■■三日目■■
【北京動物園へ】
中国の都市へフリーで訪れる際には動物園に行くことにしている。これまで中国の動物園は、上海・大連・広州と訪れている。いずれの動物園もパンダは一匹ずつしかおらず、中国でもパンダは貴重であることがわかる。それでは首都北京の動物園はどうだろうか、今回の北京行きで動物園訪問でぜひとも確認したかった。
パンダは朝行動して昼からは寝ているという習性があるため、開園と同時に動物園にはいることにした。
ホテルの朝食は7時からだったので、それを食べ終わるやホテルを飛び出す。天壇東門駅から地下鉄に乗り、崇文門で二号線に乗り換える。西直門駅で降りて地上に向かうが、長い迷路のような通路が続きなかなか外に出られない。それにやけに学生の姿が多い。北京西駅の近くでもあるので。そっちに向かっているのだろうか。
地上に出てからはGPSに従い東に向かって歩く。幹線道路沿いの歩道を歩いていると、反対側にイトーヨーカドーが見える。陸橋があり、眺めが良さそうだったので、寄り道して写真を撮った。再び西に向かって歩いていると、右手に立派な建物が見えてくる。展覧城とあるが、なにを展覧しているのだろうか。
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▲北京動物園入口
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北京動物園の入場門は意外と目立たない作りで、ボケっと歩いていると通り過ぎてしまいそうな場所にあった。
この動物園は、パンダを見るために入場料とは別に特別料金が必要となる。動物園の入場券にはパンダ観覧券付きのものとそうでないものがあり、その差は5元。パンダ観覧券付きでないもので入場しても、パンダ舎に入る際に5元の入場券を追加で買えばパンダを見ることができる。もちろんバラで買うのはめんどくさいので、パンダ観覧権付きのチケットを15元で買っておく。
動物園ではパンダ以外の動物を見る気はまったくなく、入場するや真っ先にパンダエリアのほうへ進んだ。パンダエリアに入る際に再びチケットを提示する。
入ってすぐ正面にパンダ舎があるが、その右手に遊歩道が続いている。まずは外から見て回ろうと歩いていくといきなりパンダがいた。寝ていないパンダを見るのは久しぶりだ。そのパンダはパンダ舎に入りたそうに閉じられたドアの前でうろうろとしている。あまり写真にならない光景だったので、先に進むと別の場所でどっかと腰をおろしたパンダが夢中に笹を食べていた。こちらのほうが絵になる光景で写真を撮りまくる。
【室外のパンダ】
動物園のパンダはいつも寝ているが、朝活動するという。朝イチでパンダを見に行くとひたすら笹を食べている姿が見られた。
【室内のパンダ】
北京動物園には少なくとも6頭のパンダがいた。室内のパンダははじめ笹を食べていたが、やがて午睡に入った。ガラス壁側にもたれて寝ているパンダを人民が写真を撮りまくっていた。
順路に沿ってパンダ舎の中に入ってみると、こちらのパンダもせっせと笹を食べている。まさにパンダは食うか寝ることしかしないようだ。室内のパンダはガラスのすぐ近くでポーズを取ったり、こちらに向かって眠り込んだり、なかなかサービス精神が旺盛だ。しかし、パンダが寝始めて動かなくなると、人民はガラスを激しくたたき始め、パンダを起こそうとしている。
パンダは外に3匹、パンダ舎の中に少なくとも3匹はいた。合計6匹以上いたことになる。さすが大中国北京の動物園である。パンダ見学者には人民以外には欧米の観光客集団や日本人の夫婦(駐在員だろうか)も見られた。
【西単へ】
動物園を出て西直門駅に戻り、地下鉄で西単へ移動した。西単は繁華街で若者の街として知られるが、目的は本屋である。以前も来たことがあり、たぶん北京で一番大きい本屋である。DVDコーナーへ行き、日本映画の中国版と日本の俳優が主演している中国映画のDVDを購入した。中国のDVDは日本とは映像規格が違うものもあり、テレビで再生できないことが多いが、パソコンで再生することはできる。
【牛街へ】
西単からは歩いて牛街へ足を伸ばし、超市の二階にある食堂で昼食を取った。北京のB級小吃で、面茶、奶油炸糕、それと名前の分からない牛肉を薄くのばしたものを生地で挟んだものを食べた。
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【牛街レストラン】
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【中国風ハンバーガー?】
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【面茶】
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【秀水へ】
牛街からバスに乗り王府井へ。北京のバスはICカードを使うと、0.4元らしい。ほとんどの利用者はICカードを使っているが、現金だと1元必要だ。ずいぶんな差だである。しかしオリンピックが始まると、このICカードシステムは廃止になり、別のICカードに変わるらしい。料金のICカード割引も変わり、現金と同じ金額が引き落とされることになるようだ。
王府井では、いつも訪れている景徳鎮の専門店へ行った。一見高級そうな壺などを置いている店だが、奥の方に行くと家庭で使うような皿も売っている。今回も景徳鎮のホタル模様の皿を買おうと思ったが、良さそうなのがなかったので見るだけで終わった。
続いて地下鉄に乗り、秀水のショッピング街を散策。狭い通路を挟んでテーマごとに様々な店が並んでいる。客も欧米系の外国人が多く、売り子も英語で必死に客を呼び込んでいる。ここも見るだけで通り過ぎる。
近くに日本大使館があるところだったので、歩いて見学することにした。運が良ければ脱北者が逃げ込むところを目撃できるかもしれない(わけないか)。大使館街は各国の大使館だけが固まって集まった場所で、道を歩いていると左右に様々な国の大使館が現れる。周囲は行き交う人や車は少なくひっそりとしている。そして各大使館の門前には公安が立っていて、けっこう鋭い視線で左右に目を配っている。
米国大使館の前を左折すると右手に日本大使館がある。大きめの門構えで建物は立派だ。写真を撮りたかったが、以前瀋陽をツアー旅行したときの事を思い出した。乗っているバスが日本領事館前にさしかかったとき、現地ガイドが領事館の写真は撮らないでくださいと言っていたのである。例の脱北者進入事件の後だったこともあり、観光客でも領事館の写真を撮ると公安から事情聴取を受けることがある(あった?)というのである。というわけで、異国で余計なトラブルを避けるためにここ北京でも写真を撮ることを控えた。
【北京駅へ】
大使館街から北京駅へ歩いた。途中、ニューオータニ系の長富宮飯店がある。高級ホテルで今回自分が泊まっているホテルの10倍以上の料金だ。建国門外大街から建国門南大街へ曲がり、陸橋を越えると明の時代の城壁が残っている。以前来た古観象台もこのあたりにあるはずだ。
【北京駅】
日本大使館をひと目見てから北京駅へ歩いていった。駅前広場では多くの人民が移動したり、たむろしたりしている。駅入り口の売店で時刻表を買った。今後中国の鉄道に乗ることはあるのだろうか。
北京駅が近づくにつれ、周囲に人の姿が増えてくる。それも労働者風の姿が多い。陸橋の上から北京駅の駅舎が見えてきて、駅前広場では多くの人が行き交っている。
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▲天壇東路
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駅前の売店で時刻表を買った。日本のように分厚い時刻表はなく一番大きいものでもA5サイズだった。日本ほどたくさんの列車が運行されていないのだろう。売店の裏には到着列車の案内板があり、徳州、丹東、天津、済南、合肥、哈爾浜といった都市から到着しているのが分かる。
天壇公園付近までバスで戻り、天壇東路を南にあるいたところにある小さい食堂で食事。羊肉串等を食べた。この日はこれでおしまい。
この日の歩数:25,421歩