種差海岸-青森県の海岸
種差海岸-青森県の海岸
ウミネコとお花畑と草原と
ウミネコとお花畑と草原と
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○山行情報 | ||||
日程 | 2023年6月30日(金 ) | |||
山名(山域) | 種差海岸(東北) | |||
入/下山地 | 鮫駅/種差海岸駅 | |||
メンバー | 単独行 | |||
行動時間 | 3時間38分 | |||
歩行 | 距離 | 登り | 下り | 歩数 |
10.5km | 62m | 45m | ---歩 |
○コース(タイム)
鮫駅(09:53)-(10:06)蕪島(10:22)-葦毛崎-種差海岸野営場-(13:21)種差海岸駅
《山概略》
種差海岸(たねさしかいがん)は、青森県八戸市にある海岸線で、ウミネコの繁殖地である蕪島神社や岩礁、砂浜、天然の芝生地など多彩な景観を楽しむことができる場所である。明治期より注目された場所で、多くの芸術家がこの地を訪れ作品に残している。三陸復興国立公園内にあり、環境省が「みちのく潮風トレイル」としてトレッキングルートを指定し、八戸市から福島県相馬市までの道が整備されている。
《アプローチ編》
種差海岸は以前もチャレンジしようと八戸へ来ていたが、暴風雪のため中止にしていた。その後、蕪島神社が全焼したため、再訪の計画は延び延びになっていた。そして今回、蕪島神社再建の報を受け訪れることにした。季節は初夏のベストシーズンである。ちょうど、JR東日本の「大人の休日倶楽部パス」の利用時期に合わせて東北の山旅へ向かうことにした。
東京駅6:32発のはやぶさ1号に乗り、八戸駅で八戸線に乗り換える。車両は二両しかなく満員である。今回の旅で、何度か八戸線に乗ったが一度も座ることはできなかった。鮫駅には9:50に到着する。
《種差海岸へ》
種差海岸トレッキングの起点となる種差海岸駅前を出発する。多くのハイカーがここから歩き始めるかと思いきや、自分だけのようだった。それでも蕪島神社を訪れる客はいたようで、駅前の通りを左に少し歩いたところにあるバス停には多くの年寄りが並んでいた。蕪島神社は駅から歩いても10分程度の距離である。バスは遊覧のワンコインバスなのでお得ではある。
バス停を通り過ぎ左に曲がり線路を渡る。角には東北自然歩道の指導標が立っている。今回歩くのも環境省が設定した東北自然歩道の19番「種差海岸とうみねこのみち」である。
海沿いの道を進むと鮫漁港で、漁船が並ぶ奥に小山の上に立つ蕪島神社が見えてくる。島というからには、昔は島だったのだろう、現在は陸続きで島と言う感じはない。蕪島神社は想像よりも大きな神社だった。祠のような小さな神社が焼けたと思ったが、この大きさだとさぞ盛大に燃えたことだろう。ウミネコの方も想像以上にたくさんいて、鳴き声も盛大だ。神社周辺が繁殖地だと言うが、ウミネコの密度は相当高く、そこら中にフンが落ちている。
神社の階段の登り口には傘が用意されているので、念のためその傘を差して神社の階段を上っていった。歩いているすぐ横でウミネコがミャアミャア鳴き、人が近づいても全く動じない。このウミネコは繁殖のために来ているだけで、8月を過ぎると一斉にいなくなるようだ。今回は時期を選んで来たわけではないが、ちょうどよい季節に来たことになる。
神社で参拝し、御朱印をいただく。相変わらず御朱印帳を持ってくるのを忘れたが、ここのは書き置きの御朱印だった。蕪島神社の正面には、蕪島休憩所が有り、エアコンが効いて心地よい。そこで種差海岸のパンフレットを入手することができた。
蕪島神社だけでも八戸まで来た甲斐があったが、トレッキングはまだ始まったばかりである。いつまでもウミネコに囲まれていないで先へ進まなければならない。海沿いの遊歩道を進んだ。蕪島を裏側から見ると島と陸地がつながってトンボロを形成しているのがわかる。そのトンボロの浜辺では多くの園児たちが遊んでいる。
