上海放浪2001


[まえがき] 上海放浪記  [コラム1] [コラム2]


 浦東でお上りさんをしたあとは豫園へ。ここも上海観光の定番だ。黄浦江の下を貫くトンネルをくぐって豫園はすぐのはずだが、太郎はどうやら道が分からないらしい。もしくは駐車場を探してさまよっているのだろうか。ジュン小姐と上海語でなにやらやりとりをしているようだが、さっぱり分からない。北京語でしゃべれっちゅうに。
 何とか車が駐車場にたどり着き、豫園の中へと歩いていく。

【豫園商場】

 豫園は上海を代表する名園であるが、観光客にとってはその周辺の店がお目当てだ。高層ビルばかりの上海にあってこのあたりは唯一中国らしい建物が残っている。そしてそのほとんどが店舗で、いろいろなものが売っている。それにしてもその中にどうしてSTARBUCKSが入ってるの?その隣は上海名物五香豆(ウーシャントウ)のお店。上海でしか手に入らない唯一の名産がこの五香豆である。

 
 五香豆は、僕の知る上海人にはいたって評判が悪く不味いものらしい。しかしながら、NHKの中国語講座でこの店で五香豆を買って食べるシーンがあったので、是が非でも買っておかなければならない。しかも在日上海人にもお土産と称して配ることで彼(女)らの帰国心を煽るのも一興である。
 豫園のなかの緑波廊という店で昼食とする。もちろん中華料理の店で、ショーロンポウをしこたま食べる。ここでも青島ビールを頂く。けっこう汗をかいていたのでよけい旨い(好吃:ハオチィという)。

【豫園湖心亭】

 豫園は明の時代の私庭園で四川省の布政使という役人だった潘允端が故郷を懐かしむ父潘恩のために造営したという。当時は5万uの敷地面積があったが現在は2万uが残っている。湖心亭はタダだが、豫園中心部は入場料15元。
 
 腹ごしらえの後は豫園商場でお買い物。お土産類はたいていここで手に入る。しかも同じものが空港の売店で売られたりするが、価格差が倍以上あるので是が非でもここで買っておいた方がいい(と気づいたのは帰りの空港であった)。
【判子を彫るオジサン】

 判子をその場で彫ってくれる露店を発見。自分で好きな石を選んで紙に名前を書くと彫ってくれる。いい石は高いが、安いのは安い。僕が選んだのはたぶんモンゴル石の安いやつ。ソン小姐に値段交渉を任せた結果、石+彫り代で50元となった。10分ほどでできあがり、その場で押印してくれた。さすが職人、うまい字である。ただし文字が凹になっているのが難点。10分じゃ凸にはならないか...。
 
 次に薬屋を訪れる。効用のほどは分からないものの摩訶不思議な薬が多いのが中国5000年である。減肥薬や強壮剤は人気があるようだが、まだ僕には必要ない。とりあえずタイガーバームもどき(そのものはなかった)を購入。一個3元。だいたい価格は日本の10分の1くらいではなかろうか。日本の医薬品の高さが異常なのだろう。
 豫園商場で買い物を終えてホテルへ戻る。この日の団体行動は終わり。まだ外は明るいので再び一人で淮海中路へ繰り出す。今朝目を付けておいた比較的大きな書店へ向かった。歩道あるきは蒸し暑いが、書店の中はキンキンに冷房が効いていて気持ちがいい。中国語勉強のための幼児が読むような本を探した。そこでは幼稚園児がけっこう立ち読みしているのが意外であった。絵本を広げて、「イーアールサンシー・・・」と言っていたが、それくらい僕にも分かるぞ。子供達に負けずに本を物色した結果この書店で買ったのは、
 ・実用日中辞典  29元
 ・日本語入門28問 11元
 ・学前三百字   14.9元
 ・什○(←shenme)魚游得最快  6元
合計60.9元。1000円していない。ここでも日本の感覚と比較してしまうが、およそ4分の1の価格である。
 ここでのレジのシステムは日本とそれほど変わらない。レジのおばさんが本のバーコードをリーダーで読みこませ、合計金額が表示されるのでその金を支払えばいい。60.9元だからといって、100元と9角を払うときっと混乱するだろうから、素直に100元を支払う。そうすると、お釣りをくれて(当たり前!)、本の裏表紙をめくったところにお店の判子を押してくれる。これがこの店で本を買った証なのである。ブックカバーを着けたり、紙袋に入れてくれることはない。日本の図書館のようにそのまま持って帰って頂戴、なのである。とは言っても最近の商店は日本的サービスが普及してきたのか、この書店では出口の所にポリ袋が積まれていた。これを貰おうとすると、担当のおばちゃんが、「勝手に持っていくな」みたいな言葉を喋った。そこで先ほど貰ったレシートを渡すとすんなり袋に入れてくれた。(本に押す判子はこの時に押したかもしれない)
 何とか本屋での買い物を済ませ、ホテルへ戻った。この日の行動はホテルで夕食を取っておしまい。このホテルの食事は極めて高く、市内で豪華な中華料理を食べるのと同じ料金で、しけたチャーハンだけを食べるのであった。
 続く...
Camera:CANON Power Shot S10

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