福建省を訪れるのは四回目である。今回は二つの世界遺産を見るのが目的だった。これまでは単独旅行だったが今回は旅行社のツアーを利用することにした。世界遺産は郊外にあるので、一度に多く訪れることが難しい。その点、旅行会社のツアーは実に効率よく強引にスケジュールが組んであるので都合が良いのである。今回は四日間で福建省内の移動が1500kmほどになる。航空機やバス、夜行列車、徒歩が移動手段となった。

【01月21日】
《厦門到着まで》
　ANAのNH935便は出発が30分遅れた。遅れる理由は決まって朝の出発渋滞である。それほどこの成田空港は国際便が集中している。何度も言っているが、人口900万人の神奈川県には空港が無い。なぜわざわざ東京を突き抜けて成田まで行かなければならないのだろうか。神奈川県に国際空港を誘致してもらいたいものだ。
　30分の出発遅れは到着も30分遅れる。そして折り返しの帰国便も出発が30分遅れることになる。ちなみに今回の旅の帰国便も同じように出発が遅れた。厦門空港までの四時間余りは、機内サービスのビールを飲み、いつも同じような機内食を食べ、映画『あなたは私の婿になる』（サンドラ・ブロック主演）を見て過ごした。

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《厦門観光へ》
　厦門空港に到着し、ツアーの参加者10名が集まる。まずは、夕方出発の武夷山行き航空機のチェックインを済ませてから市内観光に出かけることになる。チェックインで荷物も預け、身軽になる。搭乗時間まで2時間ほどしかないが、マイクロバスに乗り南普陀寺へ向かった。
　空港から南普陀寺まではトンネルが多かった。渋滞の激しい厦門でトンネルは効果的だろうが、ほとんど岩の島なので、それを掘り進むのはたいへんだったのではないだろうか。
　南普陀寺は、以前にも来ているが、今回はガイド付きである。説明をしっかり聞きながら中を巡った。それにしても立派な岩の多い寺である。佛の字のある岩まで歩いて一巡した。南普陀寺は広く、道は裏山の五老峰まで続いているのだが、前々回来たときは一気に山頂まで登っている。
　南普陀寺の隣には閩南佛学院という学校がある。単なる観光の寺ではなく坊さんの教育も行われているようだ。ちなみにすぐ近くに厦門大学もある。

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　岩の斜面にコインを投げ上げ、コインが岩に留まったら運が良いと言うことで、多くの人がコインを投げている。そう簡単にコインは留まらず足もとに落ちてくる。

【南普陀寺】

【大悲殿の菩提樹】

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《武夷山へ》
　とんぼ返りで空港に戻り、武夷山行きのフライトを待つ。航空機はすでに待機しているので遅れることは無さそうだ。予定通りに搭乗が始まり、座席に着くと、機内は満席となった。日本人は我々だけで、ほとんど中国人の乗客だ。 機内では袋に入ったパンとミネラルウォーターが配られた。武夷山空港までは350km程度なので飛んでる時間は40分ほどであっという間である。
　武夷山は雨だった。ここで言う武夷山は武夷山市のことで、県級市の市である。人口は32万人と、中国にしては少ない。場所は福建省の北の外れにあり、同じ福建省の厦門は暖かかったが、こちらは肌寒かった。空港からマイクロバスでまっすぐホテルへ向かった。
　ホテルは地球の歩き方にも載っている四つ星の宝島会展中心大酒店。武夷山を代表する高級ホテルということだが、そうでもなかった。しかし田舎の街のホテルにしては立派なのだろう。ホテルの隣には超市があるので、お土産物などを安く買うのに便利だ。

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【宝島会展中心大酒店】

【武夷山の夕食】

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　夕食はホテルの中のレストランだった。広いレストランの中で客は我々だけで貸し切り状態だ。ちょうどツアーの10人がひとつのテーブルを囲んで初めての食事となった。料理は良くある中華料理のコース。ビールは１本20元で、今回はどこでも同じ料金だった。
　食事を終えると市内を散策した。と言っても雨がぱらついていて、外は街灯も少なく薄暗い。ホテルの近くを見て回っただけだ。このあたりは武夷山の観光基地らしく、土産物屋が多い。今の時期は閑散期なのか、観光客の姿はほとんど見られない。店も閑散としている。見所も無さそうなので早々にホテルへ退却した。ホテルの隣にある超市が一番の見所だったかもしれない。

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