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大和三山-奈良県

大和三山-奈良県

古都に浮かぶ歴史の山

古都に浮かぶ歴史の山

【香具山から見た畝傍山】

香具山から見た畝傍山

山行情報
日程 2011年12月31日(土)
山名(山域) 大和三山(耳成山、香具山、畝傍山)(近畿
入/下山地 それぞれの駐車場
メンバー 単独行
行動時間 2時間30分(車での移動含む)
歩行
距離
登り
下り
歩数
6.8km 360m 360m 12,154歩
大和三山マップ

コース(タイム)

駐車場(8:06)-耳成山-(8:34)駐車場-車-駐車場(8:47)-香具山-(9:07)駐車場-車-駐車場(9:25)-橿原神宮-(9:56)畝傍山-(10:33)駐車場

 《山概略》
 大和三山は奈良県橿原市にある標高200m足らずの三つの小高い山の総称で、香具山畝傍山(うねびやま)、耳成山(みみなしやま)と名付けられている。香具山は万葉集にも歌われ、天香久山として日本人なら誰でも知っている山の一つである。
 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天香具山
 持統天皇の作であるこの歌は百人一首でも知られている。これを習った中学生?の頃は、香具山がどこにあるかなどと気にもしなかったが、つい最近奈良県の山を調べていたら橿原市にあることが分かった。しかも大和三山を知ったのもこのときで、いずれも標高が低いことから一日で三山登れるのではないかと調べてみると、まさにその通りであった。

 《アプローチ編》
 前日の早朝にマイカーで横浜を出発し、その日は愛知県の宮路山などを歩いた。その後、西に移動し伊賀の道の駅で一泊し、奈良県入りした。奈良市内を南下し、橿原市に入ると、前方に小高い山が見えてきた。どうやらそれが耳成山のようだ。まずはこの山から登ることにした。道路標識に従い耳成山へ向かっていくと、山の外周道路に突き当たり、そのままゆっくり走りながら駐車スペースを探していると、池の南側に駐車場があると記載された看板を見つけた。山の南側にはほぼ正方形の池があるのがナビでも確認でき、そこへ向かった。
 池の南にあるのは無料の耳成山公園駐車場(7:00~19:00)で、朝のこの時間ではがら空きだった。ここに車を駐め、目の前の耳成山へ歩いた。


駐車場からの耳成山
【駐車場からの耳成山】
   燈籠が並ぶ山道
【燈籠が並ぶ山道】

 《耳成山へ》
 池を左手に見ながら耳成山に突き当たると左手に進み、公衆トイレのあるところの登山口へ入っていく。市教育委員会が立てた大和三山の案内板があり、詳しく書かれている。耳成山は死火山で、大和三山の中では最も低いが、円錐形で整った形をしているということだ。

 山口神社と書かれた鳥居をくぐり、燈籠の並ぶ山道を歩く。道は山肌を回り込むように続き、ゆっくり登ることができる。間もなく耳成山口神社に到着する。神社の様式は福岡の香春神社に似ている廻廊付き拝殿だ。拝殿を左の方に進むと金比羅神社の祠があり、その裏手に道が続いている。そこをひと登りすると耳成山の山頂(139m)で、笹藪の中に三角点がある。
 山頂は樹木に覆われ眺望はない。散歩で登ってきた年寄り達が体操をしている。特に休めるような所もなく、休むほど歩いてはいないのだが、そこにしばらく滞在する必要もないので、すぐに降りることにした。大きな山ではないので、登ってきたのとは反対側に降りることにした。

耳成山口神社
【耳成山口神社】
   耳成山山頂
【耳成山山頂】

 山腹の周回道を時計回りに歩き、最初の分岐を左手に降りていった。眺望のない樹林の中を歩いて行くと、すぐに地上に降り立つ。この登山口には井戸のようなものがあり、祠と共に祀られている。
 耳成山の麓の舗装道を右回りに歩いた。左手は住宅地で右側が森となっている。山の周囲を三分の二ほど歩くと、先ほどの池の横の道に出る。池の水は少なく、その向こうには金剛山や葛城山が見えている。駐車場に戻ると行動時間は30分ほどだった。引き続き香具山へ向かった。
 
 《天香久山へ》
 別所町のバス停付近からちょうど正面に香具山を見ることができる。この辺りは住宅地ではなく田んぼが広がっているため見通しが良いのだ。車を駐めて写真を撮ったが、ちょうど登ったばかりの陽が正面にあり逆光となった。
 香具山の駐車場は山の西側にあった。ここのキャパは数台と小さめだが、一番乗りだったので問題はない。隣には綺麗なトイレも用意されていた。

