あ
あすぴーで【アスピーデ】
火山の形の一つ。主として、粘り気の著しく小さい玄武岩質の溶岩からなる、傾斜の緩い円錐状の火山をいう。典型的な例として、山形県の月山が挙げられる。楯を伏せた形に似ていることから楯状火山ともいう。
あたま【頭】
谷や沢の源頭部にあたる尾根筋に顕著な隆起をなしているところ。ひとつの尾根から支尾根が枝分かれする場所は、必ず小さく盛り上がっている。
丹沢三ツ峰「本間ノ頭」、谷川岳「オジカ沢ノ頭」など。「かしら」ともいう。
あぷろーち【アプローチ】
自宅、もしくは最後の交通機関から山のふもとまでの道程。
あんぶ【鞍部】
峰と峰とを結ぶ尾根の一番低くなった所。コル。峠になる。
う
うまのせ【馬の背】
両側が切れ落ちた細い尾根。
うろ
木の幹の低いあたりにぽっかり空いた祠のような穴。数十年前に伐採されたときの跡。
え
ABC
アドバンスベースキャンプ。前進キャンプとBCの中間のようなもの。
お
おべりすく【オベリスク】
頂上にそびえる岩塔。南アルプスの地蔵岳、金峰山の五丈岩など。
か
がいりんざん【外輪山】
火口またはカルデラの中に新しい火山ができている複成火山において、外側にある旧火山体をいう。
カール
氷河地形の一種。山腹斜面など、沢の源頭部にあるお椀型の地形。
かざんけいほう【火山警報】
火山の噴火の危険性をわかりやすく知らせる「噴火警戒レベル」。
| レベル | 火山活動の状況 |
噴火警報 | 5 (避難) | 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生または切迫 |
4 (避難準備) | 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火の可能性が高まる |
火口周辺警報 | 3 (入山規制) | 居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生または予想される |
2 (火口周辺規制) | 火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生または予想される |
噴火予報 | 1 (平常) | 火山活動は静穏 |
かつかざん【活火山】
現在、噴火活動をしている火山のこと。北海道の雌阿寒岳や群馬・長野の両県にまたがる浅間山などがこれに当たる。
かま【釜】
滝の下にある丸い形をした淵。
カヤト【茅戸】
チガヤやススキなどで一面におおわれた山稜や斜面。カヤはイネ科の植物の総称。
カラビナ
ジュラルミンなどの輪にバネ式の開閉部(ゲート)がついたもの。クライミングの道具。
からみ【カラミ】
荷物を持たないこと
かるでら【カルデラ】
火山の山頂部にある、直径数キロメートルに及ぶくぼ地のことをいう。爆発、浸食、陥没などによってできる輪郭が円形またはそれに近い火山性の凹陥地で、普通の火口よりも大きいものが該当する。その代表としては、世界一のカルデラといわれる阿蘇山が挙げられる。
がれ【ガレ】
沢状の地形で岩、土砂が崩れた跡。なぎ。
き
きじうち【キジ撃ち】
用を足すこと。大のときのしゃがんだ姿勢がキジ撃ちを連想されるからことから生まれた言葉。
きせいかざん【寄生火山】
大きな火山の側面にくっついている小さい火山体のことをいう。
きゅうかざん【休火山】
過去に噴火した記録はあるが、現在は活動をしていない火山で、今後、再び活動する可能性があるものをいう。富士山もその一つである。
きょがんたい【巨岩帯】
沢の傾斜が増す手前に、大きな岩が堆積した場所。
キレット
落差が大きい岩壁状のコル。「切戸」からの転意。穂高連峰の大キレットなど。
く
グアノ
洞窟内のコウモリの糞。50cmほど積もる。滑るので注意が必要。
くさりば【鎖場】
岩場や滑りやすい箇所で、登山者のスリップ防止などのために、鎖やワイヤー、ロープなどを固定してあるところ。石槌山の鎖は巨大だ。
クライミング
手を使って登る登山。フリークライミング、アルパインクライミング、アイスクライミングなど。ロッククライミングは死語。
グリセード
雪山でピッケルを使い、スキーのように斜面を滑り降りる技。
グレード
フリークライミングのグレード体系は、日本ではUIAA(国際山岳連盟)のとアメリカのグレードをミックスしたものになっている。
UIAA 米国
Ⅰ ハイキング(歩き)
Ⅱ 手を使って登る簡単な岩登り
Ⅲ 手足のバランス(三点確保)での岩登り
Ⅳ- ロープによる確保を必要とする岩登り
Ⅳ |
Ⅳ+ |
