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二岐山−日本三百名山

二岐山−日本三百名山

ブナ平を越えて男岳・女岳へ

ブナ平を越えて男岳・女岳へ

【男岳から女岳へ向かう】

男岳から女岳へ向かう

山行情報
日程 2011年05月02日(月)
山名(山域) 二岐山(上信越周辺
入/下山地 二岐温泉
メンバー 大山、福島
行動時間 6時間40分
歩行
距離
登り
下り
歩数
13.9km 1,152m 1,152m 24,464歩
二岐山マップ

コース(タイム)

二岐温泉登山口(7:34)-御鍋神社-(11:31)男岳-(12:07)女岳-(14:10)二俣温泉登山口

 《山概略》
 かつてひとつの山だったこの山を巨人が跨ごうとしたところ、一物が山にぶつかり二またになったという。とかく山には大男伝説がつきものだが、この二岐山も多分に漏れない。二つの丸い山頂をもつこの山は別名で乳房山とも呼ばれるが、南会津と岩瀬の二郡にまたがることから二岐山と呼ばれるようになったという。

 《アプローチ編》
 前夜泊まった裏磐梯国民宿舎を朝食抜きで6時前に出発。渋滞とは無縁の地方の道を快適に飛ばし、山あいの二岐温泉の集落に到達する。この辺りは土地が狭く、温泉宿の駐車場ばかりで公共の駐車場は無さそうだ。温泉街を抜けて二俣川を渡り、少し進むと御鍋林道の入口に10台ほど駐められそうな駐車スペースがあるので、そこに車を駐めた。


二岐温泉奥の駐車スペース
【二岐温泉奥の駐車スペース】
   御鍋林道を歩く
【御鍋林道を歩く】

 《御鍋神社へ》
 駐車スペースから登山口までは二岐山を回り込むようにしてしばらく御鍋林道を歩くことになる。今回は周回コースを歩くので、林道の先に車を駐めても歩く距離は同じである。林道は二俣川に沿って続く。道路脇には大量のフキノトウが顔を出している。これだけ山菜が豊富なのに、これまでの二泊ではフキノトウの天ぷらは出てこなかった。
 御鍋神社近くの林道は落石が多く車で来るのは困難なようだった。しかし、大きな駐車場があるので登山シーズンには整備され多くの登山者が訪れるのだろう。駐車場の先の左手に御鍋神社の入口があるので立ち寄ってみる。川の方へ少し下っていくと、小屋が建っていて、それが御鍋神社のようだ。大きな鍋が軒先の屋根の下にぶら下がっている。
 神社のすぐ前には二本の巨木が立っているが樹齢520年のサワラであるらしい。神社の方があとから再建されたのだろうが、神社の正面を塞ぐようにこの二本のサワラが立ちはだかっている。

御鍋神社
【御鍋神社】
   二岐山登山口
【二岐山登山口】


 《二岐山へ》
   御鍋神社から御鍋林道に戻り、少し進むと右手に二岐山の登山口がある。登山口から一歩中にはいるとすぐに急坂で、しかも倒木が多く枝をかき分けながら道無き道を進むことになる。倒木地帯はすぐに終わり、八丁坂と書かれた道標を見る。男岳まで2050mとある。
 登山道に雪はちらほら見かけるが、雪山と言うほどではなく、緑の樹林帯を歩いて行く。大山さんがあすなろの木だと言うと、しばらくしてあすなろ坂の道標が現れる。周りは檜に似たあすなろの大木で囲まれている。子供の頃『あすなろ物語』を読んだが、その内容をすっかり思い出せない。後日読み直したが、この物語の時代の学生達はよく勉強し、明日は檜になろうとよく努力したものだ。

