上海放浪2002


[2001年版]上海放浪記



【ホテルの部屋からの眺め】

 上海二日目、朝7時に起床。早速、ホテル14階からの眺めを確認した。このホテルは両脇にマンションがそびえるトリプルタワーで、上海商城とも言われる。そのマンションの間の風景が見えるが、朝もやだか排ガスだかで霞んでいる。前回泊まった花園飯店がけっこう近くに見えた。
 ホテルの朝食はツアー料金に含まれており、バイキング形式となる。初日のこの日は珍しくもあり、なるべく多くの種類を腹一杯食べたが、次の日に同じメニューであることが分かった。
 昼間は上海市内見学ツアーとなる。内容は、外灘・豫園・南京路と前回行ったところと同じであったため、別に参加しなくても良かったのだが、昼食と夕食も付いているので参加することにした。(後に参加費しなくても良かったと後悔)
 ホテルに横付けされたバスに乗って一路外灘へ。外灘の駐車場から添乗員さんを先頭にぞろぞろと外灘を歩く。添乗員さんはミニ拡声器を取りだし説明をしているが良く聞こえない。まわりを見ると同じような日本人観光客の集団がいくつも来ている。外灘は横浜の山下公園のようなものだが、違うのは対岸に高層ビル群があるのと、こちら側は道をはさんで租界時代の古い建築物があると言うことだ(だいぶ違う..)。遊歩道には売店があり、良く聞くと日本語で客引きをしている。やはり日本人はカモなのだろう。売店の売れ筋は「マッチ」らしく(不思議なマッチで何度も着けたり消したりすることができる)、マッチマッチと言いながら実演販売している。シュイさんは試しに一個買うつもりであったようだが、売り子からお釣りが無いだの2個目は安くするなど言われて結局5個ほど買っていた。こんな大量のマッチを帰りの飛行機に持ち込めるのだろうか。

【外灘】



 遊歩道の散策の後に連れて行かれたのがお茶屋さん。その名も茶香園。テーブルに座らされお茶を振る舞われる。熱心にお茶の説明をするのはジャッキーチェン似の店員。上手な日本語で話すところから、この店が日本人相手のちょっとお高いところと分かる。何種類ものお茶を飲み、それぞれの効能を聞き終えるや、おばちゃん達は数百元もだしてそれらのお茶を苦もなく買いあさる。
 次に向かうは豫園。正月飾りのため昨年来たときよりも派手さに磨きがかかっている。人もかなり多い。九曲橋は人の間を縫って進む。庭園の中も観光客でごった返し、あちこちでそれぞれのガイドさんが説明している。聞けばほとんど日本語だ。この庭園は年間数千万人も訪れるそうだ。それって東京ディズニーランドより多いんじゃないの。
 昼食は緑波廊で小龍包食べ放題。その小龍包が登場するまでに何種類もの料理がでて、すでに満腹気味。ひととおり食べるのが精一杯。同じテーブルのおばちゃんが、店員の小姐に酢をくれと訴えている。もちろん小姐は日本語を解せない。しばらくして持ってきたのはコーラだった。どうして”すー”がコーラになるのだろう。ちなみに酢は”つー”と言えば通じたと..思う。中国の酢は黒酢で、ちゃんとテーブルの上には置いてあった。

【豫園】



 豫園を出てバスに乗り込もうとしたら、時計売りがやってきた。そう言えばいつもは携帯電話を時計代わりにしていたため、ちょうど時計に不自由していたところだ。100元出して買った。その時計の文字盤にはROLEXと書いてあった。
 バスは南京路へ。にぎやかな歩行者天国で1時間ほど自由時間になった。様々なショップが並んでいるが、どの店も年末大バーゲンみたいなことをやっているようで盛況だ。 通りを無軌道の電車のようなものが人波を蹴ちらせながら走っている。南京路の東西を結ぶ、その名も「南京路歩行街観光遊覧車」。シェイさんがどうしてもこれに乗りたいと言うものだから、出発待ちで停まっているこの車に乗り込んだ。しばらくすると小姐が料金を回収に来た(2元)。ある程度客が乗り込むと車は発車。歩くよりは若干早い程度だ。数百メートル走っておしまい。
 観光バスにツアー客が戻り、最後に連れて行かれたのがシルクセンターなるところ。日本語担当らしい怪しい店員にシルクができるまでの行程をひととおり口早に説明され、「ふぁっしょんしょーへ」と言いながら小部屋へと連れて行かれる。中にはステージがあり、本当にファッションショーが行われるようだ。そして我々が着席するや音楽とともにシルクを身にまとった女性が登場する。入れ替わり立ち替わり6人ほどの女性だろうか、スタイルも良く美人ばかりだ。シェイさんは口をあんぐりと開けて眺めている。10分ほど目の保養の後は、お約束の販売コーナーへ。おばちゃん達はここでも様々なシルク製品を手に取り、金をばらまいている。シルク製品の相場がどんなものかは分からないが、ここでは日本で買うより遙かに安いのだろう。しかしながら日本人観光客相手なので本来の安さではないだろう。シルクの布団が気になったが、暖かいのだろうか。
 ツアー一行はいったんホテルへ戻り、一時間ちょっと休憩。再びバスに乗って夕食へ。どこへ連れて行かれるかと思ったが、豫園の中華料理屋、上海紫綿城レストランだった。ここでも別注文で青島ビールを飲みながら次々と出てくる料理を平らげる。そしていよいよメインの上海蟹が出てきてパクつくが、うまくない。これがあの有名な上海蟹の味だろうか?きっと季節はずれだからだろう。また、安いツアーなので最低ランクの蟹かもしれない。この味では納得できないので、蟹が旬の秋にまた来てチャレンジしてみたい。
 食後は再び土産物屋でフリータイム。ほろ酔い気分で見て回る。ここでは景徳鎮の茶器セット(青磁)を購入。安くしての一言で、160元が130元になった。
 充実の一日が終わりホテルに戻ると、外では散発的に爆竹が鳴りはじめていた。その音にもめげずに寝ていると、その音は時間とともに大きく連続的になってくる。音がピークに達したと思われる時についに起き出し時計を見ると、11時50分ほどだった。あと10分で年明けだ。窓の外を見ると爆竹の硝煙とともに打ち上げ花火も上がっていることが分かる。それも一カ所からではなく、見渡す限り、右から左まで各所から上がっている。窓を開けると音はすさまじく、まるで空爆を受けているようだ。以前、米軍がイラクを空爆した映像があったが、あれに音を付けるとまさにこの感じだろう。日本の年明けは「ゆく年くる年」を見ながら除夜の鐘を聞くような、実に地味なものだが、ここ中国はさにあらん。花火や爆竹の爆音とともに華々しく年が明ける。いったいこの一夜で何トンの火薬が消費されるのだろうか。国民一人あたり10gとして、10g×12億人=12,000,000,000g=12,000tonといういい加減な計算で感嘆してしまう。
 シェイさんの誘いでホテルのバーに飲みに行く。エレベーターで一緒になった日本人も花火に驚いた様子で、一緒に飲みに行くことになった。小一時間ほど飲みながらくだを巻かれていると、閉店となった。チェックをすませると店員はさっさと帰っていき、我々は追い出されるわけでもなく取り残された形になった。テーブルの上にはもはや何もなく、我々も部屋に戻って寝ることにした。

Camera:CANON Power Shot S10

続く



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