Ⅴ- グレードが上がる
Ⅴ |
Ⅴ+ 5.7 ↓
Ⅵ- 5.8
Ⅵ 5.9
Ⅵ+ 5.10a
5.10b
:
け
げんせいりん【原生林】
森林学的に「極相林」。樹木種の淘汰が1000年以上行われた結果、土地の環境に最も適したもの。東北地方では落葉広葉樹、北海道では針葉樹、西日本では照葉樹。
こ
こうそうしつげん【高層湿原】
湿原の生まれる段階の一つ。堆積物が水面より高くなり、上部が乾燥していく状態のこと。特徴として、ミズゴケ・ヌマガヤ・ホロムイスゲなどが生えている。
こにーで【コニーデ】
火山の形の一つ。溶岩や火山灰などが積もってできたものをいう。すり鉢を逆さにしたような形が特徴で、富士山はその代表である。円錐状火山や成層火山ともいう。
こにとろいで【コニトロイデ】
前述のコニ-デとトロイデが複合した火山の形。北海道の恵山が挙げられる。
こる【コル】
山と山の間にある窪みの総称。
ゴルジュ
両岸が高くそびえ川幅が極端に狭くなったところ。ふらんそごで仏語でのどの意味。
さ
さんかくてん【三角点】
地形調査基本となる三角測量の際の基準点。山頂や見晴らしの良い山稜上などに、長方形の花崗岩を埋めてある。原則として標示のある側面が南を指す。
し
しかざん【死火山】
現在は活動しておらず、その成長は完全に停止しており、将来も活動する可能性がないと思われる火山のこと。
シリセード
雪の斜面をお尻で滑る方法。
しんりんげんかい【森林限界】
ブナなどの高木が生育できなくなる標高線のこと。
森林限界より上では、高木は散見されるのみで、ハイマツ帯などになる。
す
スノーブリッジ
川幅の狭いところに乗った雪渓がとけて、橋のような形に残ったもの。
せ
せっけい【雪渓】
夏でも雪で埋められている谷や沢筋。尾根や山腹で雪が残っているところは「雪田」という。
せっぴ【雪庇】
尾根の風下側に雪が屁のように張り出した部分。飯豊連峰では幅10メートルもの雪屁が東側に張り出すらしい。
そ
ぞうきりん【雑木林】
クヌギ、コナラなど、さら地にまず生えてくる種類が構成樹となっている場合が多い。人里に近いところにある林なので、都市化によって減少している。バッファーゾーン(緩衝地帯)ともいう。原生林などの深い自然と都市をつなげる場という意味。
そうじほう【双耳峰】
二つのピークを持つ山。
た
だんそうさんち【断層山地】
断層によって形成された山地のことをいう。兵庫県の六甲山など。
ち
ちとう【池糖】
湿原地帯にある小さな水たまり。
チョックストン
狭い峡谷に岩が挟まったもの。
て
であい【出合い】
沢と沢が合流する地点。
ていそうしつげん【低層湿原】
湿原の生まれる段階の一つ。始めは水面より低く堆積され、次第に腐り泥炭になっていく状態のこと。特徴として、ヨシ・スゲ類などが生えている。
テッポウ
用を足すときに必要な穴掘り用スコップ。「キジ撃ちに必要な道具=鉄砲」ということらしい。
デブリ
最近雪崩が起きた地点の末端にできる。無数に転がっている直径30cmほどの雪の玉。
テラス
数人が立てる広さのある岩棚のこと。
テンション
ロープ、プロテクション、スリングに体重をかけてぶら下がること。
てんば【テン場】
テント場
と
トラバース
山腹や雪渓などを横断すること。
トロ【瀞】
川の水に浸食されてできた深い淵で、流れがゆるやかな所。
とろいで【トロイデ】
火山の形の一つ。粘り気の高い溶岩でできたものをいう。よく例に挙げられる山は、長野県の焼岳。溶岩円頂丘ともいう。
トップロープ
あらかじめルートの終了点に支点を設置して、ロープで上から確保されるようにしたシステム。
ドングリ
ブナ科植物の実の総称。国内でドングリをつける木は20種類ほど。
| 皿の様子 | ドングリが成熟する年 |
落葉樹 | コナラ | うろこ状模様 | 開花した年 |
ミズナラ | うろこ状模様 | 開花した年 |
カシワ | 細長いとげ | 開花した年 |
クヌギ | 細長いとげ | 開花の翌年 |
クリ | 針状のいが | 開花した年 |
ブナ | 先が割れる | 開花した年 |
常緑樹 | シラカシ | 横じま模様 | 開花した年 |
アラカシ | 横じま模様 | 開花した年 |
アカガシ | 横じま模様 | 開花の翌年 |
ウバメガシ | うろこ状模様 | 開花の翌年 |
マテバシイ | うろこ状模様 | 開花の翌年 |
スダジイ | 先が割れる | 開花の翌年 |
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