朝日を浴びる香具山
【朝日を浴びる香具山】
   香具山の無料駐車場
【香具山の無料駐車場】

 駐車場の左側の細い道を歩き、山に近づいていった。左右は畑だが、霜が降りて真っ白だ。森の入口が登山口となっていて、先ほどと同じように市教育委員会の説明板がある。香具山は天から降ってきたという伝承が残り、万葉集では天という美称が付けられたようだ。
 説明板のある登山口から山の中に入り、坂をひと登りすると香具山の稜線に出る。左の方が山頂のようなので、左へ歩いて行くと広場のような所に出て、奥に社がある。どうやらこの辺りが香具山の山頂(152m)のようだ。

香具山登山口
【香具山登山口】
   香具山山頂
【香具山山頂】

 広場は樹木に覆われているが、一部だけ左の西側の眺めの良い場所がある。快晴の空の下に、金剛山や葛城山の山なみが連なり、その手前に橿原市の町並みがある。そして大和三山の畝傍山がすそ野を広げて町の中心を占領している。
 社の方へ行くと、国常立神社と書いてある。屋根の下に二つの祠が祀られていた。山頂には誰もおらず、ひっそりとしている。次の畝傍山へ向かうため、来た道を降りた。
 先ほどの説明板のある登山口まで下ると、実はそこからは耳成山が見えていた。この辺りは高い建物がないので、ちょっとした高さから見通しよく眺めが得られるのだろう。駐車場に戻って、この山の行動時間は20分だった。引き続き畝傍山へ向かった。

 《畝傍山へ》
 畝傍山は橿原神宮の駐車場を利用することになる。料金は500円で、出るときに払うことになる。駐車場は広いが、ほとんど車は駐まっていない。明日の初詣客の到来を控え嵐の前のひとときと言うところだろうか。参道の方へ歩いて行くと、そこも露店が建ち並び、来るべき元旦に備えている。

橿原神宮
【橿原神宮】
   登山口は雑木林の中
【登山口は雑木林の中】

 橿原神宮で参拝を済ませ、山の方へ向かって歩きながら入山口を探した。すると、露店がびっしり並んだ一角に、畝傍山登山口と書かれた指導標を見つけた。露店の隙間を通り抜けてその道を進むと東大谷日女命神社があり、その奥に先ほどと同じような教育委員会の説明板が現れる。畝傍山は大和三山の中で一番高く、その麓に初代天皇である神武天皇が宮を開いたということだ。
 登山道は初め山を左に回り込むようにトラバースする。そして畝火山口神社との分岐を右に行き、徐々に坂を登っていく。周りは雑木林で、真夏なら日を遮って涼しそうだ。回廊のような道を遠回りしながら歩いて行くと畝傍山の山頂(198.5m)らしき場所に出る。畝火山口神社跡という碑が立っていて三角点もある。この山頂も四方を樹木に覆われ眺望はない。反対側から登ってきた爺さんに眺めが良いところはないかと尋ねると、西側に少し行ったところに耳成山と香具山を見られるところを教えてもらった。

畝傍山山頂
【畝傍山山頂】
   畝傍山からの香具山
【畝傍山からの香具山】

 三つ目の畝傍山の登頂を果たし、満足したところで東側の尾根を下った。こちらは急な下りで一気に下ってしまう。降り立ったところは公園のようなところで、海軍練習生の慰霊碑がある。公園を抜けると神社の参道で、そこから駐車場の方へ戻った。
 大和三山を全て回って2時間半ほどだった。山の間の移動を歩きにしても、半日もあれば十分な行程だろう。市内には藤原宮跡や本薬師寺跡など、日本の古代史を飾る史跡が多くあり、余裕があればそれらを見て回るのも良かったかもしれない。このあと、九州行きフェリーに乗るため大阪南港へ向かうが、途中河内長野市の風の湯で一風呂浴び、今年一年の山行を締めくくった。

付近の山 三輪山(2008.12.29

立ち寄り湯情報
 
天然温泉 風の湯★★★
場所:大阪府河内長野市上原町15-1(TEL:0721-52-1726)
泉質:単純温泉
料金:500円・時間:11:00~23:00(途中、10分清掃3回有り)
休館:年中無休
食堂:有、露天:有
Camera:NIKON COOLPIX P300

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