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蝶ヶ岳-長野県の山

蝶ヶ岳-長野県の山

諦めていた眺望がそこにあった

諦めていた眺望がそこにあった

【蝶ヶ岳山頂から】

蝶ヶ岳山頂から

山行情報
日程 2019年7月19日(金)-21日(日)夜行一泊二日
山名(山域) 蝶ヶ岳(北アルプス
入/下山地 三俣駐車場
メンバー 黒岩、林田、泊、野元、小林、福島
行動時間 初日:8時間
二日目:4時間25分
歩行
距離
登り
下り
歩数
11.2km
8.2km
1836m
276m
458m
1655m
--歩
■■■

コース(タイム)

三俣駐車場(5:25)-(11:14)蝶ヶ岳-(11:25)蝶ヶ岳ヒュッテ(13:10)-(14:26)蝶槍-(15:16)蝶ヶ岳ヒュッテ(5:30)-妖精の池-(6:15)蝶ヶ岳ヒュッテ(7:06)-(10:45)三俣駐車場

 《山概略》
 蝶ヶ岳は長野県の北アルプスにある標高2677mの山。春頃、安曇野市から眺めると山頂直下にチョウの雪形が現れることからその名がついたといわれる。山頂からは穂高連峰や安曇野の街並みを望むことができる展望の山である。

 《アプローチ編》
 金曜の夜に出発し、土日で山入りする夜行一泊二日のコースを計画した。まだ梅雨明け前であるが、それより台風5号の接近が気になった。九州西海上を北上しており、前線が日本列島を横断していた。しかし、安曇野地方の天気予報は悪くはなかった。というわけで決行となった。
 八王子駅前に集合し、二台6人で安曇野へ向かった。三俣駐車場駐車場に着いたのは午前二時を回っていた。車内で仮眠して夜が明けるのを待った。


三俣駐車場
【三俣駐車場】
   三俣登山口
【三俣登山口】

 《蝶ヶ岳へ》
 三俣駐車場(1280m)は初めてだったが、朝を迎えてようやく様子がわかって来た。駐車場は傾斜があり、意外と広く、この時期にしてはがら空きだった。綺麗なトイレも完備されていた。駐車場は谷あいにあるためあまり眺めは良くないが、正面に見える山は蝶槍だ。山肌にすこし設計が残っている。
 出発準備をしている間に、クラブツーリズムの団体がやって来た。女性ばかりのその集団とは、同じような行動をとることになる。駐車場を出発し、林道を進んだ。山頂までは標高差1400mほどである。
 林道の終点が三俣登山口で、三俣登山補導所という小屋がある。係員が出てきて登山者カードを書かされる。ここで10分ほど足止めされ、いよいよ山の中へ入る。道は常念方面と蝶ヶ岳方面に分かれるが、前後の登山者はほぼ半々に分かれているようだ。我々はもちろん蝶ヶ岳方面に向かう。
 谷に沿った道が続き、小さな沢を徒渉する場面もある。つり橋を渡り、本沢を横切る。この沢は犀川(さいがわ)支流で、その後千曲川となる。

急登が続く
【急登が続く】
   ゴジラに似た木
【ゴジラに似た木】

 力水という水場を過ぎると階段の急登が続く。急登を登りきると休憩スペースがあり、ゴジラみたいな木がある。この木は1969年にはすでに発見されていたという。目玉が入った写真があったが、現在目玉は入ってない。
 樹林帯の登りは続くが、時々安曇野方面の雲海や常念岳方面の稜線が見える。天気の方は、台風の影響は全くなく、雨が降ることもない。急登が一段落し、まめうち平(1900m)に到着するので、小休止する。

樹林帯が続く
【樹林帯が続く】
   安曇野の町が見える
【安曇野の町が見える】

 まめうち平からはしばらく緩やかな登りとなり、道脇の花やキノコを撮りながら進む。標高2000m地点を越え、急斜面を勢いよく流れる蝶沢を渡る。沢の脇には雪渓の塊が残っていたが、下山時にはこの雪は消えていた。階段の登りが続き、振り返ると安曇野方面の雲海が薄れて街並みが見えてくる。
 最終ベンチと書かれた、朽ちたベンチを通過し、大滝山分岐からは森林限界を超える。ハイマツ帯となると、ガスの中に入り、視界が悪くなる。稜線が近くなり、前方に蝶ヶ岳ヒュッテが見えてくる。小さい小屋だと思ったが、母屋の小屋はまだ見えてなかった。
 稜線に出て山頂は左手にある。テン場を通り抜けて緩やかな斜面の先にある蝶ヶ岳山頂(2677m)に到着。山頂周辺はガスの中で自慢の眺望は全くない。風があり、多少雨の様なものが降る中、記念撮影をして早々に小屋へに向かう。山頂から小屋までは数分の距離である。