八丁坂
【八丁坂】
   ブナ平から男岳へ
【ブナ平から男岳へ】

 樹相がブナに変わる頃には緩やかな道のブナ平となる。目の前には男岳の丸い山頂が見えてくる。ブナ平は残雪が10cm以上が残る雪原である。登山道は分からなくなり、踏み跡もほとんどないので、枝に付いた赤テープを頼りに進んでいくが、やがてそれも見失ってしまう。しかし目の前に山頂は見えているので、それに向かっていけばいいはずだ。GPSでも道を確認しながら再び急坂に取り付くと、藪に突入し明らかに登山道ではないところを歩いている。しかし、GPSでは登山道の真上を歩いている。あとからガイドブックなどを読み直して分かったのだが、地図上の登山道はウソで一部分だけ左側に回り込んで道ができていたようだ。このときは雪原まで後退し、赤テープを探して登り直した。
 道に迷って30分ほど時間をロスしただろうか。男岳坂という道標を見つけてひとまずホッとする。GPSで位置を確認すると先ほど行き詰まったところと十メートルも離れていなかった。急坂は続き西の尾根を登ると山頂に到着する。

男岳坂
【男岳坂】
   男岳山頂
【男岳山頂】

 男岳の山頂(1544.3m)は樹木もなく見晴らしが良い。県内の全ての山が見えるということだが、この日は雲が多くあまり遠くは見えない。西の方へ少し行くと隣の女岳が見える。その麓では何台もの風力発電のタービンが強い風に吹かれて回っているのが見える。しばらく休憩して女岳へ向かった。

女岳へ向かう
【女岳へ向かう】
   女岳との鞍部
【女岳との鞍部】

 男岳から女岳にかけては雪が多く、道はない。しかしブナ林で藪はないので目の前の女岳に向かって歩いて行く。登り返しはそれほど急でもなく間もなく山頂に到着する。男岳より40m程低いが山頂を示す道標は雪に埋もれているのか確認できなかった。奥の方にあすなろの記念樹(二岐山の会のプレートあり)がある。

あすなろの記念樹
【あすなろの記念樹】
   女岳の下りは地獄坂
【女岳の下りは地獄坂】

 女岳から北東尾根の下りは地獄坂となっている。急な下り斜面でロープがあるようだが雪に埋もれてそれらは使えない。木の幹につかまりながら急斜面を慎重に下った。
 地獄坂を過ぎるとゲレンデのような斜面が続き、雪もまばらなブナ林となる。赤ペンキに従って歩いていたが、再びそれを見失い笹ヤブの中に突入する。しばらく笹藪の中を迷走し、何とか林道に出ることができた。予定していた岩山分岐より少し手前だったようだ。タービンが回る音が近くに聞こえる。
 ふきのとうが咲く林道で休憩していると、二台の軽トラが通過していった。来た方の林道は行き止まりのはずだ。そういえば今回の二岐山では他に誰と会うこともなかった。地元では有名な山であるはずなのだが、あまり人気がないのだろうか。

急坂を下る
【急坂を下る】
   不明瞭な道に迷い込む
【不明瞭な道に迷い込む】

 林道を二岐温泉へ歩いていると、宇都宮ナンバーの軽トラが近づいてきて中の男性が我々に話しかけてきた。明日グループで二岐山を登るらしく、殊勝なことにその偵察に来たようだ。登山道の様子などを伝えると、奥の方へ走り去った。
 引き続き林道を歩いていると、右手の方に二岐山登山道と書かれた指導標があり、道が女岳の方へ続いているようだ。GPSや25000地図にはない道である。新しい道なのだろうか、事前には知り得ない情報である。
 先ほどの宇都宮ナンバーの車が戻ってきて、情報提供のお礼だと言って我々を二岐温泉奥の駐車スペースまで送ってくれた。歩くと1時間近くかかる道のりだったが、あっという間に駐車場に帰還した。

 今夜の宿は大内宿である。途中、湯野上温泉に立ち寄り、川辺の民宿温泉に入った。

大内宿 【大内宿】

 大内宿は福島県下郷町ある。江戸時代に会津西街道(下野街道)の宿場として栄えた町である。当時の町並みを再現し、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。


付近の山 那須岳(2004.02.28)、磐梯山(1999.08.28)、七ヶ岳(2011.05.03)、
安達太良山(2011.04.30 )

立ち寄り湯情報
 
湯けむり民宿 会津野★★★
場所:福島県南会津郡下郷町大字湯野上字寄上乙1346-1
(TEL: 0241-68-2822 )
泉質:単純温泉(アルカリ性単純温泉)、源泉:54.2度
料金:500円・時間:15:00〜20:00
この日露天は利用不可
Camera:NIKON COOLPIX P300

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