中国見聞録シリーズ上海放浪記2007 |
【準備編】
三年ぶりの上海である。今回は渡辺さんと同行したが、一緒だったのは行き帰りの飛行機と初日のホテルだけで、それ以外は別行動。事実上の一人旅となった。計画では上海の郊外へ主に行くつもりで、蘇州、朱家角、西塘あたりを事前に調べていた。蘇州については陸文夫の『美食家』を読んでは、蘇州料理を食べたくなり、西塘は映画MI-3の舞台になったことからDVDを買って場面を見直しては、長屋前を全力疾走したくなり、朱家角では、紀行番組を見ては放生橋から金魚を放して功徳を積みなくなったりした。 いずれの場所も上海市内から旅遊バスで安く観光できるはずで、全ては無理としてしても少なくとも1カ所は訪れるつもりだった。 航空機とホテルはHISでフリーツアーの安いものを申し込んだ。時期的に9月はあまり安くはなく、四泊五日で78,570円だった。 【初日】 成田発は、JALのJL795便で19:25発。これまで海外旅行をした中でもっとも遅いフライトである。出発が遅くてもその日一日は準備やら移動やらで結局一日つぶれてしまう。海外旅行の出発は早ければ早いほど良いものだ。現地に早く着いたら、それだけ動き回れる時間が多いからである。帰りのフライトも朝早い方が良い。夕方以降の便だと、ホテルをチェックアウトした後、荷物を持ってうろうろしなければならず、不便である。帰国の翌日は仕事に行くことになるので、早めに帰国して家でのんびりするに越したことはないからである。その点格安ツアーの帰国便は朝早いことが多いので、都合が良い。 空港のうどん屋で750円のうどんを食する。750円と言えば50RMB(元)くらいであり、かなり贅沢な食事である、と早くも中国モード。空港内には中国元に両替できる銀行があるが、そこは利用しなくなって久しい。外貨レートが中国国内で両替するより不利だからである。参考のためにいつもレートは調べているのだが、この日の空港内の千葉銀行のレートは17.24円だった。そして、上海浦東発展銀行のレートは16.18円だったので1万円を両替すると約38RMB(640円)の差となる。どちらで替えた方が良いかは歴然である。 夜のフライトなので、窓の外を見ることはなく、座席のモニターで映画「オーシャンズ13」を見る。日本語吹き替えがやけに素人っぽい声だった。 浦東国際空港には、ほぼ定刻と思える21:35に到着。出発ロビーで現地送迎の集合では20人ほどが集まり、二台のバスに分乗して上海市内へと向かった。バスの車内で簡単な説明を受け(ほとんど聞いていない)、ツアー代に込みの、50RMB分の交通カードを受け取る。このカードで、上海のバス、地下鉄、タクシーが乗れるという。カードはかなり使い込んであり、薄汚れている。帰国するときには旅行会社へ返却しなければならないという。紛失すると20RMBの罰金だそうで、何ともリスクの高いカードである。使用できる50RMBはバスや地下鉄ではいくら乗っても使い切れないだろう。タクシーならほぼ3回は乗れる金額である。日本の感覚なら5000円分といったところだ。 【上海飄鷹大酒店】 PIAO YING HOTEL 上海飄鷹大酒店★★★ 上海市乍浦路71号 開業:1994年開業(8階建て),客室数:115,2004年裝修 交差点の角にあるホテルで駐車スペースはないが、ホテルの前にはタクシーやバスが強引に止まっている。 バスは空港から市内には入り、いつものように高架をカーブしながら外灘のメインストリートを下るところで、浦東や外灘の夜景が同時に目に飛び込んでくる。すると6人ほどの学生がその夜景に感嘆の声を上げる。初めての海外旅行で興奮しているようだ。 ホテルは上海飄鷹大酒店で、外灘から比較的近いところにある。チェックインを済ませると、すでに11時を過ぎている。食事に出る時間でもないので、近くのコンビニに買い出しに出た。 ホテルの前の通りは乍浦路といい、ちょっとした歓楽街となっている。怪しげなマッサージ店や飲食店、規模は小さいがコンビニが何軒もある。酒類やつまみのたぐいは簡単に手に入りそうだ。何軒かのコンビニを物色したが、どこも同じような品揃えで、ホテルの前の店に戻り、水とパンを買った。いつもならビールを買いたいところだが、機内で飲み過ぎて少々気分が悪くなっていた。ホテルの前には物乞いがいて、手に持った空き缶をつき出してくる。日本では見られない光景である。 【乍浦路】 ホテルの前は乍浦路。夜はネオン街となる。小さなコンビニは多数あり、100mほど先には「家徳利超市」というスーパーマーケットがある。 (撮影は翌日) 続きCamera:Panasonic DMC-FX9,Canon EOS 10D
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