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球島山-しま山100選

球島山-しま山100選

北の島には紅葉の訪れ

北の島には紅葉の訪れ

【球島山頂】

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○山行情報
日程 2024年10月27日(日)
山名(山域) 球島山(北海道
入/下山地 宮津
メンバー 単独行
行動時間 1時間46分
歩行 距離登り下り歩数
8.9km160m355m---歩

球島山マップ

○しま情報
所在 北海道奥尻郡奥尻町(奥尻島)
情報 面積周囲人口標高
143K㎡84km2,358人584m

○コース(タイム)

宮津(15:22)-(16:02)球島山-(17:20)宮津

 《山概略》
 球島山は北海道奥尻町の北部にある標高369mの山。山頂からは360度の大パノラマを眺めることができる。山頂近くまで車道が延びているので、気軽に登ることが出来き、しま山100選に選ばれている。
 奥尻島は北海道内離島では利尻島に次ぐ2番目に大きな島で、全国では14番目。八丈島の約2倍の広さがある。最高峰は球島山では無く、島中央の神威山(584m)であるが、自衛隊の基地の中にあるため、訪問には手続きが必要である。
 奥尻島はブナ林が中心で、山の保水力が高いため水が豊富で北海道内の離島では唯一稲作を営むことができる島である。

 《アプローチ編》
 奥尻島訪問はかねてからの懸案だった。数年に一度行う北海道山行の計画をしても奥尻島の宿だけはいつも取れなかった。目的は球島山を登るだけだったので、日帰りで行くことも可能だと最近知ったが、それは夏の期間にフェリーが2往復しているときだけだった。シーズンを過ぎるとフェリーは一日1往復しか無く、しかも夕方着の朝出発なのである。日帰りは不可能で、一泊しても明るい時間に島にいる時間は数時間しか無い。今回、宿が奇跡的に取れたので、この短い時間で奥尻島へ行くことにした。
 金曜日の夕方横浜を出発し、新潟港から苫小牧行きの船に乗る。翌夕方に苫小牧に着き、道の駅いわないまで移動して車中泊する。相変わらず北海道の道の駅は夜中でも満車である。未明に起き出し、江差港へ向かう。船が出るのは13時で2時間前には着いたので、近くの開陽丸記念館を見学して時間を潰す。
 車は、港の駐車場に駐めてフェリーに乗る。この駐車場も満車でかろうじて空いていた場所に駐めることが出来た。港の駐車場(特に無料)はたいてい満車なのだが、どうやら島民が車を置いているようだ。フェリー会社も黙認しているようで、観光客は肩身が狭い。
 奥尻島の往復のフェリー代は6700円と結構高く、2時間ほどかかる。船内はカーペット敷きで、椅子席は有料である。13:00に出港し、15:10に奥尻島に到着する。この日の日の入りは16:42である。




 《球島山へ》
 港には宿の人が迎えに来てくれている。時間の関係で、球島山に近いところの宿にしている。宿までは車で送っていただき、宿には入らずに、すぐに球島山へ向かった。
 島の外周道路を北の方へ歩き始めると、左手に海洋神社の鳥居がある。海洋神社は大綿津見神(オオワタツミ)という海の神様が祀られている。先を急ぐので神社には寄らずに鳥居の前を通過する。
 道は登り坂になり、快調に歩いていると、先ほどの宿の車がやってきて上まで乗せてくれるという。せっかくなので乗せてもらうが、山頂まで車で行ったら登山にならないので、コースの半分ほどの道がカーブするところまでで降ろさせてもらった。時間としては15分くらいは短縮できただろうか。



 車道は広く、雪国にしては綺麗に舗装されている。道の両脇にはササが生い茂りダケカンバが林立している。
 足元には意外と多くの花が咲いている。ムラサキツメクサ、ヨメナ、ナデシコ、ヤマハハコ、コマツヨイグサなど。
 単調な舗装道を歩き続けると、風景が変わってススキの原となる。日の光を浴びて輝いている。
 左に道が分かれ、球島山の指導標がそちらを指している。ここではTamajimayamaと書かれている。キュウジマヤマでもタマジマヤマでもどちら良いらしい。



 左の道に入り、蛇行した道を進むと目の前に小山があり、階段が一直線に伸びているのが分かる。このあたりはなぜかアジサイの木が多い。山頂付近ではアジサイに加え、エゾヤマツツジ、エゾムラサキツツジの植樹が大規模に行われたようだ。
 階段の下には駐車場がある。球島山に登山道はないので、歩いて登ってくる人はいないのだろう。階段を上ってまずは、振り返り、紅葉の樹林を一望する。海はうっすらと見えている。そして山頂の方は、開けた場所の中央に盛り上がりが有り、三角点が立っているのが見える。基準点名は球島山で標高は369.29m。一等三角点である。奥尻島には一等三角点が2ヶ所有り、もう一つは神威山の山頂にある。自衛隊の基地の中にあるためか、詳細は公開されていない。



 山頂の岩の上に立ち、360度の周りの景色を堪能する。先ほど船が着いた港がよく見え、奥尻島のシンボルでもある鍋の取っ手に似たなべつる岩も見える。山頂まで誰も会うことは無かったが、あとから一人だけ山頂へ登ってきた。多分車で来たのだろう。山頂で写真を撮ってすぐに降りていった。
 山頂にはトマトのような赤い実が生っていた。ハマナスの実である。あとで調べたら美味しいらしい。食べてみれば良かった。どんな味がするのだろう。
 山頂には10分ほど滞在し、日が落ちる前に早々に下山しなければならない。階段を降りていくと、何やら生き物がもそもそと動いている。よく肥えたエゾタヌキだ。何匹かが階段をうろうろとしている。こちらに気づいて目が合うが、すぐに逃げる様子は無く、数メートルまで近づいて写真を撮ることが出来た。それ以上近づくと草むらの方へ逃げていった。北の地でタヌキはどうやって冬を越すのだろうか。
 下山も車道を降りていく。道なりに降りていけば良いので、暗くなっても迷うことは無いが、闇夜になる前に街まで降りておきたい。道を半分ほど降りたところで日没となり、空は急速に明るさを失っていく。かなり暗くなったところで街の光が見えてきて、島の外周道路に降り立つ。そこからは歩道を歩いて、今日の宿までもう一息である。

《登山道の動植物》
ムラサキツメクサ ハマナスの実 岩陰の紅葉
【1.ムラサキツメクサ】
【2.ハマナスの実】
【3.岩陰の紅葉】
エゾタヌキ ナデシコ ヤマハハコ
【4.エゾタヌキ現れる】
【5.ナデシコ】
【6.ヤマハハコ】
コマツヨイグサ
【7.コマツヨイグサ】

○今夜の宿
御宿きくち★★★
きくち 場所:北海道奥尻郡奥尻町字宮津11-6
(TEL:01397-2-2755)
料金:9,500円(一泊2食)
大浴場:なし
Camera:CANON EOS R8