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鋸岳-山梨百名山 鋸岳-山梨百名山 行程の半分は林道歩き 行程の半分は林道歩き 【鋸岳と北岳】
コース(タイム)釜無川ゲート(04:38)-(06:36)ログハウス(小屋)-(07:49)横岳峠-(11:17)鋸岳(12:02)-(14:00)横岳峠-(17:09)釜無川ゲート
《山概略》
林道を歩いていくと、0.5km地点の標識が現れる。ゲートからの距離である。この標識は500m毎に現れる。これから気の遠くなる距離の林道を歩くので、この表示はありがたい。 林道は道なりに歩いていけばいいという訳ではなく、いくつか分岐がある。これで迷ったという記録を見たことはないが、感で進むしかない。林道には鋸岳と書かれた指導標は一切なく、あくまでも工事関係者用の案内だけである。林道をひたすら歩いていると、自転車とバイクが追い抜いていった。いずれも登山者で、バイクなどどうやって乗り入れたのだろうか。橋の所には二台のバイクが駐められていた。まだ林道の半分地点である。林道だけでも標高差は500mほど有るので、どこまで自転車で入るかは判断の分かれるところだろう。この自転車は下山時にはなくなっていた。道自体はそれほど悪路でもなく、ダートとしては綺麗な方だろう。
6.0km地点の先にある分岐は右に進む。左は始点の道標があり別の林道である。左手の釜川にはいくつかの堰堤があり、それらを通過していく。9.2km地点と中途半端な表示。ここが最終表示のようだ。前方に赤い屋根の小屋が見えてきて、長い林道歩きがようやく終わるようだ。 赤い屋根の小屋に到着(標高1,545m)。林道歩きは2時間となった。小屋の前には一人の男性。バイクで来た強者だ。鋸岳は二度目の挑戦で、最初は体力不足で途中引き替えしたため、今回のリベンジは体力温存のためにバイクにしたそうだ。 小屋は大昭和製紙の飯場跡で、その軒下には避難所としてご利用ください、と書かれている。ここにテントを張ると二日かけて余裕の登山が可能になる。なお、トイレはない。
小屋からは左の沢の方へ降りていく。ここからは道が不明瞭なので岩のマーカーやテープを頼りに進んでいく。しばらく沢沿いに進むが、何度か徒渉する。いずれも岩伝いに進むので足下が濡れることはない。相変わらず鋸山への指導標は出てこないが、「この先富士川の水源」と書かれた指導標が現れる。水場があるのだろう。そのあたりから尾根歩きとなる。 樹林帯の急坂がしばらく続き、稜線の横岳峠(1,983m)に到着する。ここで初めて鋸岳への指導標が現れる。反対側は横岳で、ピークは近そうだが、そこへ立ち寄る余裕はないだろう。小休止の後、鋸岳に向かう。
稜線もしばらく樹林帯で、眺望はなかなか現れない。足下には小さい花がちらほらと咲いている。マツやシャクナゲの木立を通り抜けると、右手にちらりと仙丈岳だろうか、まだ雪が残るピークが見える。その隣には北岳だ。 尾根が急坂となると、眺望はしばらくお預けで、シラビソの樹林帯が続く。先行者を一人追い抜く。再び眺望が現れ始め、鋸岳の姿も見えるようになる。ほとんど緑のない岩山だ。あのピークまでたどり着けるのだろうか。 樹林帯を抜けてガレ場に出ると、仙丈岳、北岳、鋸岳がはっきり見えてくる。天気も上々だ。写真は撮れるうちに撮っておく。
ガレ場は浮き石が多いので、特に下りは注意して進む必要がある。三角点ピーク(2607m)の手前で、一人の男性が休憩していた。カステラの切り落としを食べていたのが印象的だった。70を越えていて、大手術を経ての登山復活とのことだった。そこから一緒に鋸岳まで行くことになった。 三角点ピークからはアップダウンの繰り返し。ピークに行くために下らなければならないのは辛いところだ。隣のピークを登っていく二人組が見える。今回、10人ほどの登山者と会ったが、女性はその二人組の一人だけだった。ほとんどがヘルメットを被っており、良い心がけだ。もちろん自分も被っている。
山頂直下にたどり着き、ようやく最後の登りとなる。岩場の急坂だが、それほど難しくはなく慎重に登れば問題はない。体力を残して鋸岳の第一高点(2,685m)に到着する。山頂には数人の先客。いずれも釜無林道から登ってきた強者だ。そして一人、第二高点の方から登ってきた。 細長い山頂はそれほど広くはない。360度の展望だが、ここに来て雲がかかってきた。甲斐駒の山頂はすでに雲の中で見えない。第三高点までの岩稜は見えていた。遠くに町並みは見えるが、携帯の電波(SB)は入りづらい。山頂の標識の前で記念写真を撮ってもらった。これで、山梨百名山99座目である。最後は富士見山なので、難関の山はこれで終了である。
しばらく山頂にいたが、ガスがはれる様子もないので、下山することにする。帰りは、三角点ピーク(2607.1m)に立ち寄った。稜線から数十メートル北側に行ったところに三角点がある。薮の中で三角点の位置は分かりにくく、眺望もないピークだ。 横岳峠まで戻ると、緊張も和らぎ、休憩しているうちに急に眠気が増してきた。10分ほど横になって寝ると、その間に虫に刺されたらしく、腹のあたりに発疹ができていた。山の中では不用意に横になるものではなかった。
ようやく小屋まで降りるもまだ先は長い。長い林道に取り付く。滅多に歩くことのない長距離である。足が辛い。自転車が二台ほど悠々と抜いていった。来るときはあまり気にしなかったが、立派な砂防ダムがあちこちにある。こんな奥地に必要なのかと思ってしまう。 広い林道に出て、ようやくゲートが見えてくる。もうへとへと。歩き始めから12時間以上かかってようやく車を駐めたところまで戻ることができた。
Camera:CANON EOS 6DMK2
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