ハイマツ帯はガスの中
【ハイマツ帯はガスの中】
   蝶ヶ岳山頂
【蝶ヶ岳山頂】

 今夜のお宿は蝶ヶ岳ヒュッテである。個室を予約していたので気が楽である。この日は台風接近で宿泊客が少ないかと思いきや、キャンセルはほとんどないそうだ。ツアー客が多いからだろう。小屋の中に落ち着き、スイカや珈琲を嗜んでいると、窓から見える穂高連峰方面の槍ヶ岳が見え隠れしている。個室でくつろいでいるうちにガスがとれ、見通しがよくなってきたので、蝶槍まで散歩することになった。

午後は天気が回復
【午後は天気が回復】
   ライチョウ現る
【ライチョウ現る】

 ヒュッテをでて稜線を北へ向かった。すぐ先の小ピークには避雷針が立っている。この辺りはザレ場で、斜面にはコマクサが咲いていた。緩やかな稜線を歩いて行くと、ライチョウが現れる。メスのライチョウで、周りにはヒナがうろうろしている。撮影するために近づいても、ライチョウは全く気にしない。鳥類で人間が近づいても逃げないのは、日本のライチョウだけではないだろうか。この稜線では三組の親子連れライチョウを見かけた。

三角点ピーク
【三角点ピーク】
   蝶槍に到着
【蝶槍に到着】

 稜線をゆるゆると歩き、横尾への下山口を通過する。その先のピークに三等三角点(2664m・点名蝶ヶ岳)がある。以前はここが山頂だったようだが、現在の山頂より13m低い位置にある。さらに北へ進むと、岩が積みあがったようなピークで、蝶槍と呼ばれるところである。稜線はこの先常念岳まで続くが、散歩はここまでである。来た道を蝶ヶ岳ヒュッテまで戻った。

穂高連峰の眺め
【穂高連峰の眺め】
   翌朝テン場の様子
【翌朝、テン場の様子】

 《二日目》
 蝶ヶ岳ヒュッテで朝を迎え、期待はしてなかったがご来光を見に外へ出た。すでに多くの人が外に出て東の方向を見つめている。雲が多く、ダメかと思われたが、日の出時刻から数分後には雲の隙間からオレンジの日が差してきた。あきらめずに待ってみるものである。南の方には富士山も見ることができた。
 ヒュッテの朝食は混むというので時間を遅らせ、その間に妖精の池あたりまで散歩することにした。上空には雲が覆っているが、眺望は抜群の天気である。テン場を越えて徳沢の方へ下る道を進んだ。正面には穂高連峰の素晴らしい眺めが広がる。道には高山植物の花々が咲いている。小さな妖精の池を確認してヒュッテへ戻った。戻る途中、再度蝶ヶ岳山頂に立ち寄り、昨日はガス見られなかった大展望を見ることができた。

再び蝶ヶ岳山頂へ
【再び蝶ヶ岳山頂へ】
   三俣へ下山する
【三俣へ下山する】

 ヒュッテの食堂には6:10に戻ったが、われわれが最後の客となった。朝食を終えたら下山するだけである。小屋の前では植物調査?に来ていた名古屋の大学の先生や学生たちをヒュッテの従業員が総出で見送っていた。その儀式が終わってから我々も下山した。この日は日曜日だが、続々と登ってくる登山者とすれ違う。登りは5時間50分ほどかかったが、下りは3時間40分で三俣駐車場に到着した。がら空きだった駐車場も満車状態だった。
 下山後の温泉は、蝶ヶ岳ヒュッテで割引券をもらった「ほりでーゆー四季の郷」へ向かった。宿泊もできる立派な施設でさっぱりする。昼食は人気のそばやに入ろうとするも、待ち時間が長くあきらめる。SAのレストランで食べ、中央道では渋滞の洗礼を受けて橋本駅前で解散した。久しぶりの北アルプスで大いに楽しませてもらった。
《登山道の花》
ゴゼンタチバナ ヤグルマソウ サンカヨウ
 【1.ゴゼンタチバナ】
 【2.ヤグルマソウ】
 【3.サンカヨウ】
キヌガサソウ イワカガミ シナノキンバイ
 【4.キヌガサソウ】
 【5.イワカガミ】
 【6.シナノキンバイ】
ベニバナイチゴ ギンリョウソウ イワツメクサ
 【7.ベニバナイチゴ】
 【8.ギンリョウソウ】
 【9.イワツメクサ】
コマクサ ハクサンシャクナゲ ハクサンイチゲ
 【10.コマクサ】
 【11.ハクサンシャクナゲ】
 【12.ハクサンイチゲ】
ミツバオウレン オオバタケシマラン ツガザクラ
 【13.ミツバオウレン】
 【14.オオバタケシマラン】
 【15.ツガザクラ】
ミヤマカラマツ オオサクラソウ ミヤマキンポウゲ
 【16.ミヤマカラマツ】
 【17.オオサクラソウ】
 【18.ミヤマキンポウゲ】

付近の山 常念岳(2001.5.4)、奥穂高岳(1998.7.19)、明神岳(1998.5.4)

立ち寄り湯情報
 
ほりでーゆー四季の郷★★★
場所:長野県安曇野市堀金鳥11-1(TEL:0263-73-8500)
泉質:天然温泉(ラドン)
料金:530円・時間:10:00~21:30
休館:-
食堂:有、露天:有
Camera:CANON EOS 6D Mark II

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