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尾瀬ヶ原-群馬県の山 尾瀬ヶ原-群馬県の山 ニッコウキスゲは宴の後 ニッコウキスゲは宴の後 【アヤメ平から燧ヶ岳を望む】
コース(タイム)鳩待峠(5:51)-中原山-アヤメ平-(12:30)見晴(6:46)-沼尻平-(12:28)一ノ瀬
《山概略》
《アヤメ平へ》 ツアーバスで朝食弁当が配られたので、休憩所のテラスでそれを平らげる。お稲荷と唐揚げの簡単な弁当だ。食べ終わる頃には鳩待峠の人混みも解消している。鳩待峠からは尾瀬ヶ原や至仏山へ向かうコースとともにアヤメ平へ行く道もある。我々は、後者のアヤメ平方面へ行くのだが、そちらに行く登山者はほとんどいない。自分も今回初めて歩くコースとなる。 鳩待峠から小屋の裏手の方へ続く道に入り、階段を登っていく。樹林帯の緩やかな登り道を進むとさっそく木道が現れる。最初は断続的な木道だが、アヤメ平周辺はしっかりと木道が整備されているので、歩く道はほとんど木道となる。木道には東京電力の焼き印が押されている。この木道にはときどき巨大なナメクジが這っている。ダイセンヤマナメクジと言い、木道のキノコを食べているらしい。生きているのはまだ良いが、踏みつぶされたものが多く、それはグロテスクである。木道周辺にはチョウも良く舞っている。チョウ好きな仲間が、それを撮ろうとしばし立ち止まるがなかなか留まってくれない。
樹林帯を抜けて湿原の広場に出ると、標高1860mの横田代である。振り向くと、至仏山が見えている。左の稜線の先にある小山は小至仏山だ。このあたりでは、ワタスゲやゴゼンタチバナ、キンコウカ、ワレモコウなどの花が見られた。木道を進んでいくと、正面に燧ヶ岳の姿も見えてくる。 キンコウカで黄色く染まった原を進み、笹が増えてくると、三等三角点がある。中原山のピークで標高は1968.8m、今回の登山ルートで最高峰である。最高峰と言ってもこのあたりは大湿原で、ほとんど標高差を感じない。休むことなくそのピークは通過する。
木道を進むと周りに池溏が目立ってくる。このあたりがアヤメ平だろう。アヤメ平にアヤメはなく、キンコウカの葉をアヤメと見間違えたため、アヤメ平と呼ばれるようになったらしい。木道周辺ではタテヤマリンドウも見られる。 アヤメ平から富士見峠の方へ立ち寄ってみる。登り返しが面倒かと思ったが、それほど下りきることなく富士見峠に到着する。小屋があるが、閉鎖されているようだ。その小屋の横手にニッコウキスゲが咲いていた。今回尾瀬に来たのはニッコウキスゲを見るためだったがすでに終わった後で、この富士見峠で見たニッコウキスゲが一番の群落だった。
《尾瀨ヶ原へ》 富士見峠から尾瀬ヶ原へ向かいます。若干の登り返しを登りきり、長沢頭と言うところに出る。竜宮まで2.1kの指導標がある。ここからは階段状のけっこう急な下りが続く。樹林帯で眺めはない。長沢の道標を通過。道が平坦になり、木道が現れると、やがて尾瀬ヶ原の広い湿原が広がる。 尾瀬ヶ原は四方を山に囲まれた草原だ。携帯電話の電波も全く入らない。太陽からの紫外線も容赦なく降りかかるが、完全防備で日焼けをしない状態にしている。木堂脇の花にコオニユリやコバギボウシが加わる。この時期は雨が少ないのか、竜宮での竜宮現象は見られなかった。 見晴十字路が近付くと、多くの山小屋が固まって建っているのが見える。今夜のお宿は檜枝岐小屋である。まだ昼過ぎたばかりだが、外は暑いのでさっそくチェックイン。4人で10人部屋一部屋を割り当ててもらった。部屋の中は心地よい風が吹いて気持ちが良い。さっそく昼寝する。 小屋の夕食は、焼魚と山菜、漬け物、ソーメンなど。生ビールを飲むこともできた。尾瀬一帯は携帯を使えないが、小屋の中はなぜか無料wifiが使えるようになっている。パスワードは毎日変えているようで、宿泊客限定が徹底されているようだ。消灯は21時で、ほたるや星空を見ることなく寝入ってしまった。
翌朝、日の出前に小屋を出て散歩する。すでに多くの小屋客が外に出ていて付近を徘徊している。木道を竜宮方面に進み、振り返って日の出を待った。ちょうど燧ヶ岳から日が昇り、薄もやの中、幻想的なシーンだった。 《一ノ瀬へ》 小屋の朝食は6:30から。焼魚やごま豆腐など普通の定食。食後は出発準備をして小屋を出る。小屋の前の温度計は19度だ。都心より10度ほど低く、快適な気候だ。と言っても尾瀨といえども昼にもなると暑くなる。
見晴十字路からは尾瀨沼方面へ進む。しばらく樹林帯の中の木道を歩く。途中、燧ヶ岳への分岐があるが、それを横目に進む。ガレ場を登り、白砂峠を越えると湿原に出る。木道の脇をのぞき込むと、モウセンゴケを見ることができる。 木道を進むと、尾瀨沼のほとりにある沼尻のテラスに到着する。真新しく綺麗な売店小屋だが、以前の小屋は火事で全焼し、それが再建されてこの日が開業一週間目だということだ。小屋の主が、到着客毎に何度も同じ説明をしていた。ご苦労様です。
沼尻のテラスで小休止し、大江湿原に向かう。ニッコウキスゲの大群落が見られるところだ。すでにニッコウキスゲの時期が終わったことは分かっていたが、多少は残っていないかと期待しての移動である。周りの風景を楽しみながら木道を進み、大江湿原に達するも、ニッコウキスゲは転々と咲いているのみだった。昨年はちょうどこの日が大群落のピークだったようだが、今年は1~2週間早かった事を、このあとに訪れるビジターセンターで知った。 大江湿原ではマルバダケブキやミヤマシシウドが咲いていた。このまま大江湿原を奥の方へ行くと、檜枝岐の方へ行く道となるので、適当なところで引き返す。
尾瀨沼の湖畔の所まで戻り、ビジターセンターへ立ち寄る。この中の展示物を見ると、尾瀬の事がたいてい分かってしまうほどの内容で、必見の場所である。ビジターセンターの前からは燧ヶ岳が見えるが、ここからだと三つピークになっているのが分かる。 尾瀨沼山荘にはレストランがあるので、そこで昼食にする(カレーライス・750円)。食後は帰りのバスが迎えに来る大清水へと向かう。
三平峠までは緩やかな登り。樹林帯の中で眺望はない。峠からは長い下りとなる。途中、石清水という水場がある。沢に沿って進み、涼しげな小滝を見ていると、道の広い橋に出る。そこから林道で、間もなく一ノ瀬休憩所に到着する。そこから大清水まで徒歩50分だが、乗り合いタクシーに乗ることになった。 一ノ瀬では休むことなくタクシーに乗り込み10分程度で大清水に到着。迎えのバスを2時間ほど待って、バスは15時に出発。途中お約束のおみやげ屋に立ち寄り、新宿駅に到着したのは20時だった。
Camera:CANON EOS 6D Mark II
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