海岸線は浜辺から岩礁地帯となる。道路沿いの歩道を歩くと正面に大きな水色の建物が見えてくる。壁に八戸市水産科学館マリエントと書かれている。市立で入館料も高くないので、時間があれば立ち寄りたいところだが、ここは素通りする。
しばらく舗装道の歩きが続く。道が分かりにくいところもあるが、海側の道を選べば問題ない。車止めがあるところもあるが、そこには指導標が有り、そのまま進めばよい。道は砂地から土道に変わる。通行量調査かなにかの手動のカウンターがある。
ひと気の無い海辺の道を進み、小舟渡という岩礁の海岸線を通過する。周りには緑が増えてきて咲いている花も多い。海岸線にもこれだけのお花畑があるというのも意外だった。花の種類も多いが、この時期はノハナショウブの紫の花が特に多い。
道は車道になり、鮫角灯台が見えてくる。その先に葦毛崎展望台が海に突き出ている。砦のような展望台で周りの景色も素晴らしい。戦時中、監視用に作られたようだが、センスのよい作りだ。
葦毛崎展望台からは整備された緑の遊歩道となり、眺望の良さは種差海岸の真骨頂だ。夏の暑さも忘れ潮風に当たりながら道を進む。入り江となった中須賀を過ぎ、大須賀海岸を進む。女子学生が合宿できているのだろうか、浜辺でたくさんの学生が並んで座っている。
道は再び舗装道となり、車両進入禁止のゲートがある白浜漁港の中へ入っていく。岩礁地帯となり、巨岩の中を縫うように道が続く。名前のついている岩も多い。中でも白岩は丸い巨岩で、ウミネコの糞で白くなっている。
淀の松原を通り抜けると、いよいよ天然芝生地である。一面の緑の草原が広がる。芝生は海辺近くまで生えるものなのだろうか、滅多に見ることのない光景である。このあたりはキャンプ場になっているのか、ひとつのテントが緑の中にぽつんと立っていた。しかしこのあたりにひと気は無い。
芝生帯を突っ切り、車道の方へ上がっていく。アスファルトの照り返しで車道歩きは暑さもひとしおである。ふと、現在地をチェックすると、目当ての昼食場所である波光食堂を通り過ぎていた。道を引き返し、駅前集落へ向かった。駅に向かって上り坂になっている道の左手にその店はあった。店はなかなか繁盛していて、少し待ってから席に案内される。今回は大奮発して生うに丼とミニ磯ラーメンのセットを頂く。
昼食を終え、店の外に出るともう歩く気がしなくなった。近くの種差海岸駅をゴールとした。次の電車まで40分ほど時間があるので、駅前にある、吉田初三郎邸宅跡へ立ち寄った。吉田初三郎は「大正の安藤広重」とも呼ばれる鳥観図絵師である。京都生まれで全国各地の観光案内図を作成している。この種差海岸を訪れたときに風光明媚なこの地を絶賛し、潮観荘を建て移り住んでいる。吉田の描いた八戸市鳥観図(1937年)を見ると、蕪島は島になっていて本土とは橋でつながっている。
種差海岸駅は無人駅で。時折駅前にバスがやってくるが乗降客はほとんどいない。しかし電車到着5分前になるとどこからともなく人が集まり、単線のホームは人であふれる。到着した電車は相変わらず2両で満員であった。
この日は本八戸駅前にあるホテルに泊まり、翌日は秋田駒ケ岳に行くことになる。
《登山道の花》 | ||
【1.ノハナショウブ】 |
【2.ニッコウキスゲ】 |
【3.スカシユリ】 |
【4.アサツキ】 |
【5.エゾフウロ】 |
【6.ハマナス】 |
【4.キリンソウ】 |
【5.メマツヨイグサ】 |
【6.ツリガネニンジン】 |
○今夜の宿 | |
ホテルルートイン本八戸駅前★★★★ | |
場所:青森県八戸市内丸1-51-16 | |
TEL:0178-71-2511 | |
料金:5,460円(旅行支援適用) | |
大浴場:有り | |
その他:朝食付き、珈琲自由 |