駐車するように書かれている。車を停めて準備をしていると、まわりの人達が挨拶をする。皆同じバスで椹島まで行き、同じようなコースを歩くのだろうから、仲間みたいなものだ。準備を終え、送迎バスが出る8時まで、また寝ようかとうとうととしていたら上の道にはもうバスが来ているようだ。慌ててバスの方まで行き、宿泊施設利用券を3000円で購入し、バスに乗り込む。事前に調査したところでは、このバスは山小屋利用者のための無料バスで、テント泊の者には利用することができない。しかし、荒川・赤石を登る上でこのバスの利用は不可欠なので、最低でも一泊は山小屋を利用することになる。賛否はあるようだが、山中2泊を山小屋素泊まり(\4600)とテント(\600)とすると\5200必要となる。送迎バスは片道1時間も走っているので、むしろ安い気がする。 バスは24人乗りで、補助席まで使い満席となった。ザックはひざの上に置いているため、ちょっとした拷問状態だ。定刻の8時よりかなり早い、7:15くらいにバスは発車した。椹島まで1時間の我慢だ。 椹島までの専用道路は路面の状態が悪くバスは揺れる。椹島が近くなると、赤石岳の山頂が見えてきた。青空に浮かび上がる山頂は、ずいぶんと高く、遠くにある。 バスは終点の椹島(さわらじま)より少し手前の辻で止まった。終点まで乗るとここまで登り返さないとならないので、ここで下りた方が良さそうだ。24人が皆ここで下りた。千枚岳方面は、このまま林道を真っ直ぐ歩くことになる。周りで準備体操をやっている中で、先に進んだ。 衣食住を詰め込んだザックを背負っての登山は久しぶりである。ザックの重さは10kgあまりだろうが、無事今回の行程をこなせるか不安であった。膝は大丈夫か、早々に足にまめはできやしないか、等々。体力自体は問題なかった。途中、山小屋はあるので、休憩もできるし、食事も求めることができる。いざとなれば停滞はいくらでもできるのである。 林道を少し歩くと滝見橋があり、その手前の左手に千枚岳への登山口がある。入ってすぐにアルミ製の渡しがあり、それを伝っていく。すぐ左手には滝があり、給水が可能。10分ほどで吊り橋に到着。20mほどの吊り橋を渡る。林道に出るので、50mほど右に歩くと再び山への入り口がある。林道を左に行っても登山道と平行して山の上の方まで続いているので、林道を歩いても良さそうな気がする。ともあれ登山コースを進む。 小石下の三角点(1586.4m)を通過する。千枚小屋まで4時間30分とあるが、実際にはその半分ほどしかかかっていない。 再び林道を横切る。この林道は千枚小屋のかなり近いところまで通じているようで、重い荷物にあえぎながら登っていると、ときどきうなりをあげて車が行き交っていた。 清水平の水場に到着。水分補給ついでに小休止。水はとても冷たい。手ですくって飲もうとすると、冷たさで手がしびれてくる。しかしその分水は美味しい。この水場は渡らずに、上の方にルートが続いている。 蕨段の三角点(△2073.2m)を通過。 【見晴台】 樹林帯を抜けてようやく赤石岳の稜線が見えてくる。見晴台は登山道から少し登ったところにあるが、ここまで来ると、わずかな登りでもつらい。 見晴台入口。右手に少し登ると展望が開け、荒川三山と赤石岳が見える。林道のすぐ近くで、少し離れたところにトイレのような小屋があった。このあたりは明治40年から43年まで木材を伐採し、搬出した木馬道が残っているそうだ。里からかなり離れた、深奥のこの地をわざわざ選んで、木を切り出していたとは意外だ。 右手に緑色の駒鳥池が見えてくる。荷物を置いて、湖畔まで見に行っている人もいるようだ。道標は、千枚小屋まで1時間とある。寄り道をしないで真っ直ぐ千枚小屋へ向かった。30分あまりで千枚小屋に到着した。 【千枚小屋】 営業:7月14日〜10月15日、150名収容、1泊2食付(寝具込)7,500円、素泊まり(寝具込)4,500円、テン場:50張、600円 小屋の前のテーブルには、同じ送迎バスに乗ってきた何組かがすでに休んでいる。南アルプス南部に来る者はたいてい健脚揃いである。山小屋利用で荷物が軽いと言うこともあるだろうが、自分より早く到着しているというのも少し悔しい気もする。 小屋で缶コーラを買い(\300)、赤石岳方面を眺めながら一休みする。この日はノルマの山小屋素泊まりにした。二日目の行程が長く、早立ちする必要と、夜雨に降られてテントが重たくなるのを避けたかったためである。 千枚小屋の水場はトイレの前にあり水量豊富。蛇口は押さえていないと出ない。 小屋の前からは富士山が見えるようだが、この日は雲が多く、ときどきその裾野が見える程度だった。
Camera:Panasonic DMC-FX9
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |
ホームに戻る | |