|
TOP > 静岡県の山 > 長九郎山
長九郎山-静岡県の山 長九郎山-静岡県の山 登りの少ない伊豆奥地の山 登りの少ない伊豆奥地の山 【植林の細道を行く】
コース(タイム)駐車場-宝蔵院(08:51)-(10:32)長九郎山(10:58)-(12:24)宝蔵院-駐車場
《山概略》
《長九郎山へ》 登山準備をして駐車場を出発する。駐車場入り口のところに富貴野山21世紀の森案内図があるが、この辺の遊歩道が縦横無尽に伸びていて山頂方面の道は分かりにくい。まずは宝蔵院を目指すことにする。駐車場のすぐ前にある車止めを越えて舗装された遊歩道を歩く。右手に小さな神社があり、その先に低い階段があるのが宝蔵院の入り口である。階段を登ると四列にびっしりと地蔵が並んでいる。苔むして緑色になっているのが趣がある。 地蔵の列を通り抜けて正面に宝蔵院の主殿があり、左手には御神木だろうか、巨木が立っている。宝蔵院は大同3年(808年)に弘法大師によって開かれた古刹である。富貴野山宝蔵院と呼ばれ、このあたりは富貴野山(550m)の山頂にあたるようだ。 登山道は宝蔵院の左手に続いている。石段を登ると歴代住職の墓があり、さらに登っていくと植林帯に入る。よく手入れされた植林で等間隔に高く伸びた木々が続く。道は一直線で杉木立の中を貫いている。
植林の道と言えばたいていが急坂であるが、ここでは緩やかな登りである。花粉の時期には歩きたくない道だが、まだこの時期は大丈夫だ。道には途中、指導標やベンチがあるので迷うことはなさそうだ。道は斜面のトラバースとなり、深い谷を回り込んでいく。
植林の中は苔むしたところが多い。間伐で倒された木や、一カ所だけある石垣、岩が集まったところなど色が広がる。光があまり入らず、もちろん眺望もなく、ただ苔の光景が広がる。 道は指導標が充実しているが、分岐は少ない。大沢温泉からの道と合流するところを左に進む。このあたりは道を外れて歩いてしまったが、内野火山を回り込むように歩くと登山道に戻ることができる。
しばらくトラバース道をのんびりと歩くと道が健脚コースと遊歩道に分かれる。遊歩道の方はテープで道がふさがれているようなので、健脚コースの方へ進んだ。本格的な登りはここはから始まる。階段状の道を上っていくと木が伐採された裸地化地帯を通る。ここで初めて見通しが良くなるが靄っていてたいした眺望は得られない。 さらに道を上っていくと林道に出る。ここが八瀬峠で、これまでは植林地帯であったが、ここからは原生林となるようだ。山頂までは約50分と案内板に書かれている。登山道は林道を挟んで目の前に続いている。 八瀬峠からはこれまでとは雰囲気が変わり、様々な樹木の混成林となる。落葉の絨毯はすっかり茶色くなっているが、気持ちよく歩くことができる。しばらく歩くとアマギシャクナゲの群落の中に入る。伊豆半島に自生する固有種ということだ。開花時期は5月くらいだろうか。そうでない時期はこの山を訪れる人は少ないのだろう。
今年は雪が少なく、長九郎山も全く雪がない。山頂近くの斜面にうっすらと白いものが広がっているのが見られたが、登山には全く影響がない。眺望のない森の中を歩き進むと目の前に鉄塔のようなものが見えてくる。そこが長九郎山の山頂(995.7m)で、鉄塔は立派な展望台だった。眺望のないこの山のために、せめて山頂から眺望を楽しんでもらおうと建てられたものだろう。 山頂周辺は京丸シャクナゲやドウダンツツジの群生地で、それらが周囲の眺望を阻んでいる。さっそく展望台の上に登るが、けっこう高い。まわりのどの木々よりも高く作られ、眺望は360度の大展望である。周りは山ばかりで、海に浮かぶ島が見えるが大島だろうか。 展望台の上は風があり、しばらくいると寒くなる。写真を撮ってから下に降り、ベンチで休憩した。周りには誰もいないが、下ろうとしたところで、一人の登山者が登ってきた。そのあとは誰と会うこともなく下山することになる。
下山は登りと同じくらいの時間がかかった。登山道はあまり勾配がなかったことになるが、実際の標高差は900mはあったようだ。標高差を感じさせない楽な山であった。 駐車場の奥の方には展望台があるが、靄っていてちかくの山しか見えなかった。天気が良ければ南アルプスや富士などが見渡せるようだ。 帰りは最近世界遺産に指定された韮山反射炉に立ち寄った。山の奥にあるかと思ったが、意外と街の中にその反射炉があった。まだ周りは駐車場が工事中だったが、ひっきりなしに大型観光バスがやってきて、見学者で賑わっていた。この日は長泉のビジネスホテルで一泊し、翌朝自宅へ帰った。
Camera:CANON EOS 6D
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |
ホームに戻る |