《山概略》
葦毛湿原は愛知県豊橋市にある県指定の天然記念物の湿原である。田中澄江の『花の百名山』にも登場する花の名所でもある。以前、湖西連峰を縦走したときに、ここが入山口となり、通過したことがあった。そのときは冬であったため一面枯れ野原でなんの感慨も無く木道を歩いたものだった。そしていつかこの湿原に花が咲く頃訪れてみたいと思っていたのだった。
《アプローチ編》
その機会は8ヶ月後に訪れた。夏休みの帰省で福岡へ帰ることになり、その途中に立ち寄ることにした。高速1000円が終わり、なるべく一般道を走ることになったのも幸いした。豊橋市内の国道1号線を走っていると葦毛湿原の案内板がある。住宅地を通り抜け、田畑が広がる先の山ふところに葦毛湿原はある。
葦毛湿原の駐車場に着く頃には土砂降りのにわか雨が降っていたが、すでに多くの車が止まっていた。シーズンには駐車場から溢れるほどの車が止まっていると言うが、このときはそのシーズンではないようだ。数分車内で待機していると雨は上がったので、湿原の方へ歩いて行った。
《葦毛湿原へ》
駐車場から葦毛湿原まではそれほど歩いた記憶がなかったのでサンダルで出てきてしまった。しかし、今しがたの雨で地面には水たまりが多く、登山靴に履き替えれば良かったと後悔する。15分ほど林の中を歩いて行くと葦毛湿原の入口で、豊橋自然歩道の案内板もある。また、葦毛湿原の四季の植物の解説もあり、夏に咲く花を確認する。今回はサギソウが見られれば十分だ。
【葦毛湿原入口】
様々な案内板がある。湿原の木道はこのすぐ奥だ。
木道を歩き始めると、冬とは違ってまわりは緑に覆われている。ノリウツギに始まり様々な花が見られた。目指すサギソウは木道から離れた湿地帯に咲いているのが見え、何とか望遠で撮影するものの小さくしか写らなかった。しかし、木道が終わりかかった頃、木道すぐ横に一輪だけ咲いていた。この貴重なサギソウをモデルよろしく何枚も写真を撮った。
《登山道の花》
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【1.ノリウツギ】
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【2.ミズギク】
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【3.サギソウ】
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【4.ミズカキグサ】
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【5.ミミカキグサ】
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葦毛湿原を小一時間で一回りし、明日の
道後山目指して広島へ向かった。